ウクライナ問題を引き起こした米国の嘘
ロシアとウクライナの関係が問題になっていますが、このウクライナ問題は、正直に言いますと、悪いのはクリントン政権と父ブッシュ政権なんです。
ブッシュのお父さんの政権時代に、ベイカー国務長官と、スコウクロフト安全保障補佐官を含めて、それから米軍のトップと、その人たちが、ゴルバチョフと、シェワルナゼ外務大臣と、それからロシア軍、ソ連軍のトップに、十数回、繰り返して、もしロシアが、東ドイツと西ドイツの統一を認めてくれたら、我々は絶対にNATOを東の方向に拡大しないと。
ポーランドもチェコもハンガリーも、絶対にNATOにいれないと。
十数回、約束しているんです。
国務長官とか、安全保障補佐官レベルだけじゃなくて、例えば、国務省の局長レベルの連中が、ソ連の外務省の局長レベルと話し合う時も、国務省の局長レベルの連中も、NATOの拡大はあり得ないと約束していたわけですね。
ところが、ブッシュのお父さんの政権では、そういうふうに十数回約束していたのに、次のクリントン政権になると、あっさりその約束を破って、ポーランド、ハンガリー、チェコスロバキアとか、どんどんいれて。
それに加えて、次のブッシュの息子政権は、2007年だと思いますけど、ウクライナと、グルジア、ジョージアまで、NATOにいれると。
そうすると、ウクライナとグルジアっていうのは、最近、少なくとも300年間、ロシアの勢力圏で。
ロシアの隣の国ですから。
そこまでNATOが入って来ると、米軍が、ロシアの国境地帯に配置されるという事なわけですよ。
これはもうね、ロシアとしては100%受け入れられないし。
そもそも、ブッシュのお父さんの政権が、十数回、ソ連政府のトップに、絶対にNATOの拡大はあり得ないと。
で、その息子が、ケロッとして、グルジアも、ウクライナも、NATOに入れたいと言っているわけですね。
そうすると、親父が約束した事を、息子はケロッとして、全く反対の事を言っているわけでしょ。
そうしたらもうね、ロシア人としては、こんな嘘つき、全く信用出来ないと。
我が国にとっても、重要な話ですけど、やっぱり、北方領土の返還の話もそうですね。
アメリカの軍隊を、歯舞、色丹に、駐留させないというのを約束しろというのは、安倍政権下での交渉で、相当出ましたよね。
これもやっぱり、その問題もあるでしょうね。
こういった問題に関して言うと、僕はやっぱり、1950年代に起きた事が、殆ど全ての原因なんではないかと。
それは何かというと、1951年に吉田茂が、サンフランシスコ講和条約を結んで。
1955年に、鳩山一郎が、政権を取ったわけですね。
だけど鳩山さんは、もうヨレヨレだったから、実際の外交政策、軍事政策は、重光副総理が決めていたわけですね。
で、重光さんと、その次の総理大臣だった石橋湛山は、反吉田だったんですよ。
当時の日本には、まだ、反吉田の大物政治家っていうのが、いたんですよね。
この反吉田の、重光さんと石橋さんが、主張していた事に共通点があって。
それは何かっていうと、戦後の日本国憲法は、米軍が日本人から政治活動の自由と、言論活動の自由を剥奪していたから、最初からあれは、合法ではないと。
要するに、正統な憲法ではないと。
あれは、占領軍のでっち上げであると。
もう一つは、サンフランシスコ講和条約を結んだと言いながら、アメリカ軍が、まだ駐留していると。
これはおかしいと。
在日米軍には、できれば6年以内、長くても8年以内には、日本から出て行って欲しいと。
重光さんと石橋さんは、そう言っていたわけですね。
どう考えても、この2人が正しいんですよ。
ところが、重光さんは急死しちゃったし、石橋さんは病気になって、すぐに辞めて。
それから後の日本の政治家っていうのは、現在の岸田まで、全員、吉田路線なんですよ。
吉田路線っていうのは何かというと、アメリカ様にくっついて行って、アメリカ様を相手に、お金儲けをさせて貰うから、日本が二度と、自主防衛をしませんと。
日本は独立国になりませんと。
