中国のIT企業規制が与える影響
中国IT企業規制、ウォールストリートに大きな衝撃というお話をさせて頂きたいと思います。
中国のタクシー配車アプリDiDi、アメリカで中国企業としては過去2番目の規模の新規上場に成功し、スタンダード・アンド・プアーズ、ダウジョーンズに採用される事が決まりました。
その直後、中国当局はDiDiに対してアメリカへのデータ流出の疑いでの調査を開始。
DiDiをアプリストアから外すように各メーカーに命じた事も報じられました。
これによりDiDiの株価が暴落し、公募価格を割り込む状況になっています。
現在のところ、アプリの削除を求めただけで、既存の5億人のユーザーには直接景況が無い模様ですが、今後、使用禁止などもあり得るとされており、これからどうなるかが分かりません。
また、一部報道によれば、中国政府が上場前にDiDiに対して上場を延期するように要請していたとも報じられており、DiDiの強引な上場に向けての行為。
これが、問題になる可能性も出ています。
DiDiが投資家などにそのリスクを適切に説明していれば、今回、上場は無かったわけです。
また、DiDi同様に6月に上場したタクシー会社の満幇集団と人材採用の看准に関しても、捜査が行われ、新規ユーザーの登録が出来なくなっています。
中国政府のIT企業に対する締め付けの象徴
これは、中国政府によるIT企業への締め付けの象徴であり、中国政府がその気になれば、いつでもウォールストリートを破壊出来る、というアメリカ市場に対する大きな圧力とも言えます。
そして中国版ツイッター微博(ウェイボー)ですが、現在、アメリカのナスダックの市場に上場しています。
これを一旦上場廃止にし、上海市場に再上場する、というような話も出てきました。
これまで中国のIT企業の多くは、アメリカで上場し、そこで資金を集め、世界的な活動を行って来ましたが、アメリカで資金を集める、アメリカで上場するという行為そのものも、中国政府は疑問視しており、今後上場出来なくなる可能性も高い状況になっています。
そして問題となるのは、現在上場中の250社以上の中国企業で、これら今回の問題の影響がどこまで広がるのか、市場は注目しています。