楽天 ソフトバンクから最大1000億円の損害賠償!携帯電話事業への新規参入が非常に困難な理由!渡邉哲也

楽天の危機

楽天の危機!ソフトバンクが楽天を提訴、という事についてお話をさせて頂きたいと思います。

楽天の携帯電話会社楽天モバイル、このアンテナを巡り、ソフトバンクが楽天を提訴致しました。

この問題ですが、元々ソフトバンクにいた社員が、楽天に転籍しました。

ソフトバンクを辞めて、会社を楽天に移ったわけです。

この際、ソフトバンクの5Gに関するアンテナ設置や、様々な機密資料を楽天に持ち出し、楽天がその情報を使い、アンテナを設置したのではないか、と疑われているからなのです。

この問題で警視庁は、元々ソフトバンクの社員、楽天モバイルに移行した社員を、不正競争防止法違反で逮捕し、それに伴い、ソフトバンクが楽天に対して、最大1000億円の損害賠償と、この不正な技術を用いて作られたアンテナ、基地局等の撤去、使用禁止を求めているわけです。

楽天側は、この主張を否定していますが、ここに来て、楽天が急激に5Gのアンテナ設置を増やしている事も事実であり、このソフトバンクが持っていた技術が使われたかどうかも大きな焦点になってきます。

携帯電話事業になかなか新規参入出来ない理由

携帯電話会社、新規になかなか参入出来ない大きな理由に、ネットワーク構築の難しさ、というものがあります。

現在、5Gにおいては、ファーウェイ、そしてノキア、エリクソン。

この3社がシステムを作っています。

ノキアのシステムには、NECとサムスンが。

そして、エリクソンのシステムには、富士通が基地局を作り、その基地局を結ぶネットワークをNTT、KDDI、ソフトバンクなど、各自の通信会社が組み上げて行くわけです。

このネットワーク組み上げに関しては、様々なノウハウが必要とされており、ノウハウを持たない楽天が、急激にアンテナ設置を伸ばす事が出来たのは、ソフトバンクの技術が流出したからではないか、とソフトバンク側は言っている、という事になります。

余談になりますが、ファーウェイの場合、システム、基地局、そしてネットワーク、更に端末まで一社で完結する仕組みになっている為に、そのままシステムとして新興国など、技術の無い国に売却する事が容易であり、これがファーウェイの優位性を保っていたとも言えるわけです。

携帯電話事業に新規参入した楽天、もしここで裁判所がアンテナの使用禁止や、撤去を求めた場合、今行われている5Gのモデル、また楽天モバイル事態の営業モデルが、完全に瓦解する事になります。

楽天モバイルが置かれた厳しい状況

楽天モバイルですが、既にかなり厳しい状況に置かれています。

なぜならば、既存の大手3社が、ahamo、povo、LINEMOなど安価なプランを提出し、楽天のビジネスモデルであった、安価な提供によるシェア拡大というものに暗雲が立ち込めているからです。

更に既存3社との違いである、元々設備を持っていないという事も、楽天にとって大きな負担になります。

今、皆さんが使っている4G、第4世代のスマホ、通信システムですが、実はその多くが4.5世代という5Gにそのまま転用できる仕組みを使っています。

基地局なども、5G、4G併用の物が多く、既に設備投資が終わっている側面があります。

それに対して、楽天はゼロ円携帯など、収入が入って来ない中で、システムの構築を進めて行かざるを得ず、資金が出て行く一方で、入金が無いという非常に厳しい状況です。

そこに更に、このソフトバンクとの訴訟を抱えた事で、楽天のモバイル事業は、非常に難しい岐路に立たされたと言えるでしょう。

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