プーチンに植え付けられた完全な誤解
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プーチン大統領については世界の悪者になってるという話をしましたが、それとロシアとは全く違う国家なんです。
それはもちろん今のロシアは、ソ連の遺産を引き継いでおりますけどね。
それは正の遺産も負の遺産も引き継いでるんですが。
そのプーチン大統領が、結局ロシアが蘇ったと共産主義の下で虐げられて、実はロシア人もソ連共産主義の下で虐げられてきたんです。
我々はむしろロシア人が虐げてきたと思ってますけど、実態はそうじゃない共産主義という体制の下でロシア人も非常に苦難な歴史を負ってきたわけですね、混乱を負ってきた。
そのロシアが、共産主義の混乱を抜け出して再生できたのは何かということで、プーチン大統領が言ってるんですが、それは核兵器とロシア正教だと言ってるんですね。
核兵器と、これは我々から見たらちょっと複雑な感情ですが、軍事力ということですよ、ロシアという国家が持つ軍事力がね。
しかし最も重要なのは、ロシア正教なんです。
ロシア正教という、そのロシアの伝統に対する強い意識があったから、敬意識があったからロシアは蘇ることが出来たと言ってるんですね。
日本が生き延びるために必要な力
それは逆に、今の日本につても参考になるはずなんです。
我々がこれから、いかにこの国難を生き延びるかどうかというのは私たちの精神が発揮できるかどうかにかかってるということですね。
先ほど申し上げた、私たちのその連綿と受け継いできた和の精神といいますか、分を尽くす精神。
そういう精神が、我々がその精神でもってこの国難を乗り切ることが出来るかと、いうことが問われているんだと思います。
ですから今まで申し上げたこと全てひっくるめて一言で言った人がいるんです。
日本の力って言いますか、日本の生きるそうですね、文化力って言いますかね、それが何かということを一言で言った人がいる、それは芥川龍之介なんですね。
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芥川龍之介は皆さんいろんな短編でご存知ですが、その芥川龍之介が大正のあれは何年頃というか正確は全然10年頃だと思ますがね。
「神々の微笑」という、神々というのは神様の神、神々の微笑という小説を書いてるわけです、短編小説30分もあれば読めますが。
その「神々の微笑」というのはどういう小説かっていうと、いわゆるキリシタンものと呼ばれるものですね。
つまり、芥川龍之介がキリスト教についていろんな角度から問題点を書いた小説なんですがね。
その神々の微笑というのは、日本に布教のためにやってきたキリスト教のオルガンティーノという実際に実在した人物なんですが。
このオルガンティーノについて描いたもの、そのオルガンティーノと日本を古来守ってきた霊ですね、日本の老人の霊との対話なんです。
それでオルガンティーノは、日本でキリスト教を布教してたんですけども、どうも上手くいかないと彼は一人で悩むわけですね。
この日本の国には、これは素晴らしい穏やかな国だけども何か目に見えない得体の知れない力が宿っていると。
風の中にも、月野外の中にも街角の中にも、小川の中にも宿ってるというんですが、それはも皆さんお分かりですね。
八百万の神々が日本を守ってるということですよ。
それを芥川龍之介が象徴的に表現してるんですが、しかしオルガンティーノはにも関わらずキリスト教を広めなきゃならん、はてどうしたものかと悩むところに、
古来日本を守ってきた霊が、老人が降りてきて貴方は必ず失敗しますというわけですね。
そんなはずはない、とオルガンティーノは返すんですが。
今日も3~4人侍がキリスト教に改宗しましたという話をするわけですね、そうするとその老人曰く、それはそうでしょうと改宗するだけなら何人でも日本人は改宗しますと。
しかし私たちの力、つまり日本の伝統的な力というのは破壊する力ではありません。
つまり西洋文明のキリスト教も含めて、破壊する力だと見抜いてるんですけどね、破壊する力ではありませんと。
私たちの力は、作り変える力なんですと言ってるんです。
ですからキリストもそのうち日本人になってしまいますよと、言い残して彼は去るわけですが。
それが意図するところは皆さんもお気づきですね。
外来文化を日本化してきた日本人の土着力
我々が国難に対処する、ずっと歴史的に見ますとこの作り変える力、別に表現を使えば土着力ですね。
土着力によって、その外来文化を日本化してきたんです。
それによって、共存をはかってきたわけですね。
昔儒教が入って来た時に、中国語が入ってきたですね文字を持たない日本に、じゃぁどうしたか。
あるいは中国語で読んだら、日本は中国文化系に組み込まれてた。
私たち学校で習いましたね漢文、訓読みしたんです。
中国の文献をそのまま日本語で読んだんです、これは素晴らしいやり方ですね、世界でどこもやってないやり方。
だから日本は中国文化系にはならなかった、日本の文化を守ったんです。
仏教が入って来た時どうしたか、神仏習合っては皆さんも馴染みのある言葉ですね。
仏教と神道が共存する道を選んだ、仏教がそれは偉かったんでですけどね。
日本にキリスト教が広まらなかった理由
ところがキリスト教はそれを選ばなかった、キリスト教は神道も否定したんです、キリスト教以外絶対に認めなかった。
だから残念ながら皆さんの中にはクリスチャン方もいられると思いますが、キリスト教は広まらなかったんです。
それを芥川龍之介は、同じキリシタンものの中で、「おぎん」という小説を書いて何故キリストが広まらなかったか、そのもう一つの理由を言ってるんですね。
それはキリスト教が、先祖供養を否定したわけです、これはお分かり何となく分かりますね。
キリシタン、キリスト教に改宗した者だけが天国に行けるということですからね、それは分かりましたと。
私はキリスト教に改宗しましたと、天国にいけるというのは嬉しいことかもしれませんが。
ところで、私の両親はどこに行ってるんでしょうかと、信徒はキリシタンに改宗した人はみんな聞くというわけです。
そうすると、これはザビエルの話なんですけどね、ザビエルもそう言ってるんですが、我々が学校で習ったザビエル。
それは地獄に行ってるということなんです、それはそうですね、クリスチャンじゃないから地獄だ。
そうすると、みんな日本人は悲しそうな顔をするってわけですよ。
我々は先祖と共に生きているわけですね、この縦糸で繋がってるわけです。
こういう日本の文化と共存出来なかったキリスト教が広まらなかったというのも、十分理解出来ることなんですね。
いや、キリスト教の教えそのものは立派な教えだと思いますが、やはり先祖供養を認めてないということは私たちの心情にはマッチしないですね。
なるほどね・・
モルデカイモーゼの(久保田氏?)言ってる事と一致してる部分が多いね・・