大阪都構想に反対する理由 藤井聡
まず、デメリットが凄く大きいんじゃないかという事で、僕は本気で心配しています。
まずはですね、藤井聡先生の見方はこちらです。
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大阪都構想、協定書を読み解いた藤井先生の見方一つ目、大阪市を5分割する事で、余計にコストと時間とお金がかかる。
二つ目、大阪市民の税金、年間約2200億円が流用されていくので、大阪市民の行政サービスレベルが下がるというご意見でございます。
順番に説明をお願いします。
まずですね、都構想と言っているのは今何かというのがどこに書かれているかと言うと、特別区設置協定書というのがありまして、これがいわば都構想の設計図なんですよ。
▶ 特別区設置協定書
今回の投票というのは、都構想というイメージに対する賛否ではなくて、この設計図通りに行政を改革する事がいいかどうかなんですよ。
だから、都構想に賛成か反対かというよりも、この設計図がいいものかどうかという事を、しっかりとご理解頂く事が大事だというのが、まず第一点なんです。
この中を、僕らはなかなか皆さんお読みになる事は難しいと思うんですが、僕はめっちゃよく読んでいるんですよ。
めっちゃよく読んだ藤井先生が、我々にわかりやすく教えて欲しい。
少なくとも、これは僕の理解という風にご理解頂ければと思いますけども、協定書に書かれた都構想のイメージんですが、まず現状、大阪府と大阪市、2つありますと。
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この辺で、二重行政が起こるんちゃうかというのがあるので、それで大阪市をまず廃止すると、やめてしまうと。
それで、町づくりとか公益行政というのを大阪府にこう渡すんです。
さっきの水道やら、学校って事でしょ。
これが、大阪市の行政の4分の1くらい、これを大阪府に渡して、ここで一体的にやるから、メリットが生み出されるんじゃないかと。
いわば、合併が起こるわけですね、ここの4分の1の部分、ここにメリットがあるという事をご説明頂いた。
僕がデメリットがあるんじゃないかと思っているのは、結局残された4分の3、この中で大阪市民は暮らして行くんですよ。
で、この4分の3はどうなるかというと、これは廃止になっていますから、これが5分割にされるんですよ。
だから、5つに分けられるんですね。
だから、ここはメリットがあるかもしれないけれども、いうてみたら分割するという事は、統合したらメリットはあるけど、分割したらデメリットは当然出て来ると、理屈では。
どういう事でしょうか、詳しく、
これはですね、5つに分けるという事はですね、結局ランニングコストがかかってしまうと僕は思うんですね。
なぜかというと、例えば5人で暮らしているとしましょうよ。
5人で共同生活すると暖房を付けると、みんなで一緒に使いますよね。
ほいで、ご飯も台所を1個でええ、トイレも1個でええ、それで5人で共同生活をしてるんですけど、
これから5人バラバラに他人として暮らして行こうと。
そうすると5つのワンルームマンションが出来るようなもんなんですよ。
そうすると、光熱費がトータルで5倍になるわけではないですけど、光熱費はトータルではやっぱり1.数倍とかにはなる。
テレビも1台、2台、例えば5台必要だとか、トイレも5ついるとか、どうしてもやっぱりこう5つ作ると、立派なものが出来るといいんですけど、だいたい、収入は同じくらいの率に分けたら、結局サービスレベルは下がるんじゃないかという事が考えられるんですね。
これはまずイメージで申し上げましたけど、具体的に申し上げると例えば、なんとか課長とかなんとか部長とか一人おるわけですよ。
これは部長さんが5人必要になってくるという事が出て来るわけですよ。
それとか、システムが今色々と役所に行ったら電子システムとかありますけど、それがそれぞれ別の自治を始めていきますから、おんなじシステムじゃなくて、別々にこうなっていく可能性も出て来ると。
それでコストがかかってくると。
やっぱり、統合したらええんやけど、分割したらデメリットがどうしても出て来るんじゃないかと。
そこが心配であると。
そしてですね、2つ目でございますけれども、大阪市民の税金、年間2200億円が流用されている。
ちょっと先ほどね、一つ言い忘れたんですけれども、結局コストがね、どれくらい余分にかかるのか、というのを議会とか色んな会議とかで会議資料とかを見てみますと、だいたい初期投資で先ほど高橋先生もおっしゃいましたけれども、初期投資がやっぱりかかるんですね。
それがだいたい600億円から680億円くらいかかるんじゃないかと。
これが、先ほどの経営の統合で出て来るメリットを、かなり上回ってしまうんじゃないかという事が一つ。
それからもう一つ、ランニングコストが安くなる、二重行政が無くなって、ランニングコストが安くなるというご意見もあるんですが、それは2000億円のところで出てくるかもしれないんですが、残りの6000億円のところでは、ランニングコストが上がるという話がありまして、
これは、年間で20億円くらいじゃないかという議論もあります。
トータルで考えると、僕はデメリットの方が大きいんじゃないかと。
