韓国のウォンが暴落した理由
韓国のウォン暴落という事についてお話をさせて頂きたいと思います。
5月上旬、アメリカが対中国への関税強化、10%~25%への関税強化を打ち出しました。
その影響を最も受けているのが、実は韓国だったわけです。
輸出依存度、輸出に頼る割合が高い韓国、そして、韓国の産業そのものは、いわゆるこれまでの最終消費者向けの商品から、中間製品。
いわゆる、半製品などに、主力が移って来ていたわけです。
そして、その相手国というのが、主に中国であった。
つまり、中国からアメリカへの輸出に対して、関税がかかるとなると、中国にモノを多く輸出している国も、大きなダメージを受けてしまうという構造に、なっているんですね。
そして、韓国の主要産業というのは、
主に、現代自動車を中心とする自動車産業。
船舶、船ですね、造船。
そして、サムスンを中心とする半導体という事になるわけですが、
自動車は、中国などの安い車、アメリカや、日本や、ヨーロッパなどの高品質の高い車。
この間に挟まれる形で、現代自動車は業績悪化に苦しんでいます。
そして、船舶も同様で、高品質の日本の船舶と、安い中国の船、この間にサンドイッチされる構造で、今、船の業績もよろしくない。
そして、唯一の希望の星である半導体の方も、いわゆる仮想通貨バブルが崩壊した事によって、半導体がダブついてしまって、半導体価格の暴落が起きている。
その結果、サムスンの業績も悪い、という状況になっているわけです。
そのために、韓国のウォンというのが、どんどん売られる状況。
ウォン安が進んでいるというのが、今の現状になるわけです。
これまでも、韓国は何度も通貨危機になりました。
1997年の通貨危機、そして、リーマンショック後の通貨危機。
この2つを、結果的に救って来たのは日本だったわけですが、今回、日本と韓国との間の外交環境の悪化によって、日本の支援も、受けられない状態に陥っているわけですね。
このため、世界中の投資家や市場関係者は、もし韓国のウォン、韓国経済に何かがあったとしても、日本は救済しないだろうという見込みの下で動いており、これがウォン売りを加速させている状況になるわけです。