旗振り役 鈴木宗男によるアイヌ先住民族決議までの経緯
画像出典:The JOURNAL
「アイヌ先住民族決議」について聞く
新党大地代表 鈴木宗男衆議院議員
平成20年(2008年)7月3日(木)
衆議院第一議員会館 224号室
これから衆議院議員の鈴木宗男さんにインタビューをさせて頂きます。
今日はよろしくお願い致します。
よろしくどうぞ。
洞爺湖サミットが近いんですけれども、日本国内でもですね、北方領土返還の声とか高まっていますが、それに先駆けてですね、先日アイヌ民族を先住民族とする国会決議がされましたが、これについて、ちょっと詳しく教えて頂けますでしょうか。
はい、6月6日の日に、衆参の本会議でですね、このアイヌ民族を先住民族と求める国会決議が、採択されました。
それを受けて、政府はですね、アイヌ民族は先住民族であるという、初めてですね、先住民族として認めるですね、見解を出してくれました。
これはもう歴史的な事でね、私自身、このいの一番に取り組んできたものとして、特に私は、この新党大地、大地にかえり、大地に学ぶはアイヌ民族の理念なんです。
自然との共生、あるいは自然に感謝する、あるいは大地の恵みで生きていると、いう事の意味でありますから、そういった意味でも私は、これはもう本当にね、感激していますね。
この中で、アイヌ民族の権利確立って書いてあるんですけれども、この権利というのはどういう定義なのでしょうか?
これはですね、昨年の国連においてですよ、このいわゆる少数民族の権利確立という事が採択されたんですね。
その中に、まぁ、アイヌ民族も少数民族ですから、アイヌ民族が、先住民族としての権利の確立というものを主張しておりますから、それをうたっているんです。
同時にですね、この権利の確立というのになると、土地の所有権の問題だとか、かつての魚を捕る、鮭を捕る時の権利とか、あるいは鯨を捕る権利だとかも、アイヌ民族というのにはあるわけですね。
じゃあ、それらの権利というのはどうするのかというのは、新たにですね、これは1日の日ですね、内閣官房長官が、有識者懇談会というものを設立しますと。
要するに、アイヌの民族の文化、伝統をどう守っていくか、あるいは政策に盛り込むか、更には、アイヌ民族の皆さんの要望等ですね、どう政策として反映していくかというので、通称、有識者懇というのを作るんです。
それを正式に政府がですね、設置しますという事を言いまして、約一年間、その中で議論をしてですね、そして、政策展開をしていきたいという風になっております。
なぜ今そのアイヌなのかという事と、その今まで権利は補償されていなかったんですか?
アイヌ民族の。
その、アイヌ民族も日本国民なんですね。
そして、これまたアイヌ民族も皆さん方は、やっぱり偏見や、差別があってね、旧土人法なんていう法律まであったんですよ。
全くこれは蔑視、差別の法律です。
それを無くしたのがね、まだ11年前なんですよ。
それ、11年前に無くしたのも、私が当時、自民党の責任者としてですね、無くしたんですよ。
その土人法というのはどういうのなんですか?
いや、ですから、まぁ言ってみれば、名前からしてですよ、これは差別的な、
和人、我々を和人とすると、差別的な、このもの言いですね。
それでやはり、あの、言ってみれば、今まで北海道の開拓なんかは、アイヌ民族が先住民族なんですよ。
歴史的にも。
そのアイヌ民族を追い出したりして来たんですね。
そして例えば、日本に、和人に同化させようとかしてきた。
そういう、まぁあの、過去の歴史。
しかもそれは、法律で縛ってきた部分があるんです。
ですから、まずそれを取っ払ったのが、わずか11年前なんですよ。
これ、我々やっぱり政治家にも責任があるんですね。
もっともっと早く気が付かなければいけなかったですしね、そういった差別だとか、偏見というのを無くす意味でもですね、もっと早くに私は、この、やるべき事があったとも思いますけれども、その点ちょっと時間がかかった事は申し訳ないんですけどね。
それでも、少しずつ前進はしてきたわけですよ。
11年前は、まだその法律は、実際はそれは法律が適用されてなくてですよ、あの、日本国民として、アイヌ民族も、位置付けられていますから。
差別とか、偏見というのは最近は無いんですけれども、かつてはですよ、もう、滅茶苦茶な事があったんですよ。
例えばですね、アイヌの皆さん方が、鮭を捕って来ます。
和人が買いますね。
和人はどうしたかというとね、鮭をまず10本買うとしますか。
10本買う時ね、はじめと言って、まず1本取るんです。
で、1、2、3、4、まで行ったら、真ん中って言って、また1本よこすんですって。
そして今度、5、6、7、8、9、10まで行って、最後終わりって言って、また1本取る。
ですから、10本の売買契約をしてもね、3本余計に和人は取って来たんですよ。
そのくらいねこのアイヌ民族を、やっぱりこの五分といいますか、平等に扱っていなかったという歴史があるんですね。
まぁあの、私はそういった意味ではね、改善できたという事だけでも、アイヌ民族の皆さん方は、喜んでくれておりますから。
7日、8日、9日と北海道洞爺湖サミットが始まりますからね、その前にやっぱり、国会決議をしておくというのは意味があったし、更に、有識者懇で、アイヌ民族の歴史、伝統、更には継承というものを含めて、
また過去のですよ、この和人が搾取した部分がありますから、そういったものに対して、何のカバーが出来るか、という事もね、これから1年間議論して、出た結論をしっかりまた実行していきたいと、こう思っておりますね。
具体的には、お金もその戻すというか、なんかそういう金の流れが出て来る?
