東大名誉教授と前日銀副総裁のフェイクレポート
財政制度審議会会長や、日本経済学会の会長を歴任した、東京大学吉川名誉教授と、山口前日銀副総裁が先週、連名で消費の低迷の要因についての分析レポートというのを公表しました。
賃金の上昇不足と、将来不安が、2大要因と総括しまして、政府に対して、持続可能な社会保障制度の将来像、これを明示する事を要望しています。
これが今、霞が関とか永田町界隈では、非常に話題になっているそうですね。
これはあの、「低迷する消費」というレポートなんですね。
いまご説明頂いたように、まず連名者、3人連名者いるんですけど、そのうちの2人がですね、経済学会会長をやられた東大名誉教授の吉川洋先生。
画像出典:立正大学 経済学部
と、もう一人が日銀副総裁をやってらっしゃった山口さん。
画像出典:人民中国
経済界の超重鎮、超大御所2人がですね、こういう事を言っているんです。
日本の今景気が駄目なのは、主要なエンジンであるところの消費が低迷しているから、だと。
消費が低迷している事の原因の一つは、賃金が下がっているからだと。
ここまではいいんですよ。
もう一個重要な要因があって、それが国民の将来不安だと、こう言っているんですね。
将来不安を払拭するためにも、持続可能な社会保障制度、税社会保障制度を設計すべきだと、こう言っているんですよね。
これを普通に読むとですね、例えば自民党の緊縮財政派の人が、
だからやっぱ消費税を増税せぇへんかったら、国民が不安になるから、増税をする事で、社会保障制度を、安定財源を作ったら国民が凄~く安心するから、ゆっくりと消費し始めるだろうと。
いう議論を強化してですね、諸費税増税論を加速しているという状況があるんですね。
で、これはほんまかなぁと思って、レポートをよ~く見てみると、僕がこれ昨日インターネット記事で配信したんですけど、断定しますがデタラメです。
あっ、デタラメ?
僕はこれをフェイクレポートと名付けています。
あのフェイクニュースってあるじゃないですか。
はい。
東大名誉教授のフェイクレポートに霞が関・永田町が発狂!
嘘のニュース。
それと同じで、この分析レポートはフェイクレポートです。
なぜかというと、一番重要なのはここなんですよ。
社会保障の将来不安があるから、消費が低迷しているという事を、結論で断定しているんですよ。
要所を見ても、最初の1ページ目に、不安があるから消費が低迷していると断定してあるんですよ。
その根拠はどこかなと思って、色々読んでみると、こう書かれていたんです。
とにかくね、消費が低迷しているというデータがあると。
そのデータだけを見て、この原因は将来不安があるからだって言っているんですよ。
えっ、えっ、ちょっと待ってと。
ちょっと待ってと。
だって、AがBの原因であるという事を証明するためには、それなりのデータが必要なんです。
だから、Bがあるという事を言うだけで、AがBの原因だと言っている。
ちょっと待ってと。
だから、根拠が示されていないんです。
で、もうちょっと丁寧に言うとね、国民が不安だという事は書かれているんですよ。
国民が不安になっているというデータは、アンケート上で出ていると。
そら、不安やろなと。
一方で、消費が低迷していると。
うん、低迷しているよなと。
ほしたら、彼らはこう言っているんです。
ほぼこういう言い方ですよ。
おそらく、不安だから、消費を低迷させているんだろうと我々は見ている。
まぁ、見えはったらええですわ。
はい。
別にそう思うんやろと。
僕はそう思わへんけど、別にいいですわ。
分析の本文の所には、「そう思う」って書いてあるんですよ。
ところが結論になると、「不安が消費を低迷させている」って断定しているんですよ。
断言しているんですね。
だからね、これはもう、詭弁ですね。
デマというか、詭弁というか。
よくもまぁね、元経済学界の会長がね、経済に関してこんなデタラメをよく言えるなぁと。
これね、僕はよく分かるんですよ。
学者が、論文を書くときは、こんなの絶対に通らないです。
はい。
でもね、なんかこう研究機関のレポートやったら、好き勝手掛けるんですよ。
査読者がいないので。
だから、レポートで出してはるんですよ。
これ、学術論文やったら、絶対にアウトですね、こんなん。
よく、こんな恥ずかしい事をするなぁと。
で、先ほど、藤井さんもおっしゃいましたけれども、このレポートが、霞が関、永田町で、出まわっていると。
そうすると、先ほど言った消費税は増税すべきだという事に繋がっちゃうという事ですね。