そして、斗山は重工業という具合に、それぞれ1業種1社に近い構造、河川構造によって、その財閥としての地位を維持して来たわけです。
そして、それらの財閥の日本との最大の違いは、全ての財閥にオーナーがいる構造になっています。
日本にも、三菱や住友という財閥の名前が付く会社はありますが、現在、株主は様々であり、オーナー一族は、支配しておりません。
それに対して、サムスンを筆頭に、韓国の財閥にはオーナーがいて、そのオーナーが財閥企業のあり方を決めているわけです。
この為、韓国の財閥は、物事に対する決断が速い。
これが韓国の財閥の特徴とも言えるでしょう。
儲かるとなれば、一気にその方向に舵を取れる。
この舵を取れるという所が、韓国企業の優位性でもあるわけです。
ただし、その方向性を失敗した場合、韓国企業は、一気に凋落する可能性も秘めていると言えるでしょう。
東アジア通貨危機が生んだひずみ
そして、東アジア通貨危機は、もう一つのひずみを生みだしました。
それは、大企業だけが生き延び、財閥だけが生き延び、その下請け、孫請けなどが、一気に破綻して行った。
結果、観光のGDPの70%は、財閥が支配しており、中小零細の企業の殆どが、淘汰されてしまったわけです。
このため、韓国は「財閥であらずば人にあらず」という超格差社会を生むことになったわけです。
このような構造体であるために、外から見ていると、韓国の経済というのは、非常に分析しやすく、勉強になると言えるのでしょう。