国税庁が海外口座の調査を本格化
こちら、海外口座本格調査へという見だしが付いている産経新聞ですけれどもね。
これ、国税庁がこの夏に個人や法人の海外の金融機関に保有する口座の調査を本格化させるという事だそうですが。
租税情報交換で炙り出される海外脱税者
はい。
これですね、昨年の9月にですね、租税情報交換という新しい仕組みが始まったわけです。
世界中の税務当局が、例えば日本に住む外国人、外国に住む日本人、この情報をお互いに交換しあうという仕組みが始まりまして。
その結果ですね、例えば日本に所得が無いのに、日本で今までお金を稼いだ事が無いのに、逆に海外の方に多額の預金がある。
おかしいですよね、それって。
とかですね、それの逆もやっているわけですね。
これが遂に始まる事によって、いわゆる今までタックスヘイブン。
いわゆる租税回避地と言われるような所を通じて、お金を隠して来た人達が炙り出される。
でこれに先立つ形でですね、2014度の確定申告から、海外資産5000万円以上の申告義務というのが始まったわけです。
で、日本人が確定申告をする。
海外で5000万円以上の資産がある人は、それを申告しなくてはいけませんよと。
これを無申告、申告していないだけでも、これは50万円以下の罰金。
確か1年未満の懲役だったと思うんですけれども、罰則が付いているんですね。
ですから、いわゆる外国にお金がある人は申告しなくちゃいけない。
ところが、日本で今まで所得がない。
外国で働いていないし、日本で所得が無いのになぜか海外にお金がある。
というような事が全部バレるようになったという事が大きなポイントです。
で、まぁこれはですね、更に言うと2015年7月からですね、国外転出時課税制度というのも始まりまして。
外国にお金を移す、外国に居住地を移す時、一定額以上の資産を移す場合は、全部これ申告しなくちゃいけないと。
日本の場合、税務制度というのは居住地主義。
どこに住んでいるかで税金を払う仕組みなんですね。
ですから、海外に住民票を移して、実際に海外に住んでいると、日本に税金は払わないでいいわけです。
これを使った、これまで租税回避や脱税がもの凄く多発していた。
有名な案件ではですね、これは当時の法律が追い付いていなかった、法律に穴があったという事で、国税局が負けちゃいましたけれども。
武富士の1400億円の相続税脱税というか、これ結果的には脱税ではないとされたわけですね。
法律に穴があった。
法の悪用が成されたという事なんですけれども。
とかですね、様々な形で、海外に資産を移してしまって、海外で相続をする事によって、いわゆる日本に税金を払わない。
相続税が無い地域とか、無い国沢山ありますから。
そういった国々に移すというようなものとかですね、様々なものが今後摘発されていくという事になります。
マネーロンダリングを取り締まるFATF
そしてですね、これをやっているのは私がこれまで何度の紹介して来たFATF(ファトフ)という所なんですね。
マネーロンダリングに関する金融活動作業部会という組織になります。
これは国際組織なんですけれども、いわゆる世界的なマネーロンダリング。
お金を洗浄する資金洗浄や、いわゆる租税回避。
本来払わなければならない国に税金を払わない行為。
というようなものを、世界的に取り締まろうという事で始まった動きなんですね。