アメリカ様に、永久に占領して頂きますと。
これが、吉田路線なんですよ。
日本にとって致命的だったのは、反吉田を鮮明にした、重光とか石橋みたいな人が、その後、誰も出て来なかったと。
そのあとの岸から、現在の岸田までの日本の政治家っていうのは、いかにも国士とか、愛国者とかいうポーズを取って。
中曽根とか小泉もいれて、全員、対米隷属論者、対米従属論者、もしくは、隷属。
要するに、アメリカの子分になって、アメリカの属国になって、永遠に、アメリカに守って貰えばいいと。
だから、アメリカの国内政治が、麻痺した状態になって。
アメリカが、当然の事ながら、ロシアと中国と、同時に戦える状態ではないと。
だから、客観的に言えば、日本は、自主防衛能力を、持たざるを得ないという状態になっているのに、反対に日本政府と、日本の保守、マスコミが何にも言わないのは、みんな結局、吉田路線で。
日本はアメリカの属国でいいんだと。
未だに、76年、77年経っても、日本は、ずっと永遠にアメリカの属国でいいんだと。
それが、日本の保守の本質なんです。
だからもうね、いくら自民党で総理大臣が変わろうが、重光とか石橋みたいな人間が、出て来ないんだから。
だから、次が、茂木になろうが、誰になろうが、関係無いんですよ。
そんな中、中国に関しては、僕がもしも中国の指導者だったら、次の6年間が、我慢の時期だと。
次の6年間を切り抜ければ、我々が勝つと。
僕は、そう思っていると思います。
僕が中国人だったら、そう思いますね。
なんでかっていうと、今の国際構造っていうのは、経済的には、五極構造なんですね。
要するに、米中露、ヨーロッパ、日本と。
ところが、軍事的には、三極構造なんです。
要するに、今の世界で、独立して本当の大規模の戦争行為を行う能力を持っているのは、アメリカと中国とロシアだけなんですね。
で、アメリカは非常に愚劣な事に、ロシアを徹底的に、敵にまわしてしまったわけですね。
それで、現在の実質的な、中露同盟が出来てしまったわけです。
三極構造で、アメリカと敵対している2つの国をくっつけるなんて、そんな馬鹿な事をやったら、絶対にいけないわけですよ。
だから、アメリカは、絶対にロシアを怒らせないようにして、ロシアを味方にしておかなければいけないんですよ。
それが出来ないんだったら、少なくともロシアに中立を保ってくれるような立場にロシアを置いておくと。
ところが、現在はもう、中国とロシアが、何十回も一緒に軍事演習をやって。
要するに、中国とロシアとしては、一緒になれば、アメリカは攻めて来れないと分かっていますから。
問題は、現時点で、名目GDPじゃなくて、購買力で計った実質GDPでいうと、中国とロシアの実質GDPは、アメリカの実質GDPよりも、5割か6割、高いんですね。
ところが、2028年になると、ドルで計算した名目のGDPも、中露の名目GDPは、アメリカの名目GDPを越すんですね。
そうすると、これらの国は、だいたいGDPの3%くらいを軍事費に使っていますから。
中国の公表っていうのは、1.8%とか、1.7%とか言うんですけど、実際には3%使っているんですね。
そうすると、中露を合わせて、名目GDPが、アメリカの名目GDPを、2028年に越すという事になると、中露の軍事費の方が、明らかにアメリカの軍事予算よりも大きくなる。
そうすると、もうアメリカは、絶対に中国に攻撃を仕掛けられないわけです。
そうすると、アメリカにとって、唯一のチャンスは、2022年から、2028年までの6年間に、中国経済が、毎年5%の成長が出来ない状態に追い込んでいく。
アメリカの、今後可能な経済成長率っていうのは、だいたい2%くらいだと思われているんですね。
だから、中国が、毎年、5~6%成長されたら、困るんですよ。
だから何とかして、中国の経済成長率を、ゼロ、もしくは、2%程度まで落とさなければいけないんですね。
もし、それが出来たら、2028年以降、アメリカはまだ、中国と競争して、勝つチャンスがあるんですね。
