ガンの撲滅が叫び始められた時期
そこで、今まで例えばガンの撲滅が言われ始めたのは、このグラフの1975年くらいですよ。
だからちょうどこのグラフがいいのは、みんながガンに注目した時ぐらいから、いろいろ急激に食品中の発ガン物質を除いたり、それから今では工場とか研究中に使う薬なんかについても、どんどんどんどん発ガン性を減らしていってるわけですね。
ついに最後のものが、民間のタバコなんですよ。
人間の体を弱くする無菌状態
そうすると我々の身の回りから発ガン物質がどんどんなくなって、いわば私は無菌状態のようなものに入ってるんじゃないか。
そこで、結局自発性のガンみたいなものが止められなくなってきている、我々の体には、この前TNF、血液の中のTNFは自分が研究の一端を担ったものですから、いつもそれを一応出してるんですけれども、ガンを止める薬、体の反応というのは多種多様に渡るわけですね
免疫細胞とかそういったものもあるし、あるいは白血球みたいなものもすこし寄与するし、それからTNFのような非常に激烈な化合物も身体の中にあるわけで、それらがすべて明らかになっているわけじゃないんですね。
ところが我々がよく分かるのは、科学というのは、1つ1つのことを還元的って言うんですけど、要素ごとに分けて検討するというのが1つと、それから総合的に見てどうかっていうのと、2つ見なきゃいけないわけですね。
非常に偏った非科学的な健康法
私がよく言ってるコレストロールとか血圧なんかもそうですけども、コレステロールを減らしていいとか血圧を減らしたほうがいいっていうのは、非常に偏った非科学的考え方なんですよね。
もちろん血圧は高い方が、栄養も酸素も病原菌を殺す白血球なんかとかガンを殺すやつも送ることができる。
しかし一方、血圧が高ければ血管が破れることもある。
じゃあ血管が破れないように血圧を下げると、今度身体の中に行き渡る酸素とか、そういうのが不足する。
酸素が不足するとガンが増えると言っている専門のお医者さんは、多いんですよね。
だから血圧を下げることがガンを増やすんだと、これデータもありますね。
それは酸素が不足するからかもしれませんね。
それとも、ガン壊死因子のようなガン抑制のものが血液で運ばれないからかもしれません。
それからタバコもそうで、私がタバコを吸ったほうがどうも肺ガンが少ないんじゃないかと言っているのも理屈があって、タバコの煙自身には発ガン性がありますが、トータルとしてガンの数を減らすというのが目的であって、別にタバコを撲滅するっていうのは意味がないことなんですよね。
タバコには別に我々恨みがないわけで、ガンのもとを取ろうとしているんですね。
ガンのもとっていうのは完全に取っていいのか、どれくらいが適切なのかというのが分からないんですね。
他人を死に追いやる医者の活動
その意味で私は、今血圧を下げる運動をしている人とか、それからタバコの煙を、特に副流煙をなくそうとしている人たちは、極端に言えば他人を死に追いやっているという可能性があるんですよ。
つまり科学というのは力を持っていますから、生半可な知識とか、自分であまり整理をせずに、取りつかれたように、例えばタバコを除いたらいいとか辛いものをやめたほうがいいと言った場合、
ある人にとってはそれがいいかもしれませんが、人類全体、日本人全体にとっては、死亡率を増やす、つまりある意味での間接殺人になることがあるんですよね。
ですから我々科学者はかなり慎重であって、そうも考えられますが、というような表現をするのは、とりもなおさず科学というのはそれほど危険なものである、便利なものであるとともに危険なものであるってことを示してるわけですね。