不完全なまま進化してしまった経済学
だから、お金のイメージ、全然変わってきたと思います。
話、逆なんですよ。
全部、真逆。
ところが、経済学的にはですね、その銀行預金を増やす事でお金が増えるって概念を入れちゃうと、問題が出てくるんですよ。
なぜなら、例えばさっきね、政府が政府小切手ね。
政府小切手が、債務不履行になる事はありません。
これはもう、絶対にないんだけれども。
でも私が、木坂銀行からお金を借りた場合は、それはデフォルトのリスクがあるんですよね。
確かに。
ありますよね。
私が返せないっていうケースも、当然出てくるんですよ。
そのデフォルトリスクを入れちゃうとですね、経済学のモデルが、成りたたなくなっちゃうんですよ。
わけわかんなくなっちゃうのね。
つまり、デフォルトするのか、しないのか、というその可能性まで入れちゃわなくなっちゃって、
駄目かもしれないじゃん、みたいな。
そんなもの誰も分かんないって、そんなの。
だから、ケインズが言う、不確実性ってやつです。
この不確実性を入れてしまうと、経済学が成り立たなくなっちゃうから。
だから、現金発想なんですよね。
あるいは、金属主義とも言ってもいいんですけど、貨幣について。
現金だけだったら、お金の量が一定だから。
しかも、デフォルトが無いんですよ、現金っていうのは。
だから、経済学のモデルが作りやすいっていう形で、経済学が進化しちゃったんです。
なるほど。
その延長線上に、デフレっていうのは、貨幣現象です、っていうのがありまして。
だから、中央銀行がお金を発行したら、そうしたら社会全体のお金の量が増えて、設備投資や消費が増えて、デフレ脱却っていう理論が生まれちゃったんですけれども。
お金は、そもそも違うだろと。
それって、ほんの一部の現金の現ナマの話ですよね。
現金しかなかったら、それ成り立つと思う。
そうしたら、現金を増やしたら、確かに物価は上がると思うよ。
でも、そうじゃないんですよ、実際の世界というのは。
だから、今の日銀当座預金残高はね、銀行のバランスシートの日銀当座預金残高を増やしているわけですよ、日本銀行は。
もう300兆円を超えたのかな、恐ろしい事に。
300兆円超えたんだけど、これは我々が借りることは出来ませんから。
だって、日銀当座預金持ってないんだから。
だから、今政府はですね、この日銀当座預金を、政府は借りることが出来るんだから。
借りて、この政府小切手で、
ガンガン支払いをしてくれと。
政府すごい。
そう。
それで、どうせこの政府小切手は、我々がこう貰ったらですね、銀行経由で政府に戻って、で、日銀当座預金にどうせ戻ってくるんだからと。
そんだけの話。
もちろん、国債発行残高は増えるんだけど、それが問題だって言うんだったら、それこそ日銀が買い取って、日銀当座預金を増やせば終わりでしょと。
実際に終わりにしてんでしょ、って話だから。
綺麗に、ストーリーが見えてくるはずなんですよね。
つまり、何の負担もなく、厳密にいえば、インフレ率が上昇するというリスクという負担に基づいて、政府は好きなだけ、国債を発行出来ますし。
あるいは、日銀当座預金残高を増やす事も出来ますよ、という、それが国家なんですよね。
「でもそんな事をしたらインフレになるじゃないか」って言ってんだけど、私が話しているのは、さっきからデフレ対策を話しているんだから。
インフレ率を上げろ、っていう話なんだから。
そうですよね、はい。
という事で、2つ誤謬があるんですよね。
まず、インフレに対する無理解ね。
日銀当座預金とかね、お金を増やしたら、インフレなるっている無理解があるわけです。
いや、なりません。
で、現金をね、発行したとしても、ならない可能性があるんですよ。
例えば、100兆円現金が発行されました。
私がそれを借りて、全部河原で燃やしました。
これは、インフレ率、ピクリともしないんですよ。
そうですね。
使われないと駄目なのね。
ブツだからね。
ブツだから。
で、2つ目がお金に対する無理解。
現金紙幣だけで生きているならともかくね。
今のお金のメインっていうのは、当座預金、あるいは銀行預金といった、そのお金の貸し借りの記録なんです。
債務債権の記録がお金なんです。
というか、お金はそもそも「日本人が本当は知らないお金の話」で書いたんだけど。
債務と債権の記録なんですね。
こういう無理解が、2つの無理解がありましてですね。
それでまぁ、デフレは貨幣現象だって言うような、そういうおかしな認識に基づく政策が行われて失敗したというのが、過去4年間の安倍政権だったんですよ、という話。
2016.12