イチロー選手が現役引退を発表
22日、マリナーズのイチロー選手(45)が、東京ドームで行われたアスレチックスとの開幕シリーズ第2戦をもって、現役生活にピリオドを打つ事を発表されました。
あれだけ簡単そうにヒットを量産していたイチロー選手が、一本のヒットを打つ事にも苦しみ続けている姿に、なにかしら感じるものはありましたね。
最低でも50歳まで現役バリバリでプレーすると語っておられたイチロー選手でしたが、メジャーリーグの現実は、非常に厳しいものでしたね。
イチロー選手 試合終了後の記者会見
試合終了後にイチロー選手は会見を開きました。
記者の質問に対して、とても真摯に素直に答えるイチローさん姿は、とても印象的でしたね。
イチロー選手は、頭が良く、何事にも真剣に取り組まれる方なのでしょう。
やっぱり、質問をする事が目的になっているような質問に対しては、厳しいイチロー選手の様子が垣間見られましたが…
日本、更にアメリカで、野球というものを追求し続けて来られたイチロー選手の言葉だけあって、会見でイチロー選手が語る言葉には、とても考えさせられるものがありました。
全ての言葉が考えさせられるものなのですが、一部、抜粋して紹介させて頂くと…
出来ないと思うから行かないという判断基準では後悔を生むだろうなという風に思います。
やりたいならやってみればいい。
出来ると思うから挑戦するのではなくてやりたいと思えば挑戦すればいい。
その時に、どんな結果が出ようとも後悔はないと思うんですよね。
野球の魅力ね…
団体競技なんですけど、個人競技だっていう所ですかね。
これは野球の面白い所だと思います。
チームが勝てば、それでいいかというと、全然そんな事はないんですよね。
個人としても、結果を残さないと、まぁ、生きていくことは出来ないですよね。
本来はチームとして勝っていれば、チームとしてのクオリティが高いはずなのでそれでいいんじゃないかという考え方も出来ると思うんですけど、決してそうではない。
その厳しさが面白い所かなという風に、面白いというか魅力である事は間違いないですね。
あとやっぱ、同じ瞬間が無いという事。
必ず、必ずどの瞬間も違うという事、これは飽きが来ないですよね。
どうやって楽しんだらいいかですか?
2001年に僕はアメリカに来てから、この2019年現在の野球は全く違う野球に、まぁ、なりました。
まぁ、頭を使わなくても出来てしまう野球に、なりつつあるような…
まぁそれは選手はみんな、選手も現場にいる人達はみんな感じている事だと思うんですけど、これがどうやって変化していくのか、
次の5年、10年、しばらくはこの流れは止まらないと思うんですけど、
まぁ、本来は野球というのは、
いやダメだな、これを言うとなんか問題になりそうだな…
問題になりそうだな…
頭を使わなきゃ出来ない競技なんですよ、本来は。
でもそうじゃ無くなって来ているのが、どうも気持ち悪くて。
で、ベースボール、まぁ野球の発祥はアメリカですから、その野球がそうなって来ているという事に、こう危機感を持っている人って結構いると思うんですよね。
だからまぁ、日本の野球がアメリカの野球に追従する必要なんて全くなくて、やっぱり日本の野球は、頭を使う、面白い野球であって欲しいなという風に思います。
アメリカのこの流れは止まらないので。
せめて、やっぱり日本の野球は決して変わってはいけない事、大切にしなくてはいけないものを大切にして欲しいなという風に思います。
日本で基礎を作る…
MLBで将来活躍するための礎を作るという風な考え方であれば、その、出来るだけ早くというのはまぁ分かりますけど、でもまぁ日本の野球で鍛えられる事って沢山あるんですよね。
だからまぁ制度だけに目を向けるというのは、まぁ、フェアじゃないかなという風に思いますけどね。
基本的な基礎の動きって、おそらくメジャーリーグの選手より、どうですかね、日本だったら中学生レベルの方がうまい可能性だってありますよ。
それは、チームとしての連携もあるじゃないですか。
そんなの言わなくたって出来ますからね、日本の野球では。
でもこちらでは、なかなかそこは、個人としてのポテンシャルは高いですけど、運動能力は高いですけど、そこにはかなり苦しみましたよ。
苦しんで、諦めましたよ。
アメリカに来て、メジャーリーグに来て、外国人になった事。
アメリカでは僕は外国人ですから。
この事は、外国人になった事で人の心をおもんばかったり、人の痛みを想像したり、今までなかった自分が現れたんですよね。
この体験というのは、本を読んだり、情報を取る事は出来たとしても、体験しないと自分の中からは生まれないので。
孤独を感じて、苦しんだこと、多々ありました。
ありましたけど、その体験は、未来の自分にとって大きな支えになるんだろうと今は思います。
だから、辛い事、しんどい事から逃げたいと思うのは当然の事なんですけど、でもエネルギーのある元気な時に、それに立ち向かっていく、その事は凄く、人として重要な事なんではないかなという風に感じています。
野球とは直接関わりがない、今の日本人たちにとっても、とても大切な気づきがある言葉ばかりであると感じました。
イチロー選手、沢山の学びをありがとうございました。
そして、現役生活、本当にお疲れさまでした。
Ichiro and Dee Gordon. No bow…hug. pic.twitter.com/fbhUByNlsV
— Rob Friedman (@PitchingNinja) 2019年3月21日