もうこれはウクライナ危機はもう3年、4年前の話ですから、今やほとんど世界の世論は関心を持たないんですが、実はその時に、ウクライナのデモを背後から指導してたのが、アメリカのネオコン勢力だったわけです。
実はアメリカの国務省、対外関係の役所ですが、国務省の東欧担当の次官補というのがいるんですが、トップですね、ビクトリア・ヌーランドという女性なんですけども、彼女は著名なネオコンの闘士だったわけですね。
そのビクトリア・ヌーランドという女性の、アメリカの国務次官補ですよ、その旦那さんと言いますか結婚相手は、ロバート・ケーガンというこれまたネオコンの論客の一人だったわけですね。
そのビクトリア・ヌーランドは何のことはない、民主化勢力といいますか、そういう反ヤヌコヴィッチ勢力と一緒にデモをしてたんですね。
そのことはもう映像になって世界に流れてるんです。
私もその映像を見ましたけど、彼女はデモ隊に、つまり反政府のデモ隊にクッキーを配って一緒にデモしてる。
そういうことが明らかになっているにもかかわらず、メディアはそのことに注目しないんですね。
決定的な証拠、ネオコンがこの反ヤヌコヴィッチデモの背後にいた決定的な証拠というのは、そのヌーランド国務次官補は当時のアメリカの駐ウクライナ大使ですね、パイアットっていう大使ですが、と電話会談をして、ヤヌコヴィッチを追放したあとの政権はヤツェニュクにしようという話をしているわけです。
ヤツェニュクっていうのはウクライナの政治家で、ヤヌコヴィッチを追放したあとの暫定政権の首相に、晴れて首相になった人ですが、もうそのヤヌコヴィッチを追放したあとのウクライナ政権構想というのは、実はアメリカが立ててたということですね。
これだけ証拠が揃っているわけです。
しかもこの電話会談の模様はyoutubeにすっぱ抜かれて、アメリカの当時の国務省もそういう会談があったということは認めているわけですね。
これだけはっきり証拠が揃っているわけです。
つまり、アメリカのネオコン勢力が、あのヤヌコヴィッチ追放となったウクライナの民主化デモを主導したわけですね。
その背後にあった一人が、皆さんもご存じのジョージ・ソロスなんです。
ジョージ・ソロスは当初からこの民主化デモが、民主化デモ民主化デモだっていうことを、ことあるごとに強調しておりましたね。
そうして2014年の2月ですが、ヤヌコヴィッチが結局逃亡、大統領が逃亡して暫定政権ができたんですが、その暫定政権、新政権が何をやったかというと、ロシア人の排撃を始めたんです。
これは私のウクライナにおける経験から言っても、異常な出来事だったわけですね。
もちろん当時から、私がいる時から、そもそも東西冷戦が終わってウクライナが独立した時から、ロシア系の住民というのはかなり住んでたわけですね。
全土で3割近くいたとも言われてますが、そのロシア系住民を排撃し始めたわけです。
これは新しいことなんですね。
それは従来も、ウクライナの人々は、ロシア系の人々に対して複雑な感情は持っておりましたが、彼らを力ずくで排撃しようとか迫害しようとは思わなかったわけですね。
それはいろんなあの事情がありますけれども、やはり隣国のロシアとの関係というものは、維持せざるを得ない、ウクライナの経済を成り立たせる上で、維持せざるを得ないと、そういう状況だったわけですね。
だからそれはウクライナの人たちも分かっていたわけです。
ですから私がいる時には、親欧米派の大統領でしたけれども、そのもとでロシアとの関係は、微妙なものがありましたけれども、決してそういう過激な行動には移ることはなかったわけですね。
ところがその、今申し上げているいわゆるウクライナ危機で政権に就いた、新政権は、ロシアを表から排撃し始めたわけです。
で、オデッサの虐殺ということもありますが、いろんなところでロシア人、ロシア系住民が虐殺されたり迫害されたりしてきたいうことですね。
その状況を見て、果敢に反応したのがプーチン大統領だったわけです。
クリミアは、6割から7割近くだったと思いますが、6割が、少なく見積もってもクリミアの人口の6割はロシア人だったわけですね。
そうするとその反ロシアの、ロシア人を迫害を始めた暫定政権が、クリミアのロシア人にどういう態度をとるかっていうことは、もう誰の目にも明らかだったわけですね。
ですから実際に行動を起こしたのはクリミアにいるロシア系住民であったと思うんですが、もちろんそれは陰に陽にロシアが背後から支援したことが、支援したと思います。
それで皆さんもご存知の通り、いわゆる住民投票というものを3月にやって、そしてその結果としてロシアへの編入を要望し、それにプーチン大統領が応えた、というような、いわゆるロシアへの編入なんですね。
ロシアから言わせてみれば、これはクリミアの編入になるわけですね。
これを西側メディアに言わせてみれば、併合になるわけですね、軍事力をちらつかせて併合したということになるんですね。
これをもって米露関係が一挙に、事実上の冷戦状態になったわけなんですね。
アメリカ、オバマ大統領は直ちにロシアに対する制裁を発動すると、それに対してヨーロッパも付き合い、まあ日本もある意味で付き合わされたんですが、そういう状況になったわけなんですね。
実はこの、しかしこの併合って言いますか、編入の事実をもってプーチンが軍事的にクリミアを併合したという、そういうイメージが世界に流れて、プーチン悪者説って言いますかね、国際秩序の撹乱者というようなイメージが作られてきたわけなんですね。
今、基本的にはアメリカのメディアもそうですが、日本のメディアも、産経新聞に至るまで、その姿勢で一致しているわけですね。
いや実に面白いことに、個人的に私は産経新聞の、なんいいますか寄稿している方を云々することでありませんが、産経新聞にしても、基本的なスタンスであろうとそういうことをうかがわせるそういうコラムがあったんですが、これは7月15日付の産経新聞に、産経新聞は「新聞に喝!」というコラムがあるんですがね、
そこに私もよく知らない方なんですが、簑原俊洋という、これは神戸大学の大学院の教授らしいんですけど、その方が書いておられるんですけど、それは一言で言えば、もっと日本はロシアの脅威に注意を向けるべきだということなんですね、日本は保守系の人は中国は批判するけれどもロシアを批判しないといって批判してるわけですね、その日本の態度をね。
ロシアと中国を同列に置いて、ロシアに対しても、ロシアの脅威をもっと認識すべきだということをおっしゃってるんですが、彼が根拠にしているのが、今申し上げたようなクリミア半島の、侵略併合とかなってるんですけど、それになるわけなんですね。