メディアが捻じ曲げる米朝声明の正体
だから今度ね、百歩譲ってね、じゃあ今度の6月12日の米朝声明を見てみたらわかるんじゃないですか、そこにはなんと書いてあるか。
日本のメディアは、トランプが金正恩の体制を保証したと騒いでますけどね、保証してないんです。
あの共同声明をよく読むと、トランプが言ったことは北朝鮮の安全を保証するって言ったんですよ、それは北朝鮮に侵攻しないということです。要するに戦争しないと。
それは北朝鮮が非核化をやる限りは戦争しないということを言ったんであって、金正恩体制を保証しますとは一言も言ってない。
ところが世界のメディアは皆、トランプが金正恩の体制を保証したといってるんですよ、おかしなことですね、これが洗脳なんです。
だから金正恩が一番欲しかった体制の保証は得られなかった。
しかもトランプは経済制裁を解除しないと言ってるんです、非核化するまで、それも得られなかった。
金正恩は、言葉の中身はともかくとして、朝鮮半島の非核化ということを2回にわたって約束させられてるんですね。
だからこの、米朝の共同声明を読むだけでもね、トランプの意見といいますかね、意見というよりもトランプの主導で書かれたと、そういう結果になったとわかるわけですね。
金正恩のメンツも立ててあげたトランプ大統領
これは北朝鮮って言いますか朝鮮半島情勢に詳しい人が正しく言っておられますけどね、金正恩のメンツを立てたと。
つまりいわゆるCVIDってありますね、完全、それからベリファイアブルですから検証、完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄ですね。
それをあれに変えてしまうと金正恩もやっぱり立場が危うい、つまり軍部のクーデターなり起こる危険があるということを指摘されておりましたけれども、たぶんそういうこともあるんだろうと思います。
それから、文章に書いてきても北朝鮮は全部今までは裏切ってきましたからね。
文章を作っても、文章そのものにそんなに意味があるとは思えないんですが、それよりも実質の問題として、トランプはもう軍事的な圧力というものを緩めてないわけですね。
米韓なんとかはやめると言っても、もし金正恩が、非核化はやっぱりいろいろ問題がありまして、なんて言ったらすぐに私は、トランプ大統領は軍事攻撃をするか、キューバ危機のように北朝鮮を海上封鎖するか、そういう行動に出ると思いますね。
トランプ大統領に無力化された金正恩
それはわかってるから金正恩も何もできないんです。
だから金正恩は今まで金正恩を支えてきた、いわゆるアメリカのウォール街っていいますかね、金融資本家に頼れないから、しいて頼るとすれば中共しかないんですね。
だから習近平に3回も会いに行ってるわけですよね。
こういう分析はなかなか日本のメディアでは、アメリカのメディアはもちろんですけど、聞かれないんですね。
アメリカのメディアはトランプの失敗、失敗だって言ってますからね、日本のメディアもそれにならってトランプの失敗だ失敗だって言ってるわけです。
残念ながら、いわゆる保守系の方の中にもトランプの失敗だと仰る方も居られますがね。
ぜひ皆さん安心してください、そういうことはあり得ません。
トランプがやろうとしていくとはもっと大きなことなんです。
戦後の東西冷戦体制、まだ壊れていない東西冷戦体制を壊すということですね。
ということは、戦後のグローバリズムで世界を統一しようという、そういう動きを止めるということなんです。
実はそれだけの大きなことをトランプ大統領は考えてるんですけどね。
残念ながらメディアは、アメリカのメディアはもちろんですが、みんなグローバリストですからね、もちろんトランプに反対してますから、そんなことは書かないんですけど、日本のメディアはそういう発想すらない。
アメリカのメディアが言っていることを右から左に流しているということになるわけなんですね。
私はでも、日本のメディアの方の中にもしっかりした人っていいますかね、そういうことに気づいてる、なんとなく気づいている。
今のメディアがあり方がおかしいと思っている方もいらっしゃると思いますので、これからそういう方にも、少し届くようになればいいなと思って、今日のお話を終わりたいと思います。
最後に、今申し上げたような趣旨で、今週末ですかね、発売になります「WILL」の私のコラムの地球見聞録に書いておりますので、ご関心の方はどうぞその部分だけ立ち読みでもしてください。
個人であれ集団であれ生存競争がある限り謀略は存在する。謀略は密なるをもって良しとするから必然的に陰謀となる。にも拘らず国家・民族間の角逐に陰謀の存在を認めようとしない識者が多い。それは彼ら自身が邪悪な陰謀を企んでいるか加担しているからに相違ない。
彼等の常套手段は、彼らのたくらみに言及する者に『陰謀論者』というレッテルを張って論壇の主流から追放することである。そのため論壇でも政治の場でも架空の議論しか聞くことができない。
そうした中にあって地位も名声も確立された馬淵氏が、陰謀勢力の猛反撃のリスクを顧みずその存在を堂々と指摘されている姿勢には敬服する。欲を言えばもう一歩踏み込んで
具体的な敵を想定したシミュレーションを語っていただきたいところである。