だけど、もし2028年までに、そういう体制を作れなかったら、2030年代になると、中露両国の、名目GDPも、アメリカを越すし、実質GDPの規模は、中露を合わせると、アメリカの実質経済規模の2倍になるんですね。
そうしたら、アメリカはもう、絶対に手が出せないと。
だから、2030年代になったら、アメリカが中国やロシアと戦争するというシナリオは、もう成り立たないんですね。
そうすると、中国側としては、アメリカの国際政治がもうガタガタになっていると。
で、2030年代になると、アメリカの労働者人口も、過半数が非白人になるわけですね。
そうすると、アメリカ国内の分裂というのは、ますます酷くなっていくわけです。
ですから、例えば、ペンタゴンの幹部が、このままだと、2030年代になると、アメリカは内乱状態になるとか言っているわけですね。
だから、中国としては、2022年から2028年まで、凄く苦しいのを我慢して、なんとかして、毎年の経済成長率、4%~5%を達成すれば、2030年代のアメリカというのは、東アジアを支配する事をギブアップして、グアム以東もしくは、ハワイから東へ帰っていくだろうと。
中国人の目から見て、アメリカという西半球の国が、ヨーロッパと中東と東アジアを支配するっていうのは、もの凄く不自然なんですよ。
アメリカが、東アジアを支配しているのがおかしいと。
だから、東南アジアと、東アジアからは、アメリカは出て行って欲しいという、中国人の意見というのは、もの凄く全うなんですよ。
中国人の立場から見ると。
当たり前の事を言っているだけなんですね。
だから、2030年代になれば、アメリカは戦わずして、東アジアをギブアップするだろうと。
ロシアも、アメリカはヨーロッパ、特に、コーカサス地域を支配するのを、ギブアップするだろうと思っているわけですね。
これも、僕がロシア人だったら、同じ事を考えると思うんですね。
だから、日本としては、2028年か、2030年になる前に、戦略的な核弾頭を少なくとも200発、原子力潜水艦に置いておいて。
それとは別に、戦術的な核兵器、要するに、人工ミサイルに乗せておくような核兵器ですね。
戦術核を、やっぱり数百発持っておく必要があると。
それを、2028年か、2030年までに、それをやり遂げなければいけないわけですね。
それをやるには、外務省と防衛省と、自衛隊と自民党が、アメリカに依存して行くような国家政策というのは、次の10年間はもたないというふうに、根本的に考えを変えないと。
要するに、戦略核を200発もって、戦術核を数百発持つという事は、出来ないわけですね。
なぜ、戦術核兵器が必要かというと、例えばロシアは、今、二千数百発の戦術核兵器を持っているんです。
戦略核というのは、千六百発か、千七百発なんですけれども。
ロシアの場合は、戦術核の方が多くて。
どうしてかというと、NATO全体と比べると、ロシアの通常戦力というのは、見劣りすると。
だから、ロシアは、NATOの通常戦力と戦争する能力がないと。
しかしロシアは、通常戦力における戦いで、不利な状態に追い込まれたら、必ず戦術核を使うと、ロシアは言っているわけですね。
それがあるもんだから、NATOは、ロシアを攻撃出来ないんです。
そうすると、日本だって、人口が少ないし、少子高齢化で、自衛隊員も減っているわけですから、通常戦力では必ず不利な立場に置かれるわけです。
その場合、だから、日本もロシアと同じように、通常戦力における戦いで不利になったら、我々は戦術核を使いますと、最初から言っておく必要があるんですよ。
そうすれば、中国もロシアも、日本の自衛隊の通常戦力を叩き壊したら、自衛隊は戦術核を使うという事が分かりますから、戦争をしかけて来ないわけですね。
日本の技術力と経済力から見れば、二百発の戦略核と数百発の戦術核を持つというのは、もう、100%実現可能なんです。
日本人がやらないから出来ないだけで。
それが出来なければ、日本は、早ければ8年後、遅くても15年後には、中国の属国になっていると思いますね。