NATOとロシアを戦争させる工作を見抜いているトランプ大統領
これをなぜお話ししたかというと、トランプ大統領はおそらくそういう経緯を知って、それでモンテネグロの例を出したんだろうというふうに私は解釈しているわけですね。
つまりある国が、結局はNATOが対峙しているロシアになるんですけれども、ロシアを挑発すると、そういう行動に出ればどうやって、もしロシアがそれに反発するという事態が起これば、NATOは自動的にロシアとの戦争に巻き込まれるということですね。
先ほど申し上げます、そういう危険があるということをトランプは、実はこのモンテネグロの例を出して発信したんだというふうに解釈できるわけなんです。
実際その危険はあるわけですね。
モンテネグロでなくても、トルコもエルドアン大統領はプーチン大統領と、なんていいますか、友好関係にあったとはいえ、そういう反エルドアン分子が工作することは可能なわけですね。
そうすると、どうしてもロシアとNATOを戦わせたいという勢力があるとしますとね、私はあるというふうに前から言っておりますが、そういう挑発を行うと、一応そういう工作を行うことによって、NATOとロシアとの全面対決に引きずり込むことが可能になるわけなんです。
トランプ大統領「南北戦争の原因は奴隷制度ではなかった」
実はトランプ大統領がずっと、例えば以前に別の番組で申し上げたこともあるかも知れませんが、南北戦争の原因は奴隷制度ではなかったというようなことを言って、またこれは物議を醸したんですが、なぜトランプはそういうことを言っているのかということですね。
トランプさんが言ってる、それは言葉は非常にまあわかりやすいというか、分かりやすい言葉で言っておられるので誤解を招きやすいというのもあるんですが、彼はそういう歴史、隠された歴史を今明らかにしようとしている、ということだという気がしてならないんですね。
奴隷制云々の話はまたお話する機会がありますが、彼がなぜNATOに不満を持っているかというその最大の理由がそういう、先ほど申し上げたような、トルコの例で申し上げたようなことが、NATOのどの加盟国でも起こる可能性があるんですね。
トランプ大統領が必死で食い止めるロシアとの全面対決
そうすると、アメリカが自分の意図、意図に反してロシアとの全面対決に引きずり込まれるという、そういう危険があるわけです。
そういう意味で、もともとトランプ大統領は、これは経済の分野が特徴的なんですが、そういうマルチと言いますが専門分野では、多角的な経済体制、経済影響力体制というものに疑問を持っているわけですね。
いずれまた米中戦争、米中貿易戦争ですが、お話しする機会があると思いますけども、そうじゃなくてバイで、つまり二国間でいろんな交渉ごとをやろうじゃないかっていうのが一貫したトランプ大統領の姿勢ですけれども、
実はこの安全保障面、トランプ大統領の哲学っていいますか、基本哲学があらわれていると、そういうことをモンテネグロ問題ということが象徴的に、モンテネグロの問題にひっかけて、NATOの危険性というものについて、私は、トランプは警告を発したのではないかというふうに思っております。
ですから、これは単にドイツならドイツが、まあやり玉に挙がってたわけですがね、ドイツの軍事支出が、ドイツ自身の国防支出が少ないという、そういう単純な話ではないんですね。
トランプ大統領は、NATOそのものの存在意義はもうないと、はっきり言えばね、むしろそれはアメリカを危険にすると、危険にさらすということまで考えておられるというふうに、私は直感的にね、そういうことを感じました。
今、直感的と申し上げましたが、それは私自身の世界観の裏付けにもなっていることなんですが、これについては次回に詳しくお話ししてみたいと思います。
このトランプ対NATO観、あるいはロシア観というものは裏で連動しているわけですね。
7月16日の米ロ会談、あるいはそれに伴う問題についてお話ししたいと思いますけれども、その前提としてトランプ大統領自身が、集団的な安全保障体制、つまりNATOに象徴されるような集団的な安全保障体制そのものに対して非常に疑問を持っている。
それをなんとか、まあそういう意味ではいずれ解消すると、そういう方向に持っていきたいんだと、そういう哲学の持ち主であるということを理解していただければと思います。