ソフトバンクグループ中間決済155億円の赤字
本日はですね、ソフトバンクについてお話をしたいと思います。
ソフトバンクグループが、中間決算で15年ぶりに155億円という赤字を出した事が話題になっています。
その中には、新興企業投資5726億円の損失も含まれており、その実態は、よく分からない状態になっています。
ソフトバンクという会社ですが、2つのセクターに切り分け出来ます。
投資会社であるソフトバンクグループ。
これが、持ち株会社と言われる存在です。
そして、各事業会社。
実際に事業をやっている会社。
例えば、携帯電話で言えば、ソフトバンクという携帯電話が存在するわけです。
そして、それ以外にも、ソフトバンクの中には、巨大な投資ファンドであるソフトバンク・ビジョン・ファンドなどというファンドも含まれています。
アメリカの携帯電話会社であるSprintなどという会社もあり、様々な企業が、ソフトバンクグループという投資会社の下に集まっている。
それが、ソフトバンクの構造という事になっています。
そして、その最大の問題は、ソフトバンクグループとソフトバンクの各事業会社との間の、資金のやり取りがよく分からない事。
そして、ソフトバンクが抱えると言われている約15兆円以上の有利子負債の存在です。
有利子負債。
つまり、利息を払わなければいけない借金が、15兆円以上、ソフトバンクにはあります。
しかし、ソフトバンクとしては、それ以上の資産を持っており、健全であるとして来たわけですが、ここに来て、その透明性、その不確実性が大きな話題になっているわけです。
ソフトバンクのビジネスモデルとは?
ソフトバンクは、これまで小さな借金を、大きな借金で返すというですね、いわゆる大車輪と呼ばれるビジネスモデルを取って来ました。
借金を借金で返す。
これをよく自転車操業と言うわけですが、借金を更なる大きな借金で返す。
これを大車輪と呼ぶわけです。
最初は、ADSLというモデムを配る。
そして、携帯電話会社を買う。
アメリカの携帯電話会社を買う。
そして、アリババなどへ投資する。
そして、現在はビジョンファンドという10兆円規模のファンドを運営することによって、この会社が成り立っているんです。
しかし、この投資モデルですが、基本的に、ベンチャー投資と呼ばれる投資です。
それは、上場してない株式、上場していない企業に対してお金を出資し、それを上場に持ち込ませる事によって、売却して、その売却益を得るモデルと言えるわけです。
上場していない株式は株価が低い。
そして、上場する事によって、その企業価値を高め、その利益を抜いていく。
それが、ベンチャー投資というモデルなんですが、その新興企業の多くは、海のものとも、山のものとも分からないものが多い。
それが実態なんですね。
まぁ、それに近いモデルと言われると、ホリエモンのライブドア事件なんていうのがありましたが、ライブドアも同じように、どんどん、どんどん企業に投資し、それを上場される事によって、利益を得ようとして行ったと言えるわけです。
それの巨大なモデルというのが、今回のソフトバンクと言えるのでしょう。
そして、今、問題になっているのは、ソフトバンクのビジョン・ファンドというファンドです。
ソフトバンクは、weworkというアメリカのレンタルオフィス会社に投資をしました。
この投資を巡って、weworkが破綻に直面し、それに対して、追加でお金を出した。
この件に関して、大きな疑念が生じ始めているわけです。
年初、今年の年の始めには、約500億ドルの価値があると言われていたのですが、ここに来て、再評価した結果、40億ドル、50億ドル程度の資産、価値しか無いのではないかと言われれ、破綻の危機に直面したわけです。
そして、手元資金が枯渇しそうになり、それをソフトバンクがお金を貸し与える事によって、企業が存続する事になりました。
しかし、weworkそのものが、今後、上場出来るかどうか分からず、ビジネスモデルそのものが崩壊しているのではないか、とも言われているんです。
他にもソフトバンクは、様々な企業に投資し、様々な企業の上場を目指してはいるものの、米中貿易戦争などの影響もあり、中国企業への出資なども多い事。
そして、アラブなど中東資金の流入も止まりそうになっている事などから、その危機が謳われ始めています。
そんな中、ソフトバンクは、ビジョンファンド2、ビジョンファンド3という新たなファンドを作ると発表しました。
しかし、現在、ソフトバンクに対しては、市場から非常に厳しい目を向けられており、このビジョンファンド2、3というものが、ローンチ、立ち上げられるかどうかは、不透明な情勢になっています。
自転車にしても、大車輪にしても、走り続ける限りは大丈夫。
しかし、一旦止まってしまうと、こてっと転んでしまう。
このような状況になるのではないか。
という市場の懸念が広がっているというのが、現在という事になります。