G20でのプーチンとエルドアンの緊密な会談
その時にエルドアン大統領は一応、今申し上げたような公式の立場からロシアを非難した。
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プーチン大統領も、その、トルコのやりすぎだということを、まあ言ったわけですね。
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ところが、私が注目したのはなぜ、そのほんの1週間前に、実はトルコにおいて、いわゆるG20の首脳会談が行われていたんですね。
その首脳会談の場で、プーチン大統領とエルドアン大統領が緊密に会談していたわけですね。
それでトルコとロシアの協力関係をさらに強化するということで、まあ両首脳は一致していたわけですけれども、そういう会談があってすぐあとに、そういうことを、その撃墜事件っていうのは起こったわけです。
どうもその論理的なつじつまが合わなかったわけですね。
エルドアンは一応そのトルコ軍機の撃墜を正当化はしてましたけれども、どうもテレビで見る限り、私はその、トルコ語はわかりませんが、彼の表情を見ている限りどうもしどろもどろの感じだったという印象を持ちました。
プーチン大統領の方は、すぐにトルコに対して軍事的な締め付けといいますか、軍事的な圧力をかけるのではなくて、非常に穏やかな対抗措置を取ったにすぎなかったんですね。
観光客を、ロシア人のトルコ観光を抑えるとかね、一部のトルコ製品の輸入を停止するとか、まあその程度の穏やかな対応しか取らなかったということなんだ。
だからそれを見てますと、私はこのトルコ軍機、トルコによるロシア軍機撃墜事件の裏には何かあるんじゃないかという気がしてならなかったわけですね。
トルコ軍部が起こした反エルドアンクーデター
で翌2016年になりますが、7月15日、これも私も明確にその日を覚えているんですが、その時にその実態が明らかになったわけですね。
それはどういうことが起こったかと言いますと、もう忘れている方が多いんですがトルコ軍部がクーデターを起こしたわけです。
反エルドアンのクーデターを起こしました。
ところがまあ未遂に終わったわけですね、エルドアン大統領がクーデターを鎮圧したと。
で、クーデターに参加したそのトルコ軍の兵士の中、要するに反エルドアンの兵士の中に、ロシア軍機を撃墜した空軍の兵士が含まれてたんですね。
これで皆さんお分かりになったと思いますが、あのロシア軍機撃墜事件っていうのは、実は反エルドアン工作、反エルドアン工作ということは同時に反プーチン工作だったんです。
そういうことがその6カ月後に明確に、7カ月後になりますかね、明確にわかったわけですね。
胡散臭さを察知したKGB出身のプーチン大統領
それで逆算してみますと、そのときなぜプーチン大統領がわりと自制したのかと、比較的冷静に対応したかっていう理由もわかってくるわけです。
おそらく私の、ここから先は私の想像ですが、やはりKGB出身のプーチン大統領ですから、そういう何か胡散臭いものを感じてたと、あの事件にはね、そういうことであったんだろうと思います。
エルドアンの謝罪とイスタンブール空港での大テロ事件の関係性
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実際、エルドアン大統領も当初は正当化しておりましたけれども、翌年ですね、クーデター騒ぎの直前に、謝罪の書簡をプーチン大統領に送っているんですね。
ということは、トルコのやったことが間違いだったということを認めたわけなんですが、ところがその謝罪の書簡を送ったということが公になったその翌日に何が起こったか、これもみなさん今は忘れてるんですが、トルコのイスタンブール空港で大テロが、事件が起こって、40名くらいだったと思いますが亡くなるという大惨事が起こったわけですね。
ということは我々が普通の、常識で考えればそれはエルドアン大統領の謝罪書簡に対する報復であったというふうに考えられるわけなんですね。
それを完全に裏付けたのが7月15日のクーデター未遂騒ぎであったわけなんです。