大阪都構想に賛成する理由 高橋洋一 佐々木信夫
まずは、高橋洋一先生と、佐々木信夫先生は、大阪都構想に賛成というお立場でよろしいんですか?
うん、今、問題を解決したいなら、これをやらない手は無いですね。
今の問題を解決したいならね。
やらない手はない。
佐々木先生は?
そうですね。
やはり大阪を良くするためにはですね、大きく変えなきゃいけないですね。
そういう意味では賛成ですよ。
そういう意味では賛成であると。
賛成派のお二人のご意見を伺ったのち、反対派の意見で、藤井先生の方もお伺いしますので、よろしくお願いします。
さぁ、まずは大阪都構想について、高橋先生の見方は?
今の大阪は、ボロボロ。
都構想でシロアリ駆除が出来ると思いますよ。
大阪都構想と関係無いんですけど、先生方のコメントが辛辣過ぎて、毎回毎回。
ボロボロであると。
都構想でシロアリ駆除出来ると。
まずは現在の大阪市ですが、大阪府、大阪市、政令指定都市、全国で20ありますけど、そのうちの1つでございます。
現在24区政でございます。
人口約269万人。
全国に1位は神奈川県の横浜でございます。
人口密度は全国で5位になっておりますけれども、まずは政令指定都市というのを分かりやすく説明して貰っていいですか?
人口が多い、50万人以上の、そこに大きな権限を与えて、ある意味で都道府県と似たような存在という感じですね。
ですから、その政令都市になると色々な事が出来るという制度であります。
普通の市よりも、なんか色々な事が出来るというのは分かりやすいですよね。
そして問題は2つございます。
1つ目、大阪市の権限が大きいので、府と市の二重行政が起きる。
2つ目、269万人、大阪市の人口でございますけれども、それに対して1人の市長という事で、民意が反省されにくいという事なんですけれども。
それではまずは、そういう事でございますけれども、この2つが大きな問題だと
そうですね。
やっぱりあの、権限が大きいというのはある意味で大阪府とまぁ、ダブっちゃうというか競っちゃうんですよね。
そういうので、東京の人から見ると同じようなのが2つあるという感じに見える。
まぁこれが二重行政ですね。
あともう一個ね、269万人で一人でしょ、市長を選べるの。
身近な話については、ちょっと多すぎる。
要するに全部市長に上げなきゃいけない。
例えば、小学校の話、中学校の話なんかは、ここ市長でしょ。
それはちょっとね、東京の人から思うとそうじゃないんですよ。
あれはね、区長といって、身近な人。
大阪都構想の主な目的でございますけれども、一つは二重行政の解消。
二つ目は特別区の設置による住民サービスの強化でございますけれども、まずは佐々木先生、これで解決できるという事なんですか?
その二重行政の解消というのは。
まぁこの、2つの司令塔がですね、競い合うんじゃなくてですね、司令塔は一本にすると。
そうしますとね、大阪、例えば都知事というものが出来て、司令塔が一本化しますと、こういう二重行政という事はやらないですよね。
やらないです。
東京には無いわけです、そういうものがですね。
そういう意味では解消できる。
もう1つは、その269万人をですね、ひとりの市長でと。
これはやっぱり、例えば京都府とか広島県の人口と同じですので、例えば京都府ですと13人市町村長がいて、行政をやっているわけですね。
それを1人でやると。
これはやっぱり、住民から見ると、きめ細かなお話にはなかなか繋がらないですよね。
私はちょっと伺いたいのですが、他の政令指定都市というのは、50万人以上ということでしたけど、大体どのくらいの規模が多いんですか?
100万人ですよね。
元々100万都市を想定している。
100万だったら、一人の市長でもなんとかなるという感じですか。
269万はちょっと大きすぎると。
という事ですね。
大阪都構想、ざっくり言うとこういう事になります。
特別区で5つの特別区を設置します。
大阪市を廃止して、北区、湾岸区、南区、中央区、東区でございますけれども、福島は何区になるんですか?
