世界から排除される中国
チャイナパージ始まるという事で、世界から排除される中国について、お話をさせて頂きたいと思います。
ファーウェイ問題をきっかけに、世界中のいわゆる国際機関や企業が、中国ファーウェイを排除する動きを始めました。
ファーウェイに関しては、半導体を設計するイギリスのARM社をはじめとし、Google、Microsoft、など、世界的な大企業がファーウェイとの取引遮断を開始しているわけです。
これは、アメリカの法律に基づくもので、アメリカの輸出規制に基づく対処という事になります。
かつて、世界ではココム規制というものがありました。
これは、対共産圏輸出規制という事で、共産主義の国に、技術やサービスなどを輸出しないという規制だったわけです。
これが、冷戦終結によって、どんどん緩くなっていき、ワッセナー・アレンジメントという名前の緩やかな規制に変わって行った。
これを昨年の国防権限法2019という法律で、アメリカは一気に強化する方向に動いたわけです。
そして、その第一段のターゲットになったのが、ファーウェイ、ZTEという中国の携帯電話メーカー2社と防犯カメラメーカー等3社、つまり、5社が1番目のターゲットに選ばれたという事になります。
アメリカの輸出規制においては、アメリカ原産とする技術を、輸出してはならない。
これは、アメリカ企業に課せられた義務ではありますが、それが第三国。
中国と付き合う日本企業への制裁
例えば、日本の企業に対しても、アメリカの技術を原産とするものを、ファーウェイに輸出した場合、これは再輸出という形になるわけです。
その場合、日本企業は、アメリカから制裁違反として、アメリカのドル決済を禁じられたり、アメリカ企業との取引を禁止されるなど、企業の存続の危機に陥る。
これで、一番強力なものが、みなし輸出と言われるものになります。
みなし輸出というのはなんなのかと言えば、このアメリカ技術、アメリカ産の技術や製品などの情報を、中国人、まぁ、ファーウェイの、今回の場合ファーウェイの技術者に教える。
これが、みなし輸出とみなされるという事になるわけです。
で、みなし輸出をした場合、企業も制裁対象になりますし、そこの社員、実際に技術を教えた社員も制裁対象になってしまう。
これは、企業だけではなく、国際機関に対しても課せられている義務になるわけです。
ですから、みなし輸出という扱いを防ぐために、国際機関や世界中の企業が、ファーウェイとの情報遮断、情報謝絶を行っているというのが、今の状況という事になります。
そして、今年の年内中に、先ほど言ったECRAというアメリカの新輸出規制が始まる事になっておりまして、この新輸出規制では、中国製造2025と被る、ほぼ全分野の規制拡大が予定されているわけです。
そのため、現在はファーウェイに対する技術輸出の禁止からですね、今後、中国に対する技術輸出禁止という具合に、主語そのものが、ファーウェイから中国に変わる可能性が指摘されています。
この規制が始まった場合、日本企業などに対するダメージは、非常に大きなものになると予想されています。
また、アメリカは来年度の国防権限法で、中国軍と中国軍に関わる人、モノ、企業、団体等をリストアップする事を求めており、このリストに載せられた場合、現在のファーウェイと同じ扱いを受ける可能性があるわけです。
つまり、これが実施されると中国が完全にアメリカなどの自由社会と切り離される事を意味します。
もう既に、ブラックリスト作りが始まっているアメリカ。
これが、完全実施されるのは、1年、または2年という非常に短い期間かもしれません。
渡邉哲也でした。