日本人の船頭と外国人の船頭の違い
それから、これは確か中国の人かなにかが書いた話なのですが、日本の船頭は凄いって言うんですね。
中国の船頭さん、川を人を渡す船頭さんはですね、相手を外国人と見ると、例えば10円のやつを50円と吹っ掛けると。
相手が、「50円は高いじゃないか」と言ってくると、「じゃあ20円でいいや」と言って渡すと。
ところが、日本の船頭さんは、日本人を10円で渡していたら、わけのわからない外国人も10円だって言うんですね。
そんな所で、ごまかそうとしないって言うんですよ。
大したもんだと、どこか書いてありました。
こんな話は山ほどあってですね、日本人はですね、自分のものは自分のものという時もあるんですが、他人のものは他人のものなんですね。
お金に対しても、女中さんの話ではないですけども、正当な報酬は受けます、と。
しかし、正当な報酬以上の報酬、つまり、「自分が一生懸命働いた駄賃は貰うけれども、それ以上は頂きません」とこういうわけですね。
100万円のワインを飲んで自慢し始めた日本の経営者
私が最近ですね、日本の経営者でお二人くらいですね、批判しているんですけども、いやね、それはね、経営者になれば、うまい着想があればですね、経営者としては自分の着想で10億儲けたとか、100億儲けたとか思う人がいるでしょうけれども、それはやっぱり後ろがいるんですよ。
一生懸命働く社員があり、製造する人があり、販売する人がありですね。
それから、そんな自分の会社があるためには、道路も舗装しなければいけないし、ゴミも持って行かなきゃなんないしですね。
それを全部合わせて、そのお金なんですよね。
それが、かつての日本人といのは、それをよく分かっていたわけですよ。
私が言う、憲法の勤労の義務じゃないけれども、自分の生活というのは、多くの人の働きの合計であるという事が、本能的に日本人は分かっている。
このお金に対する日本人潔癖さ。
約束を守るという言い方をしてもいいんですけどね。
しかし、お金の約束を守るというのが、一番大変ですからね。
それが日本人はあったんで。
今でもありますよ。
今でもね、随分崩れましたけど。
偉い人ほど崩れるというのが問題なんですね。
つまりね、僕は教育を担当しているんですけど、教育するのが本当に悲しいのがですね、勉強すれば勉強するほど、ずる賢くなるんですよね。
本来自分がすべき事。
別にね、食べるものだって、自分が一生懸命働いた分で食べればいいんですけど、高いワインを飲んだとか言ってですね、中にはですね、100万円のワインを飲んだとか言って、威張っているのがいると。
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あなた一体どうなってんの?という気がいつもしますけどね。
まぁ、若干働いてお金が入れば、若干贅沢をするというのは、それは人間の心理としていいんですけどね、そういうのがね、やっぱりなかったんですよ、日本は。
日本は清貧なんですよ。
貧乏という事は、全く恥にならない、これが世界的に非常に大きな日本人に対する評価の一つになっております。