日本が悪かったと信じさせられてきた歴史観
そういうことを少しお話しまして、歴史修正主義というものについてこれから、毎回少しずつ考えていきたいなと思っています。
それは何故かと申しますと、最近まあ私は新聞広告とかあるいは書評欄で見るんですが、歴史の見直しといいますかね、いろいろ著名な方も書いておられるんですが、特に第二次世界大戦がなぜ起こったかということについて、いろんな説が出ております、最近。
これはひとまとめにして歴史修正主義というふうにいわれているんですが、今までの正統派歴史っていうのはまあ我々が学校の教科書で習った歴史観なんですけどね。
そうじゃない歴史ですね、今まで我々が学校で習った歴史っていうのは、日本が悪かったということですから、日米戦争について見ればね、日本が。
あるいは支那事変については日本が侵略したんだと、こういう歴史観ですね。
満州事変は日本の侵略の始まりだと、こういうね、歴史観、これが正統派歴史観というものですね。
今そうじゃないんだということが、まあ以前にもありましたけれども最近は、非常に多くの方がそういう正統派歴史観が誤りであるということを主張されるようになりました。
それ自身、世界の構造が変わってきたということだと思いますけれども。
歴史修正主義のパターン:コミンテルンの陰謀論説
ところがこの歴史修正主義もよく吟味してみないとむしろ本当の歴史と言いますかね、が見えなくなってしまう危険があるということで、今日はまあ時間の制約もありますので簡単に、3つぐらいの歴史修正主義のパターンというものをお話しして、次回以降それを詳しくお話することでしたいと思います。
最近よく言われていますのは、第二次世界大戦、あるいは日米戦争も含めて、それらは全てって言いますかね、事実上すべてコミンテルンの陰謀だという説ですね。
コミンテルン謀略説というのは最近、広く言われるようになりまして、その種の本もたくさん出てますね。
スターリン、すべての元凶はスターリンであるとこういう歴史観になるわけですけど、まあ名前はちょっと差し控えますが、しかしこの歴史観というのは、まあはっきり言えば50%も、なんて言いますか、正しくは見ることができないということですね。
画像出典:スプートニク
50%っていうのはまあ非常に甘い点数ですけど、50点しかつけられないと、いや50点も付けられない、本当は50点も付けられないんです、あの、0点といっては悪いんですけどね。
それはなぜかというと、スターリンなりコミンテルン元凶説、謀略説というのは、本当の謀略を図った人ですね、そのスターリンなりコミンテルンの背後にいた人を隠すことになる。
ですからこれはそういう意味では、本当の歴史を知ろう、歴史を極めようとする上では、むしろ障害になる危険があるんですね。
もちろんこの、コミンテルン謀略説とかスターリン謀略説を書かれた方は、真面目に書かれたんだと思いますし、なんて言いますか、意欲は私は大いに買うんですが、しかしここで止まっていたんではだめなんですね。
駄目だっていうか、ここで止まってたんでは、また違ったフェイクヒストリーになってしまう、ゆがんだ歴史になってしまう危険があるわけです。
なぜかと言いますと、そうしますと、すべてはスターリンが悪かった、すべてはコミンテルンが悪かった、で終わってしまう。
そうすると、本当に第二次世界大戦は誰がどういう意図で引き起こしたかっていうことがわからなくなってしまうんですね。
ですからこのコミンテルン説というのは、私、半分と言いましたが、10%くらいしか評価できないというふうに、まあちょっと厳しい見方ですが言わざるを得ないと思います。
コミンテルンの背後にいた黒幕の存在
なぜそうなのかということは少しずつこれからお話しいたしますが、その結論を言えば、本当の黒幕ですね、つまりコミンテルンとかスターリンの背後にいた人たちを隠すための煙幕なんです、これはね。
だから書いた人がそれを意図して書いたと私は思いたくありませんし、もし本当にそう書いてて、そういう意図を隠して書いたとしたらこれは工作員ですからね。
お書きになってる方はそれなりに有名な方が書いておられますけれども、私はそういう工作員のような方ではないと信じておりますが、問題はここで止まってはいけないということですね。
むしろ害があるということを、まあ今日はそこまでにしておきますが、強調しておきたいと思いますね。
つまり私が言いたいのは、コミンテルンあるいはスターリンの背後に誰がいたのかと、その人たちが本当に、実はロシア革命以降の世界を動かしてきたということですね。
これは私の一貫した立場なんですが、それにライトを当てないと、歴史を修正したことにはならないということですね。
これを、今日の段階ではこれを強調しておきます。
歴史修正主義のパターン:ルーズベルトとチャーチルが大馬鹿説
それからもう一つのパターンとしてあるのは、ルーズベルトとチャーチル、まあこれが表に出た第二次世界大戦の指導者ということになってますが、その人たちが大馬鹿だったということですね。
画像出典:産経ニュース
これはちょっといかがなものかと思うんですが、私のよく知ってる人がそういうことを書いてるんで、あまりこう批判はしたくないんですけども、ルーズベルトとチャーチルが本当に大馬鹿な、馬鹿なことをやったから、歴史家はそれを隠さざるを得ないんだと、その馬鹿さ加減をですね、という説なんですが、簡単に言えば。
しかしなんでそんな、そもそももしそれが正しいとすれば、なんでそんな馬鹿な指導者をそのままにしてしておいたのかということですね。
ルーズベルトは4選までしてすぐ亡くなりましたが、要するに12年間アメリカの大統領やってた人ですよ。
それが最初から12年間馬鹿な大統領だったら、どうして周りが黙っていたのかなという疑問は、常識的に生じてきますね。
そういうこのルーズベルト大馬鹿説というのは、チャーチルも含めて大馬鹿説というのは、そういう意味では全然、正当性が得られない歴史観ですね、残念ながら。
これが2つ目のパターンじゃないかと思います。
この場合も、もう皆さんお気づきですけれども、ルーズベルトとチャーチルが実際、調べてみますと、馬鹿な政策を取っているわけですね。
しかし問題は、誰が二人の背後にいたかっていうことなんです。
これがわからないとただ、たまたまその時にアメリカとイギリスの指導者が馬鹿だったっていうね、本来は起こりえないことが歴史としてまかり通ってしまう危険があるわけですね。
そうではないわけです。
ルーズベルトとチャーチルを裏で操る黒幕の存在
ルーズベルトもチャーチルも操られていたんですね、そういうことを我々は理解しなければならない。
ですからそれは、最初に申し上げましたコミンテルン、スターリン元凶説と根は同じなんです。
両方とも、その背後にいた勢力を隠すための史観になってしまう、歴史観になってしまう。
そういう史観といいますかね、本当の黒幕、世界を動かしてきた人を隠してしまうことになってしまうわけなんですね。