日本経済に楽観する材料は無い
日銀短観、大企業製造業の景況感が2期連続で悪化。
日銀が発表した短観、企業短期経済観測調査では、大企業製造業の景況感を示す指数、前回の調査より5ポイント下がり、2四半期連続の悪化となりました。
米中貿易摩擦の激化など、海外経済の先行きの懸念、これが景況感の悪化に繋がったとも言われていますが、田中さん、これはどうご覧になりますか?
これは、予想した数字がですね、ほぼ出てきていて、やはりですね、先行き楽観する事はですね、これはもう殆ど不可能かなと。
楽観の材料は無いと。
無いですね。
また同時にですね、消費者態度指数というですね、消費者の先行きの予見みたいなものが出ているのですが、これも6ヶ月連続で低下していて。
回復する見込みは無いですね。
どうしてかというと、ご存知のように、10月1日から消費増税が今の所上がるというのがほぼ確定ですから。
最悪の経済状況で消費増税する最低の総理大臣
消費者からしてみれば、それはね、目の前に諸費税増税があったら。
そうです。
しかもですね、これは前回の2014年の4月1日のですね、消費増税引き上げ時点と比べると、日銀短観も、今言った消費者態度指数もですね、共に悪化した局面で。
前回はですね、上昇して、いい所でですね、それをダメにしちゃったという形なんですが、今回は違いますね。
ただでさえ低下している所に、更に低下の材料を政府自らが加えるという展開ですよね。
これはですね、政策としてはですね、下の下ですよね。
安倍政権の、安倍首相の説明だとね、例えば教育だとか、福祉で増税しば分を戻すからと。
また、追加的な財政政策も行うからと言っていますが、これ、純粋に言ってですね、税金で取った分のだいたい8割くらいを戻す程度なんですよね。
で、財政政策、つまり補正予算みたいな消費増税対策もですね、確か2014年の4月に上げた時に比べれば、増えてはいますが、やはり今の現状、日本経済が低下して行く中では、明らかに、
前回でも不足したんですよ。
前回、良くなっている所で、消費増税して、それで悪くなって、やはり補正予算で行ったんですが、全然足りなかったわけですよ。
で、今回はですね、経済全体が減速する中で消費増税をすると。
3%ではなくて、2%だから、引き上げる率が少ないというね、評価もあるんですが、
8%から10%だから。
えぇ。
もう、経済環境が全く違いますから。
その中で、2%上げて、先ほど言ったようにね、戻す部分は8割くらいと。
好意的に見てもね。
更に補正予算で、力不足と。
その中で、どうなるのかなと考えると、2つシナリオありますよね。
当面、一応財政政策もやっているんで、徐々に悪くなっていく。
つまり、財政政策というのはですね、止めたら終わりなわけですよね。
これ、永久にだってね、やるわけじゃないですよね。
消費増税で日本経済が崩壊する2つのシナリオ
そうです。
補正予算をですね、毎月立案してですね、その都度、逐次投入というわけにはいかないわけですよ。
だいたいですね、やろうとしても半年に1回ですよね。
今まで、緊急事態が発生してもね。
そのくらいのペースなんですよ。
だから、出し入れ自由みたいな形じゃ無いですよね。
それで行くとですね、徐々に補正予算の効力が無くなって行くと、経済の悪化がですね、表に出てくると。
徐々に悪くなっていくシナリオ。
もう一個はもっとやばいシナリオですね。
ただでさえ消費が弱っていて、これから世界経済の動向も不安定化する中で、消費増税を引き上げてしまうと、一気にですね、日本経済が崩壊する危険性。
リーマンショック級のですね、例えば株価の下落とか、極端なですね、円高に振れるとか、そういった経済的なですね、悪化のシグナルが出る。
この2つのシナリオしか考えられません。
つまり、政府や日銀が言っているような、今年後半にですね、経済状況が良くなる中での増税という、そういったですね、楽観的なシナリオはですね、全く考える事は不可能です。
さて、一方ですね、この日銀短観を見てみると、大企業、非製造業が、二四半期ぶりに改善して、内需の底堅さを示す結果となった、という風にも言われているんです。
これ、大型連休による特需ですとか、訪日客の増加を受けた、宿泊、飲食サービスなどが改善したと。
また、失業率が歴史的な低水準で推移するなど、雇用環境等が良好な事も、追い風となっているという事なんですが。