それが先ほどのお話だったんですけど、2つ目ですね。
年間、約2200億円が流用されていくという事でございますけれども、
これは先ほど大阪市の町づくりの部分というのが、道とか下水道の部分、消防とか、これが2200億円大阪府の方に行くんですよ。
で6200億円は5つの区の方に行くと。
これね、大阪市民の全体からしたら、今までこの2200億円は、大阪市民が選んだ市長が、大阪市民が選んだ議会の人達と一緒に相談をして、大阪市民の為だけに2200億円を使ってくれていたわけですよ。
それで、ミナミの開発とかキタの開発とか御堂筋がどうやとか色々とやっていたわけです。
ところが、2200億円お願いしますという事になると、今度誰がこの2200億円のお金を使うのかというと、府議会が議論をしてはるわけですね。
当然これは一体的にやって、大阪市だけの事を考えるんじゃなくて、大阪府絶対にとってええようなお金の使い方をしていくわけです。
ですから、大阪市民からしてみると、2200億円お渡しして、それが市民に全部帰って来るかというと、必ずしもそうじゃないんですね。
特に、ここでの判断で、大阪市の事を凄い大阪府が好きだったら、凄い色んな事をやってくれはるわけですけど、実際、大阪市民というのは、大阪府全体の人口に対しての30%しかいないんです。
府議会が約2200億円の歳出決定権を持つようになるんですけれども、大阪市の議員の割合は、全体の3割だと。
そうなんですよ。
ですからちょっと、まぁ多数決ですから。
多数決ですから、
その大阪市の2200億円がもっと大阪府の色んな事に使われると、
いう可能性が出て来ると。
でね、そういう説明はですね、あの申し訳ないですけれども、ちょっと違うんですよ。
その大阪市、あえて旧と申し上げますと、旧大阪市内だけで使うように、2200億を特別会計という枠に入れちゃっているんです。
先生のおっしゃるのは、一般のこう、一般会計に入れますとどこに行くか分からないんですが、そうじゃなくて、市の仕事をまぁ、府に、都に移した場合の費用ですので、それは大阪、旧大阪区域だけで使われるように、分六してあるんですよ。
5区で使われるように、ブロックしちゃうので、府議会が多数決でそのそれ以外の所に沢山使うという話には全くならない、そこが違うんですよ。
それは、今からお話をしようと思っていた所なのですが、特別会計というのを使って、2200億を渡すんですが、大阪市の行政の為に使いますという風に行政定期には説明をされているんです。
ただ、私がこちらの協定書をじっくりと、協定書都とかその他の資料をじっくりと見ると、どうやら2200億円うち、特別会計に入れられる、大阪市民のための特別会計に入れられるのは半分の1100億円なんですよ。
▶ 特別区設置協定書
残りの1100億円は、やっぱり特別会計に入らないという問題が一つ。
それからもう一つはですね、その特別会計を運営するのは誰かというと、都区協議会になるので、都と区、あの市民と府民がやっぱり議論をして、特別会計を運営していきますから、やっぱり使われていく可能性が、どうしても排除できない設計になっているんです。
で、ポイントはイメージで分かるんですよ。
例えば、僕が80万円くらい、ちょっと金持ちですけど、僕が80万円くらい月に使っていたとしましょうよ。
そうしたら、今まで80万円で服を買ったり、ご飯を買ったりしていた。
所が今度、制度が変わって、20万円を親に渡して、まぁ、大家さんとかに渡して、60万円を使って、この20万円で服を買ってちょうだいねと。
服を買ってくれるというから20万円を渡したわけですよ。
で、買ってくれるのかなと思ったら、お母ちゃんがちゃんと僕の為に使ってくれるかどうかという事ですね。
お母ちゃんは僕の事も聞いてくれるけれども、他の7割の人の言う事も聞かはるから、
兄弟の話とか、お父さんの話というのも聞かなあかん、
そうそう。
しかも、財布の事情を見ると、大阪府と大阪市、借金がどっちが大きいかと言ったら、1.3倍から1.4倍くらい府の方が借金が大きいというのもある。
あるいは更にはですね、大阪市内の道路整備率と大阪市外の道路の整備率だと市外の方が、道路の整備率はまだ足らない。
下水道の整備水準も、市外の方が足らない。
という事は、市外の方でお金を使いたいという要望が非常にあるんですよ。
だから、府議会なんかで、そっちの方にお金が使われていくという可能性は、協定書を読んでいる限り、どうも排除できない。
ちょっとそれも違う。
あのですが、半分くらいしかですね、その市の区域で使われないというのは違いましてですね。
借金の返済も実は入っているんですよ。
721億、その2200億の中に。
ですから、それは先生がおっしゃるように、何に使うかというのは出てこないですけど、借金の返済なんです。
借金の返済。
で、その他、細かいものが400億くらい入っていますけれども、それを合わせますと、全部で2200億は大阪市から移った分に使われるんです。
という風に、何度も説明されているのですが、協定書を見るとそういう風にはならないというのが私の主張です。
あのね、特別会計という仕組み自体がね、要は何に使うというのははっきりしている。
一般会計はどんぶりだから、藤井さんが言ったのは、ちょっと分かるんです。