いや、そういう事はありません。
今、大事なのは、生活環境整備だとか、やっぱり教育支援ですね。
一方で、例えば、国連宣言を基準にしますと、アメリカのインディアン虐殺ですとか、オーストラリアのアボリジニですか、犬のように人を殺したとかですね、そういった本当に、おどろおどろしい虐殺差別というのが、この根底に定義があると、
逆に和人は、別にアイヌ人を虐殺したりとかしていないですよね。
その辺、同一化されてしまう懸念というのは無いでしょうか?
これは無いですね。
というのはね、アメリカも、インディアンは先住民族だと認めているんですね。
例えば、ラスベガスにカジノ場がありますわね、
アイヌ民族に、ちゃんとその、インディアンにカジノの権利を与えてんですよ。
ですから、アメリカはアメリカで、先住民族の権利の確立という意味では、認めているんですね。
過去の歴史を踏まえてね、きちっとアメリカはアメリカで、インディアンに例えば権利、与えるものは与えてきている。
この知恵は私は、日本も学ばなければならないと。
そうしますとね、今後、アイヌ先住民をですね、認める事によって、北方領土返還の交渉のカードにもなるという事ですか?
私はですね、なぜアイヌ民族を先住民族として認めなさい、あるいはアイヌ民族の歴史的な位置づけを強く主張して来たかというと、あの北方4島も、アイヌ民族が先住民族なんです。
だから大統領に、「大統領!」と。
「この北方4島は、アイヌ民族が先住民族です」と。
「そのアイヌ民族がいたところに、コサックが来て、いさかいを起こしたんですよ」と。
これはもう、島の皆さんも、学校で教えてんです。
アイヌ民族がいた、そこにコサックが来て、いさかいを起こしたと。
これはもう歴史がちゃんとロシアなんかは教えてる、学校で。
だとするならば、「大統領!」と。
「この島は、アイヌ民族が先住民族でしょ」と。
「そのアイヌ民族は日本国民なんです」と。
「是非とも歴史を尊重して貰いたい」
「日本に帰して頂きたい」
と、このアプローチも出来ると思うんです。
そういうアプローチをしたらロシア側がどう出ますかね?
私は、ロシアは全ての少数民族を認めている、先住民族として認めています。
権利の確立も認めていますから、私は日本がやっと、グローバルスタンダード。
国際的な価値観を共有するなという認識はしてくれる、ここはまた私は、一つのカードになる。
こう思っていますね。
それともう一つ、サハリン、昔の樺太です。
今、天然ガスや油を掘られています。
ここもアイヌ民族が先住民族なんですよ。
だから、「大統領!」と。
「天然ガスでも油でもここの地を開拓したのはアイヌ民族ですから、アイヌ民族は日本国民ですから、優先的に日本に油やガスは提供して貰いたい」
「ぜひともこの点は考えて貰いたい」
と言えば、これはまた日本が一番ウィークポイントでアメリカ一辺倒で来てね、アメリカに首根っこを抑えられているこの油という問題をロシアというカードで、また新たな展開が出来るんですね。
これも、アイヌ民族が、先住民族でしたよという話はね、堂々と言えるんですよ。
そういうお考えもあって、このアイヌ民族の事も先生は長年動いている?
私はやっぱりこの、世界戦略というかね、日本の。
私は、地球儀や世界地図を見ながらやって来たんですよ。
話は飛びますけど、私はアフリカをやったのもそうですよ。
今、世界の4分の1は、アフリカが油を生産してるんですよ。
しかし、そのアフリカは、今部族闘争だとか、非常に内政が混乱しているからダメですよね。
だから、それで原油が上がっちゃうんですよ。
いわゆる、供給が無くなるんじゃないかと。
同じ事なんですね。
だから、私は日本の将来を考えた場合ね、ロシアと仲良くする。
北朝鮮の拉致問題も、ロシアを使わんと本当はダメなんです。
アメリカと中国と韓国じゃダメなんですよ。
ロシアが一番北朝鮮と近いんですから。
昔から。
金正日さんは必ず3年に1回はロシアを訪問してんですから、定期的に。
それはなぜかという事ですよ。
お父さんの時代から、これはもうソ連時代から特別な関係ですよ。
だから私は6か国協議にロシアも入ってんですから、もっともっとロシアカードを使う。
これが大事だと、こう思ってんですね。
そういった意味でも、今回のこのアイヌ民族の、やっぱり先住民族として認めた、この国会決議。
そして、政府のそれを認めるこの判断というのは、私はこれからの日本の将来にとって大きなね、あの~、一つの、あの~、道を作ったと、こう思ってんですね。
アイヌの先住民族の定義というのは、何ですか?
