米中金融戦争への発展
中国は、デジタル人民元構想を含め、アメリカの制裁を受けづらい、新たな決済システムを構築しようとしています。
そして、この中核となるのが、民間企業が行っているウィーチャットペイやアリペイといった、世界中で使える決済システムである、という構造になっているわけです。
アメリカから見れば、アリペイやウィーチャットペイを海外で利用出来なくする事によって、中国の国際送金、決済の仕組みを奪う事が出来ます。
逆に、中国としては、アリペイやウィーチャットペイを世界中に普及させる事によって、人民元直接決済を含む、中国の金融影響力。
アメリカの支配を受けない新たな金融システムを構築する事が出来ます。
この2つの思惑が衝突しているのが現在で、アメリカはここにきて、一気に金融面での制裁を強めて来ていたと言えるでしょう。
グローバリズムというのは、人・物・金の移動の自由化。
物に関しては、関税や輸出管理の強化によって制裁が強められ、人に関しては、ビザの監視強化やビザの停止、廃止などによって強化され、そして次は金、という事になります。
香港問題を含め、中国とアメリカとのデカップリング。
遂に金融戦争に発展したと言えるでしょう。