というのはあるんだけど、特別会計っていうのは、実はかなり分かりやすい。
それで、更に言うと、後できちっと分かりますね。
だから、もし本当にインチキをしたてたら、後に色んな事が言えるという仕組みです。
なるほど。
そして、藤井先生は、この二重行政を無くす方法が別にあるとおっしゃっております。
やっぱりあの、先ほどの図を思い出して頂きたいんですけど、
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やっぱり、大阪府にメリットがあるというご意見がある。
そして、5特別区のデメリットは、ちょっと排除しにくいのではないかというのはあり得ると思うんですね。
で、僕はやっぱり5特別区のデメリットの方が大きいんじゃないかというのが僕の意見です。
じゃあ、大阪府のメリットと、5特別区のメリットと、どちらが大きいのかという事なんですけれども、この5特別区のあるかもしれないデメリットのリスクを冒してまで、このメリットを取る必要があるのかというと、この都構想をしなくても二重行政は解消できる仕組みが、今、法律で出来たという事は、ぜひ色々な方に知って頂きたいと思います。
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地方自治改正法、指定都市都道府県で、「調整会議」を設置すると。
協議がまとまらない場合は、総務大臣が勧告を出して決着するという最近できた、
これは去年2014年の法改正で、実際にこの会議を作るというのは、2年後に出来上がるという事になっているんです。
要するに、二重行政が問題だって、凄く言われ出したので、この二重行政を解消する仕組みを国会でも議論したんです。
どうしたらええんかなと。
で、自治法という、これが地方自治の憲法みたいなものですから、ここに二重行政を解消する仕組みを作ろうという事が決められたんです。
それは、要するに政令市、大阪市と大阪府みたいな所が、今まではバラバラにやっていたんですけど、会議を作れという事が、法律的に定められたんです。
二重行政を改正する為の話し合いをしろと。
話し合いをしろという事が、今国会で言われたので、そこで揉めて物別れになるかもしれないわけですよ。
物別れになったら、不満がある方が総務大臣に言いつけて、「これをなんとかしてください」と調停をお願いして、勧告を言ってもらうという事が、出来るようになったという事です。
この仕組みは、具体的にどうなるかはまだ分からないのですが、これは相当、二重行政を改正するのに強力な役割を担うのではないかという事も言われています。
まぁ、あの、こういう会議を作って話し合えっていうのはですね、確か制度上出来ているのですが、総務大臣が勧告するという所までは行かないんですよ。
自治紛争調停委員会に持ち上げて、お互いに言い分を聞くと。
そうしたら物別れで終わると。
という可能性があるんで、総務大臣がエイってやる、それはもう自治の趣旨に反しますので、そういう事はやらない。
まぁ、総務大臣は東京にいるんですよ。
はっきり言って、地方の話って、地方でやるって事ですよ。
だからそれね、総務大臣はいくら言われたって、はっきり言って、分からん、こんなものは。
だって東京にいるから。
それだからね、どうなるかというとね、総務大臣は、「また協議しろ」「また協議しろ」ってずーっとこの繰り返しなのだいたい。
という風になるという。
この仕組みが今まで全然無かった中、こうやって勧告をお願いするという事が出来るっていうのは、これは二重行政の解消に、メリットはあるという話です。
ちょっといいですか?
わかりにくいのが、大阪府に一個にまとめて、で、大阪市を解体するっていう言い方が、もう分からんようになんねん。
ほんなら、先生が言う5つにしたら、もっとコストがかかるいうて。
でも、5つに細分したら、そっちの方がええといのが、ほんまに分かりにくくなってくんねん、そこで。
メリットの2個目でね、近くなるからいいという話があったじゃないですか。
やっぱり、みんなで暮らすよりはワンルームに住みたいというのはあるんです。
ただ、お金があったら、その方がええんですよ。
でも、大阪市は、区がいっぱいあったじゃないですか。
それを5つに、細かくじゃなくて特別区としてやるっていうから、俺はそっちの方が分かりやすい説明にして欲しいなという風に思うねん。
要するに今、区があるわけね、ちょこちょこね。
だから、そんなに実はお金かからないと思うんですよね。
ランニングコストが今あるからね。
それをちょっとまとめるという側面も実はあるわけ。
だから、解体するというのと、たくさん区があるのをまとめるという両方があるんですよね。
ただ、行政区と特別区っていうのは、全然違う。
区って名前がついているだけなんですよ。
ただ5つに分けるだけじゃないんですよ。
5つのある意味、50万市を作るんですよ。
ですから、住民の代表で選挙で選んで、議会も出来て、独立したものが出来るので、それがまさに自己決定、自己責任、自己負担の原則で、動く仕組みになるので、大阪の出先機関のように24行政区を置いてですね、市長の命令で動くという、それだと声も届かないわけで、もの凄くよくなるんですよ。
我々が区を選挙するという事になるんですけど。
2015.03