東西新冷戦時代の開始
G7外相会談から見える東西新冷戦の始まりについてお話をさせて頂きたいと思います。
G7サミットの前哨戦となるG7外相会談。
中国、ロシアの脅威に言及、新冷戦時代の到来を告げるものとなりました。
中国に関しては、名指しで人権侵害を強く言及し、「われわれは恣意的かつ威圧的な経済政策や慣行に直面する中で、世界経済の耐性強化に向け共同で取り組んでいく」と指摘。
その上で、台湾がWHO、世界保健機関の年次総会や、世界保健総会に参加する事の支持を表明し、台湾海峡の緊張激化に繋がり得る一方的な高度を批判する、という事になりました。
これは、日米共同声明とほぼ同じ文言であり、欧州など、日米以外の国も、この認識を共有した事となります。
そして、EUも事実状、対中国からの経済安全保障策の制定を開始しました。
アメリカは、FIRRMA(外国投資リスク審査現代化法)によって、外国からの投資、特に中国など敵対国からの投資に対して、非常に厳しい審査を開始しています。
また、ECRA(米国輸出管理改革法)によって、輸出管理体制も強化しているわけです。
更に、外国統治説明責任法により、海外企業に投資するアメリカで上場する場合の審査を強化している。
日本 外為法改正
日本も2017年と2019年に外為法を改正し、これに対処しています。
欧州も企業買収の規制を設ける予定であり、これで国際的な中国への安全保障策が完成する予定です。
日本の場合、外為法は改正したものの、その為の行政面での対応が遅れており、独立かつ強い捜査権を持つ部署の設置が必要です。
現在これを財務省と経産省が行っていますが、経産省には警察権がありません。
楽天問題で表面化したように、外為法に穴があり、投資目的を単純投資、いわゆる経営に参加しない単純投資とした場合、事前審査が不要なのです。
このような状況では、日本の企業を守る事は出来ません。
国際機関であるFATF(ファトフ)、マネーロンダリング関する金融作業部会に対する日本側セクション、JAFICがかつて行ったように、部門を金融庁から警察庁に移すなど、警察権がある形での対応が必要になるのだと思います。
また、それに対応する人材の確保も重要です。
そして、ヨーロッパに見習い、現在分野別規制となっているものを、売上高や出資額などで縛るべきです。
また、政府調達や民間企業の補助金事業に関しても、入札や参加条件に、外国政府からの補助金を受けていない事を大きな条件にすべきでしょう。
そうでなければ、日本の公共事業が、中国など外国の企業、それも安全保障上問題のある企業に乗っ取られる事になってしまいます。