画像出典:西野法律事務所
えぇ、北区、北区になる。
難波は中央区になる。
こういう風に5つの特別区に分けようという事でございます。
この特別区と呼ばれるのは、基本的には基礎的に自治体である市町村に準ずるもの。
市の所掌する行政事務に準じた行政権限が付与されている。
小学校、中学校などの教育、老人ホームなどの福祉、身近な生活サービスの地域行政を行う。
ただし、下水道、消防などの公益行政は府に移管するという事なんですよね。
あの、今政令市、市というのがあって、特別区というのはそのちょっと真ん中くらいかな。
だから、普通の市よりはちょっと格が高いというか色んな事が出来るんですけどね。
だけど、こういう下水道とか消防なんかは、広いから都でやるという感じだと思います。
それでは現在、大阪府と大阪市において二重行政になっているのは、水道、大学、病院、住宅、図書館、体育館、がちょっと被っているという事ですよね。
例えば水道なら大阪府は、大阪広域水道企業団。
市の場合は、大阪市水道局がという事で、つまり2本あるという事で考えていいんですか?
あの、もう少し身近でいうと、高校なんかはそうですね。
東京は高校というのは都立高校しかない。
だから、「しりつ」というのは、私立の事を「しりつ」と普通に言うんですよ。
こちらの「しりつ」というと、なんか、市立と私立、どっちかと言われるんだけど、東京ではそれはなくて。
だから、区立高校というのはなくて、高校はみんな都立、もしくは私立。
だから、小中は区立、で高校、大学は都という感じで分かれている。
でもここに大阪に来ると、「しりつってなんにしりつですか?」って言われる。
あと府立もあるでしょ。
私立か、市立かという言い方でわけますよね。
あと、府立というのもあるでしょ?
府立もあるし、だから随分沢山あるなという感じですね。
病院とか体育館もそう、図書館もそうなんですけれども、これをだから統合すれば経費が削減されるという事なんですよね?
もちろんね、あのね、病院とかなんとかを無くすという意味では無いんですよ。
残すんだけど、経営が1つがやると。
そうすると、間接部門というところが、1つになると。
大阪府、大阪市以外の全国の政令都市は、わからないけどうまいことやっているのに、
例えば、神奈川県って東京の隣にあって、ここはね川崎市っていうのが政令市、横浜市というのも政令市、相模原市というのも政令市。
それでね、県はその箱根なんかの山だけをやる。
だから、同じ県って言っても、あの横浜市とかそういう所には出て行かないで、本当に山だけ。
だから、県知事になると山だけ担当になるの。
そんな感じで。
でも、大阪だと大阪府と、大阪市で同じようにやるでしょ。
だからね、うまくいっている所もあんだよ、分ければ。
うまく行っている所もあるけど、大阪府、大阪市の場合は、今までうまいこと行っていなかったと。
一本化にすると、先生が言うシロアリを駆除出来ると。
これはね、シロアリというのは、もっと言うと補助金が沢山撒かれているんだけど、これね、組織改正すると、全部そのルートは変わるわけね。
炙り出される。
どのくらい大阪市が補助金を撒いているかというのは、大阪市のホームページに書いてありますよ。
ぜーんぶ載ってる。
私が見るとね、もの凄い高額で、こんなに補助金を出しているの?というのがちょっとあってね。
ちょっとだけ話を戻しますけど、二重行政の解消によって、このようになるという改めて、
先生もおっしゃりましたけど、施設を潰すわけでなく運営の統合をしていこうという。
間接部門や、事務の人数を減らす事が出来るというのがプラスに作用するという、
でしょうね。
という事ですよね。
おっしゃる通りですよね。
ですから、物は無くなるわけではないんですよ。
ただ、経営者が一本化されるんでですね、余分なものは作らないし、色んな統合を進めていきますので、それは市民にとって非常にメリットがあると思います。
