板門店会談がツイッターで実現?
突然ツイッター外交というのが始まりましたね。
という風にメディアは報じているんですが、トランプ大統領が金正恩に会いたいとツイッターをしたら、金正恩も会ってもいいという事で出て来たという事になっていますが。
板門店の会談はこのようにして実現したという風にメディアは強調しておりますけれども、外交実務に携わった私の経験から言っても、そんな首脳会談が電撃的に2人のツイッターで、事実上ツイッターでセットできるなんていう事は、あり得ないわけですね。
少し考えてみれば、その前哨戦があったわけですね。
それは何かというと、多くの方はお気づきだと思いますけれども、その前に金正恩委員長とトランプ大統領との間で、信書の交換があったわけです。
その信書の内容について、細かい事は報道されておりませんけれども、お互いにいい内容だったというそういうコメントが出て来たわけですね。
そういうコメントがメディアを賑わせました。
この時に、この板門店会談の道筋が敷かれたという風に私は思っております。
そうでなければ、突然のツイッターの呼びかけにノコノコと出かけて行くような事は起こりえないわけですね。
この会談自体は板門店で行われてトランプ大統領もいわゆる北側ですね、に足を踏み入れたと。
そういう事で、北朝鮮の領土に一応なっていますから、その北朝鮮の地に足を踏み入れた最初のアメリカの大統領になったというようなおまけはありましたけれども。
板門店会談実現で韓国の役割が終了
この電撃会談の意味といいますかね、それはもう韓国の役割は終わったという事をはっきりと示しているんじゃないかと思いますね。
文在寅大統領は残念ながらと言いますか、この米朝首脳会談には同席出来なかったわけでして。
画像出典:Yahoo!ニュース – Yahoo! JAPAN
それからトランプ大統領は大阪の後、韓国を訪問したわけですけれども、韓国との会談あるいは行事になんら自主的に中身があるものは無かったわけですね。
それはトランプ大統領としても、こういう言い方は韓国には気の毒ですが、したる目的は金正恩との会談にあったという事だと思います。
ですから、厳しい見方のようですが、別に韓国を訪問したわけではないんですね。
板門店で金正恩委員長と会談する目的の為に、韓国に足を踏み入れたという事ではないかと思います。
でもなぜこういう事になったかという事ですね。
それは、先ほど申し上げましたように、今までは文在寅大統領もそれなりに努力されたんだと思いますけれども、やはりその努力の方向が間違っていたという事ですね。
簡単に言えば、要するに韓国が制裁を解除するために、アメリカだけではなくて、世界各国に働きかけをしていたというような事は、当然トランプ大統領としては快く思うはずが無いわけでして。
しかもその、これはおそらくこの判断は間違っていないと思いますけれども、必ずしも正確に北朝鮮の考え方をアメリカに伝えたわけでもなし、またアメリカの考え方を北朝鮮に正確に伝えた事でも無かったという事ですね。
つまり、仲介外交の危険というのはここにあるわけです。
お互いの本来の直接に会えばスムーズに出きる意見交換も、仲介者がいるがために、歪んでしまうというそういう逆効果というか、皮肉な効果になるわけですね。
だから、仲介外交というのはよほど心してやらないと出来るものではないと言いますかね。
その心構えが非常に重要であるという風に言えると思います。