どうなる今後の米中戦争
これから米中貿易戦争、どうなるか?
という事について、お話したいと思います。
このまま行けば、バイデン政権が誕生するのではないか、と言われているアメリカですが、バイデンになったらどうなるのか。
そして、トランプ大統領とうの違いはどのような点になるのか。
これが世界のマーケットでの注目となっています。
バイデン政権は親中政権になるのか?
親中的な政策、中国に融和的な政策を取るのではないかと言われているバイデン政権ですが、アメリカの議会は、中国に対して依然強行であり、そして、今までと対応を変えてはいません。
日本ではトランプが一方的に中国に制裁をかけているように報じられる事が多いですが、実はトランプは、中国との間で、比較的ディール、取引をしようとしており、議会の方が中国に対しては、何倍も強行であったわけです。
そして、今年5月、アメリカ上院は、外国企業説明責任法案という法律も通しました。
この法律は、アメリカ国内で上場されている外国企業、これの会計の透明性を維持しなくてはならない。
3年以上、アメリカ国内において、監査が出来ていない場合、上場廃止にするというものです。
更に、外国企業が外国政府の監督下に無い、支配下に無い、という事を証明出来なければ、上場を廃止する、ともしているわけです。
オバマ大統領と中国政府の大きな合意
実は2013年、オバマと中国政府との間で、大きな合意がありました。
中国は、中国の国内法によって、中国企業の監査情報、会計情報を国外に持ち出す事が出来ません。
この状況では当然、中国企業はアメリカに上場出来ないわけです。
そのため、アメリカ政府と中国政府は、世界的な国際監査法人の中国事務所が、中国国内で監査をすれば、その情報をアメリカで監査されたものと同等に扱う、という覚書を行い、結果的に、上場される形になっているわけです。
しかし、中国における会計監査そのものが、信頼できないという声も広がっており、アメリカの上院は、この外国企業説明責任法案という法律を通したわけです。
この法律は、事実上の中国狙い撃ちでありました。
しかし、下院の法はなかなかこの審議が始まらず、結果的に12月になって、スピード審議によって、これが成立する事になりました。
この法律、トランプ大統領が署名をする事によって、法律が成立し、3年以内に証明できない。
会計データが健全である事を証明出来なければ、アメリカに上場している中国企業は、上場廃止の憂き目に会います。
その対象は、アリババやチャイナモバイルなど、中国の大企業に及ぶ、という事になるわけです。
バイデン政権誕生でどうなる中国政策
そして、バイデン政権にもしなれば、中国政策に対してどうなるんだろうか、という大きな疑問への答えの一つが出てきました。
12月2日、アメリカのバイデン氏は、もし自分が大統領になっても、米中貿易合意、第一段に関して、即座に破棄するつもりはない、としたわけです。
つまり、対中関税を廃止する、と言っていたバイデン氏ですが、ここに来て、一気に方針を転換したと言えるでしょう。
米中貿易協議の破棄=関税の破棄、であったわけですが、これを当面はしないと発表した。
これは、アメリカの政権移行に向けてのチームの中で、現実的な路線を取る人たちが主導権を握ってきた事が大きな要因であり、民主党を含むアメリカ議会全体が、中国に対する脅威論が高まっているという事にも、大きな原因があるように思います。
1月5日のジョージア州の決選投票次第ですが、このまま行けば、共和党が1議席でも取れば、バイデン氏が上院を失う事になり、自らの政策は出来ません。
そして、ホワイトハウスのスタッフも、共和党と民主党の合意人事の中で、共和党側が合意出来る人物しか選ばれない為、結果的に、今のトランプ政権の方針が継承される可能性が高いわけです。
トランプとバイデン、若干の温度差はありますが、米中貿易戦争は、簡単に終焉するものではなく、アメリカが逆に中国に融和的な態度を取れば、中国は逆に増長し、それが結果的に厳しい制裁を招く、という予測。
この予測通りの結果になりそうです。