これは、難しく考えなくていいんです。
アイヌ民族が北海道の先住民族であった事は、歴史が証明してるんですから。
その1つに限るんです。
それ以外の、何の説明もいりません。
はい。
その、国連なんかでは、国際的な先住民族の定義は無いと言うんですよ。
町村さんもこの間、先住民族の定義は国際的に確立していないと…
ですから、それは逃げなんです。
というのは、それぞれの国の歴史において違うんですよ。
ですから、さっきお話されたアボリジニはアボリジニの歴史があるんです。
アイヌ民族にはアイヌ民族の歴史がある。
インディアンにはインディアンの歴史がある。
イヌイットにはイヌイットの歴史がある。
これは私は、一緒くたに扱えるもんでない。
これは、それぞれの国が判断すればいいと私は思っています。
はい。
ちょっと、失礼な質問かもしれないんですが、2001年に鈴木先生に対して、平沼さんと一緒に辞任を求めるという声が、このアイヌ民族の自治区を取り戻す北川さんとかありまして、経緯は先生が外人記者倶楽部で発言された内容なんですが、この件については、どう思われますか?
これはですね、アイヌ民族の一部にもね、非常に過激な、思想的にね。
例えば、私なんかと相容れない特殊な人達もいるんですよ。
どういう過激さがあるんですか?
やっぱり、思想的に右と左と分けた方がいいでしょう。
左の人達ですよね。
極左?
いや、極左と言うんでなくて、少なくとも頭から鈴木宗男を、私、当時、自民党でしたら。
自民党けしからんというような人、いるんですよ。
でも、私はあんまり気にしていないですよ、そういう人等。
あの~、その問題も誰もウタリ協会の皆さんは、全く理解しておってね、何も問題なかったんですから。
※北海道ウタリ協会は、北海道アイヌ協会に名称変更しています。
それで1つの誤解があるのがね、アイヌ民族、民族という言葉、エスニックですね。
エスニックでいう場合は、アイヌ民族なんですよ。
私はネイションで言うんですよ、日本国民。
アイヌ民族も日本国民なんですよ。
それを日本国民と言ったら、アイヌ民族を日本国民と言ったら、差別だというのはそれは間違いですよ。
アイヌ民族の例えば萱野さんという方が国会議員になった、日本国民だから国会議員になれたんですから。
じゃあ、差別じゃないですか?
差別じゃないですよ。
だから私が、エスニックという中でね、いや、日本民族だと、言えば、それは差別になりますよ。
日本国民の中にアイヌ民族がいるというのはなにも差別じゃないんですよ。
ネイションでくくれば、アイヌ民族も日本国民なんですよ。
この事をね、逆に意図的にというか、恣意的というかですね、なんというかね、まぁまぁ、いやらしく扱う人達がいるんですよ。
私は全く気にしていません。
私はそのウタリ協会で、北海道ウタリ協会というのが、アイヌ民族の一番のまとめ役だと思っていますから。
そのまとめ役は、ちゃんと私の事を理解していますからね。
はい。
じゃあ小さい事だと?
取るに足らない事だと?
まぁ、重箱の隅をつつくような話なんですよ。
誰よりも、私がそのアイヌ民族の旧土人法を撤廃したのも私なんですから。
で今回のこの国会決議だって私が旗振り役をしたんですから。
それはアイヌ民族のここらの人は分かってくれている。
ただ、そのアイヌ民族の中にも、考え方の違う人もいれば、そりゃあ日本人だって、考え方の違う人がいるんですからね。
あんまり気にする話じゃないです。
その点は、はい。
これ、佐藤優と鈴木宗男というロシア工作員が関与してるんですけどね。
ところが、チャンネル桜は馬渕睦夫という別働のロシア工作員に騙されている始末。
話にならない。
2008年6月6日の「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」
と
2019年4月19日の「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律(アイヌ新法)」の成立過程は似てますね。
2008年7月9日の大高未貴さんによる鈴木宗男インタビューの頃には、カジノ(IR)に言及していたんですね。
2015年6月25日の鈴木氏の寄稿記事がありました。とても誇らしげです。
題名にある「権利確立」は「利権確立」でよいかもw
アイヌ民族の「権利確立」を 鈴木宗男の10年
https://ironna.jp/article/1549