司令塔を失うサムスンと韓国衰退の流れ
どうなる(Samsung)サムソン?
という事で、本日はサムスンの危機についてお話をさせて頂きたいと思います。
まずサムスンのある国、韓国ですが、韓国という国は輸出依存度が非常に高い国です。
GDPの4割近くを輸出に依存しており、日本が14%前後であるのに比べ、約3倍近い輸出依存国家でもあるわけです。
その中でサムスンは、韓国のGDPの約1/4を支えるという、非常に大きな、巨大企業でもあるわけです。
ある意味、韓国という国は、「リパブリックオブサムスン」などとも呼ばれ、サムスンに依存する国家でもあるんです。
そして、このサムスンですが、今大きな危機が訪れています。
サムスンという会社は、いわゆる財閥企業であり、これまでオーナーに依存する経営を続けてきました。
サムスンの2代目である李健熙(イ・ゴンヒ)という会長が、日本との関係を強化する形で、サムスンという企業体を急激に拡大させてきたわけです。
しかし、この李健熙(イ・ゴンヒ)会長ですが、脳梗塞で倒れる形になり、植物人間状態になっていると言われています。
そこで、現在の事実上のオーナーと言われる、李健熙(イ・ゴンヒ)の息子である李在鎔(イ・ジェヨン)が副会長として、事実上のトップとして君臨しているわけです。
この副会長ですが、前の大統領、朴槿恵(パク・クネ)への贈収賄疑惑で、懲役2年6ヶ月、執行猶予4年という刑を受けていたわけです。
しいかし、これが大法院で差し戻しされ、買収額が、50億ウォンを超えるという結果になった為に、懲役5年以上。
または、無期懲役という実刑を受ける可能性が高くなってしまいました。
これにより、サムスンは司令塔であるトップを失う可能性可能性が高くなったわけです。
フッ化水素問題で揺れるサムスンの非常に厳しい状況
現在、フッ化水素問題で揺れるサムスンですが、実は非常に厳しい状況に追い込まれています。
サムスンの主力事業は、半導体・液晶・有機ELというこの3業種と、それを使ったスマートフォン事業という事になります。
スマートフォンに関しては、ファーウェイ等の中国企業による安価な製品。
そして、アップルなどの高品質の製品。
この間に挟まれる形で、なかなか収益を出せない状況になりつつあったわけです。
そして、この活路を切り開くために、半導体事業に注力していくとしてきたわけですが、実は現在、仮想通貨バブルの崩壊により、半導体価格が暴落している状況にあります。
仮想通貨バブルが崩壊した事により、世界中の半導体需要が急減してしまった。
半導体余りの状況になっているのです。
半導体には、3種類の半導体があります。
1つが、メモリーなどに使われるDRAM。
そして、1つは、記憶媒体として使われるフラッシュロム。
そして、CPU、コンピューターの中央部という事になるわけですが。
DRAMに関しては、アメリカに本社があり、日本のエルピーダの流れをくむMicron(マイクロン)という会社が、最新鋭の新しいプロセスでの大量生産を開始し、サムスンの2倍の容量を持ち、約40%の消費電力削減に成功した、新しいチップを開発してしまったわけです。
そして、それをすでに広島工場と、新たに出来る台湾の工場で、大量生産していくとしているんです。
そして、フラッシュメモリに関しては、同じくMicron(マイクロン)が、シンガポールの新工場を建設中で。
この工場が完全に稼働した場合、サムスンよりも効率的な、新たなフラッシュメモリの量産が始まってしまうわけです。