目が離せない米中貿易戦争
まだまだ目が離せない、米中貿易戦争について今日は解説をさせて頂きたいと思います。
アメリカはですね、中国からアメリカに対する2000億ドルの産品に対して、これまで10%の関税をかけて来ました。
それに対して、今回、25%に引き上げるという事で、世界中が大騒ぎになっているわけです。
本来この関税ですが、今年1月1日から、25%に引き上げられる予定でしたが、米中の貿易協議を始めるという事によって、これが先送りされていたというのが、現在の構図という事になります。
また、この2000億ドル以外にも、3250億ドル、つまり中国からアメリカに輸出する全ての産品に対して、25%の関税をかけるとトランプは言っておりまして、この協議、この準備の方も、アメリカは着々としているとう状態になっています。
米中貿易協議は単なる金額の問題ではない
この米中貿易協議ですが、本質的な問題は、単なる金額の問題ではありません。
中国からアメリカに輸出する産品、非常に多い、いわゆるアメリカ側の貿易赤字が積み重なっている。
これに対して、トランプは中国に対して、貿易協議をして、この貿易赤字の解消をしなさいと言っているわけですが、その本質的な部分に関しては、これは仕組みの問題が関わってきます。
アメリカの中国への要求3つの要素
アメリカの要求、大きな3要素という事で言えば、1つは知的財産権の問題。
中国がですね、勝手に商品をコピーして作ってしまったり、アメリカや世界中の企業が持っている知的財産権、この知的財産権を中国によこせ、よこさなければ中国で営業活動をさせないぞ、中国向けに輸出させないぞ、という脅しをする。
こういうような行為を、まず止めなさい。
そして、2つ目が、為替の最終的な自由化。
中国はですね、為替を自由化していないわけです。
管理変動相場制という事で、政府がコントロールしている。
これを完全に自由化しなさい。
ただし、ただしが付くわけですね。
為替の切り下げ。
いわゆる人民元を安くして、輸出しやすい環境を作るのは、やってはいけませんという無理難題を押し付けている。
そしてもう一つが、資産移動の自由という事になります。
いったん中国に投資されたお金、これは中国国内で儲かったとしても、海外に持ち出すのが、非常に困難。
つまり、中国で儲けても、国外に持って帰られない。
つまりそれが、企業の撤退や、企業の資本移動の障害になっているわけです。
中国で儲かったものを、もう一回中国に投資する以外なかった。
これを止めて、ちゃんと持ち出せる環境を作りなさい、これがアメリカが要求している3要素。
そして、この3要素を今までも、中国はやると言い続けてきて、将来的にやりますよ、と言い続けてきて、何一つ守っていないというのが、アメリカのトランプ側の言い分なわけです。