あとね、調達なんかだとね、その府立高校と私立高校があって、両方で調達するのが一本化出来るから、一本で調達すると、実は安くなる。
それは、どんな企業でもやっていますよ。
同じような部門だけ一緒にするというのはね。
そしてもう一つでありますけど、大阪都構想の主な目的2つ目でございます。
特別区の設置による住民サービスの強化。
区長公選制、特別区、人口約50万人の中から一人の区長を選挙で選ぶ。
という事は、つまり今までは選挙で選ばれていなかったと。
市長一人でしょ。
今度からは5人選ぶんだけれど、大阪来てみんなびっくりするのは、みんな区っていうんだけど、これね、専門用語で行政区っていうやつで、ここの区長さんは役人なんですよね。
東京は役人じゃないから、一応名前は知っていますよ。
選挙に行けばね、投票するでしょ。
そのくらい実は身近なんで、もしも文句を言いたい時には、区長に文句を言って、駄目だったら選挙で降ろすというのがあるんだけど、大阪は市長だけでしょ。
今までは、市長と公務員の区長。
区長の名前知らないでしょ?
でしょ、公務員だから。
これが大阪都構想で、大阪都になれば区長公選制になって、責任ある区長が選ばれて、その区長がという。
そう。
気に食わない区長がいたら、選挙で落とす。
私、間違っていたら、これについてはあまり知識がないので、間違っていたら教えて欲しいんですけど、私の理解だと、だいたい一区30万人くらいの人口というのを当初予定されていたのではないかと思われるんですけど、この5つになって50万人くらいになったという理由は何なんですか?
多分人口と、あとある程度大きい方がいいとかいう業務もあるんですよね。
だからその、30万人から50万人とか言われているんですよ。
これは多分許容範囲の範囲だと思いますけどね。
少しこの50万人にする議論はですね、東京の杉並区が丁度50万人くらいなんですよ。
そこの公選区長の経験によると、丁度50万人くらいが適正規模だってそういう意見もありましてですね。
あまりこう小さくしても駄目なんですよね。
なるほど。
そして、高橋先生、敢えて言いますと、大阪都構想でございますけど、デメリットみたいなのは先生、考えるデメリットは?
デメリットっていうと、こういう事をやると最初はちょっとお金がかかる。
けれど、その後ずーっとコストが安くなるんで。
ずーっと安くなるのが続くと。
というのが、まずどっちを見るのか。
当初のお金を見るのか、ずーっと後のを見るのかというのはちょっと違うし。
それだと現状に問題がどのくらいあるか、ないかというような違いでしょうね。
現状に全然問題がなければ、今のままでいいというし、凄く問題があるといえば、こういう風なやり方になりますね。
まぁ、細かな話はともかくですね、今言った移行のためのコストがかかるとかですね、行革でどのくらいのお金が浮いてくるかという話はあるんですが、それよりもやっぱりこの狙いはですね、やっぱり大阪を再生をしたいと。
強くしたいと。
東京都並ぶようなですね、活力がある大都市にして、日本を引っ張りたいとこういう話ですから、その為にはこの制度がいいんですよ。
そのためには、大阪都構想というのは実現すべきであるという、
政令都市の中で、いい所に行きたいのが、あるいは東京都並びたいのかというのが違うでしょうね。
要するに、東京は別格なわけ、政令都市と。
全然違う世界であって、世界に向かって実はやるんだけれどね。
政令都市っていうと、はっきり言うと日本の中の話ですよ。
政令都市の中で頑張るのか、東京都同じで世界に向かって頑張るのかと、どっちかと、
都構想が実現すれば、東京に対する大阪という町が大きくなる可能性があるという。
例えば、大阪は今のままだったら普通の市でしょ。
東京だったら、名前は別にしてね、メトロポリタンという言い方なの。
全然、感じが違う。