デフレはなぜ悪いのか?
デフレはなぜ悪いのか?
デフレデフレとずっとね、もう5年以上言っている気がするのですけれども、なんで悪いのか。
なぜ悪いのかという事なんですね。
「デフレ」って言葉、皆さん聞きますし、イメージはしますけど、なんでデフレが悪いのかと言われると、なんとなくポニョポニョというイメージでしかないんですね。
デフレという現象は、毎日、物の値段が落ちていく現象を言います。
今日100円だったものが、明日95円、明後日は90円とどんどん、どんどん安くなって行く。
大歓迎じゃないですか。
労働者の給料が下がり続ける理由
う~ん、消費者にとってはいいように思われるんですが、
例えば、1億2000万人が全員そのお買い物をですね、100円だったものが95円、90円という形で、みんなその大きな流れの中で買い物をして行った場合、経済規模としてはですね、どんどん、どんどん小さくなって行くという事になるわけです。
デフレというのは、今日より明日、明日より明後日の方が物が安く買えるので、前田さんのように、得をしたってみんな思うのですが、結果的に何が起こるかというと、物を安く買うために、中間流通業者が叩かれますよね。
問屋さんが叩かれますよね。
製造メーカーが叩かれますよね。
生産者が叩かれますよね。
叩かれる事によって、結果、儲けが出なくなる。
会社が潰れる。
会社を潰さないために、賃金をカットする。
そして、ボーナスが出なくなる。
景気が悪くなる。
景気が悪くなるから、物を買えなくなる。
給料が下がるから、物を買う意欲が起きなくなる。
結果、更に経済が小さくなる。
物を買う人がいなくなるから、物が余ってしまって、値段がまた下がる。
こういう事を繰り返してきたのが、デフレスパイラル。
デフレの繰り返しという状況で、バブルが弾けてから、日本は約25年間その繰り返しの中に苦しんできたという事なんですね。
物が安くなるのは大歓迎ですけど、給料が安くなるのは困ったものですね。
そう。
物が安くなるというプラスの要因が先にあって、その後に給料が下がっていく。
景気が悪くなっていく。
これを繰り返すんですね。
ですから、一旦得をするという事が先に来るものですから、デフレからの脱却というのが、非常に難しい。
で、インフレというのは、徐々に徐々に物の値段が上がっていく、デフレの逆なんですね。
徐々に上がって行きますと、100円の物が105円になったとして、110円になったとして、経済規模そのものは、日本全国で見ると大きくなり続ける。
そして、値段が上がる事を容認する事によって、いわゆる利益額の圧迫が起きづらくなるわけですね。
で、そうなって来ると、みんながお買い物をし始めるわけです。
そして、駆け込み型の購買も生まれてくるわけですね。
今日100円だけど、明日105円になるかもしれない。
じゃあ、安いうちに買ってしまおう。
という形で、駆け込み型の購買も起こって来るので、物の消費サイクルが短くなって行く。
結果、経済が循環し出すというのが、これがインフレ。
ただ、インフレには2種類あって、いいインフレと悪いインフレがあると。
いいインフレというのは、もう自然な中で2%くらい徐々に徐々に経済が大きくなって行くタイプのインフレ、物価上昇。
悪いインフレって言うのは、例えば輸入規格、物の輸入の値段が上がってしまったので、仕方なく値上げをする、これコストプッシュインフレって言うんですね。
あの、電気代なんかがそうですね。
原発が止まっているが故に、火力発言を思いっきり回す、結果、燃料費が上がっているので、電力代を上げなくちゃいけない、という具合にコストが上がるが故に値段を上げる、これっていうのは景気は良くならなくて。
逆に言うと、一番最悪の事態が、デフレスパイラルの中で、コストアップが生まれると。
コストアップインフレが生まれ、結局それがスタグフレーション、物の値段が上がる、景気は悪くなる、所得は減るという形で、貧困化を招く原因にもなるという事ですね。