アメリカ政府 北京オリンピックボイコットを検討
アメリカ政府、北京オリンピックを外交的ボイコットか?
というお話をさせて頂きたいと思います。
現在、アメリカの上院、下院共に対中国に対する包括的な法案が審議されております。
そして、アメリカの上院においては、米国イノベーション競争法案という対中包括法案が通ったわけです。
この法案ですが、対中国に対して、どのように対処して行くか。
対峙して行くか。
バイデン政権のこれからを含む、議会の要請が組み込まれたものとなっています。
バイデン政権の中国人権問題等に対する対応が弱すぎる
この法案の中で、バイデン政権が中国の人権問題等に対する対応が甘すぎる、という事で、様々な具体的な法令と、そして、出来る処置まで書いた条項があり、バイデン政権に対して、現在の対応は甘すぎる。
このような法律で、これが出来る、これが出来る、これが出来る、という具合に、具体的に適切な対処をするように求めています。
そして、この法案の中に、アメリカ政府による北京政府外交的ボイコットというのが含まれているわけです。
ウイグル等の人権問題、これに対して中国は適切に対応していません。
また、香港の一国二制度の瓦解、これをどんどん前に進めている状況であって、香港の民主活動家たちの人権は、日々失われて行っている状態になっています。
このような環境で、アメリカが北京オリンピックに対して、外交的に参加するのは望ましくない。
だから、してはダメ。
というのが、この法律の要旨という事になるわけです。
外交的ボイコットとは?
では、外交的ボイコットというのはどういうものかと言えば、大統領、副大統領を含むアメリカの政治家や、そして連邦政府職員、アメリカ政府に雇われている職員が北京オリンピックに参加しないというものであり、これが実現した場合、北京オリンピックの開会式は、非常にさみしいものになるでしょう。
また、この法律は、これまでアメリカが独自に単独で進めて来た対中制裁、対中対応。
これを同盟国と共に行うというのも大きなポイントとして置いており、アメリカが同盟国に呼びかけ、アメリカが制裁をすれば、同盟国も同様の制裁をする。
いわば、国際包囲網を作れ、とまで述べているわけです。
米国上院 超党派で通過
アメリカの制度ですが、これまで繰り返し申し上げて来たようにホワイトハウスが独立しています。
そして、議会はホワイトハウスに「何々をしろ」「何々をしてください」
という要請や命令を行い、それに予算が一致した形で法律となっているわけです。
この法律も半導体や様々な先端分野でアメリカのサプライチェーンを戻す。
また、アメリカと同盟国との間で、安全なサプライチェーンを作る、というイノベーション法案も含まれており、この制裁の為の法律と、そして同時にアメリカにサプライチェーンを戻す。
デカップリングを推し進めるための予算や様々な施策。
これが、セットになっているものと言えます。
アメリカの上院は、これを超党派で圧倒的多数で通過させました。
ポイントになるのは、超党派ある事であり、民主党だけではなく、共和党だけでもない。
つまり、議会の総意として、この上院の法案を通したわけです。
また、下院においても、米国グローバル・リーダーシップ・関与強化法案という法案が審議されています。
これは、上院の対中包括法案とほぼ同じものであり、様々な分野で若干の違いはあるものの、結果的にはこの2つの法案は、一本化される見通しとなっています。
上院で通った今回の対中包囲網と言える法案。
そして、下院で審議されている現在の対中包括法案。
この2つ、別々の法律ですが、上院、下院共に通過した時点で、上下院で調整が行われ、統一法案となり、それが成立する事になります。
まだ審議日程は不明ですが、早ければ6月下旬、または7月にもこの法律が成立する恐れがあり、東京オリンピックに関しても、それと前後する為、中国の対応が気になる所でもございます。