米国 対中制裁関税第4弾発動
という事で本日は、米朝貿易戦争拡大、第4弾発動というお話をさせて頂きたいと思います。
アメリカと中国ですが、昨年から貿易戦争と言われる状態に入りました。
まず、アメリカは中国に対し、関税を引き上げ、そして国防権限法等により、中国との経済的遮断を図って来たわけです。
そんな中で、新ココムといわれる新しい貿易管理の制度を発足させ、5月にはファーウェイに対する規制を拡大するという動きも起きているわけです。
そして今回、アメリカから中国に対する関税第4弾というのが発動される事になり、
それに対して、中国側が報復処置をちらつかせた為、アメリカは対中関税を更に引き上げる対抗処置を取る事を決定いたしました。
これまでの中国へのアメリカの関税は、第一弾で340億ドル分。
第二弾が160億ドル分。
第三弾が、2000億ドル分。
これに関しては、一律25%の関税でした。
そして、残り約3000億ドル分に対して、10%の関税をかけるとしていたものを、全部一律5%積み増す事にしたわけです。
それに対して中国は、当初340億ドル分の牛肉、大豆。
次に、160億ドル分の石炭、医療設備。
そして、600億ドル分の液化天然ガス、食品などに対して関税をかけておりました。
それを今回、合計750億ドル分に対して、5%から10%、全ての産品に対して関税をかけるとしたわけです。
これにより、アメリカと中国との間に、全ての商品に対する関税がかかる事になりました。
そしてそれだけではありません。
アメリカトランプ大統領は、アメリカ企業に対し、中国市場から撤退するように強く求めました。
トランプ大統領 米企業の中国撤退を要請
この問題に関して、アメリカ大統領には、企業を強制する権限はないなどという報道が各所で行われましたが、それに対してアメリカのトランプ大統領は、
「大統領には企業に対して中国撤退を命じる権限がある」
と明示しました。
その理由は、国防権限法(NDAA)というアメリカの法律です。
これまで、何度も紹介して来た法律ですが、これはアメリカの伝家の宝刀ともいえる法律で、
アメリカ大統領が、非常事態宣言を出したうえで、アメリカ国内における企業活動。
アメリカ企業の海外における企業活動。
また、外国企業が持つ、アメリカ国内の資産の凍結など、ほぼ全ての事。
アメリカに関するほぼ全て事を制限できるという法律なんです。
今回、この法律を使う事があると明示した事の意味は、大きいと言えるでしょう。
それに対して、アメリカのムニューシンアメリカ財務長官は、G7の開かれているフランスで、
「アメリカ大統領は、非常事態宣言を行えば、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき、強制的に米企業を中国から撤退させられる」
と追認する発言を致しました。
現在アメリカでは、年内中のECRA(アメリカ輸出管理改革法)、新ココムという体制が発動させる予定になっています。