香港国家安全維持法の成立で香港はどう変わるのか?

黙っていないイギリス

また、イギリスも黙っていません。

一国二制度、香港返還の当事者は、イギリス及び、大英連邦諸国です。

単にイギリスだけではなくて、大英連邦もその対象となっているわけです。

そして、香港には香港生まれの人、300万人が住んでいます。

その300万人に対して、イギリス政府は、在外市民権を与えるとし、将来的なイギリス市民権獲得に向けての道を開く、としたわけです。

イギリスにはイギリス国民、英国市民と、英国、大英連邦の様々な国々。

在外市民という2種類の市民権があります。

在外市民というのは、イギリス人ではないが、大英連邦の市民の一人である、というもので、外から見るとイギリス人。

中から見ると外国人。

という構造になっているわけです。

しかし、これによって香港に300万人のイギリス市民が生まれた、という事になります。

イギリスは、このような市民に対して、邦人保護の義務を負っています。

イギリス人を守る義務が、イギリスにはあるわけです。

その上で、この邦人保護は、単にイギリスだけの問題ではなく、大英連邦諸国全体の問題でもあるわけです。

5アイズと呼ばれるカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、など大英連邦、イギリスのエリザベス女王を冠に持つ国々が連携してこれに当たる。

そして、5アイズとの直接的な軍事同盟関係にあるアメリカが、これをバックアップする。

つまり、アメリカ、イギリス共に、香港に軍を派遣する大きな理由を作った、とも言えるわけです。

この後、どのような事が起きるかは分かりませんが、いつでも戦争が出来る準備は進んでいると言えるでしょう。

香港国家安全維持法は日本に与える影響

この問題について、日本政府は直接的な当事者ではありません。

一国二制度に直接関わっているわけではないわけです。

しかし、当然、日本企業の企業活動等にも大きな影響がある、という事は明確であり、これは香港だけの問題でも無いわけです。

日本企業の多くは、香港という金融センターを利用して、決済を行い、日本から香港。

香港から中国。

という三角貿易を行ってきました。

香港が失われる事により、日本企業にとってこの中国との窓口を失う事にもなり兼ねないわけです。

これに対して日本政府は、「遺憾の意」を示し、結果、中国政府のこの対応について、批判をしています。

また、習近平国賓来日の前提条件が崩れた、ともしているわけです。

今後、8月にも開かれる予定のG7において、アメリカ、イギリスと共に、日本もなんらかの行動を取る可能性が高いと言えるでしょう。

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