馬渕睦夫 親日日本人が考えるトランプ大統領の真の狙い!NATOを使ったロシア潰し!ロシア機撃墜事件の真相!

トランプ大統領はなぜNATOに不信感を持っているのか?

それでNATOの首脳会談の時に、その前後ですね、世界のメディアっていうかアメリカのメディア、ヨーロッパのメディア、日本のメディアも同じだったんですけれども、一様にトランプ大統領がNATOに不信感を持っている、あるいは不満を持っている、というトーンの報道が一斉に行われたわけですね。

それはその意味で、ある意味で正しいんですが、なぜトランプ大統領がNATOに不信感を持っているかということについて分析したり、説明したりする報道はまずなかったというふうに私は記憶しております。

とにかくトランプはNATOを気に入っていないとか、ドイツをいじめているとかですね、NATOの団結を崩しているとか、そういう視点から報道しますと、いかにもトランプがアメリカとNATOとの関係というものを非常に軽視しているというふうに、そういう印象操作っていいますかね、そういう印象を受けてしまいがちになるんですね。

これは裏返せばトランプはロシアに甘いとこういうことになるわけですね。

だいたいそれでほとんどの報道、既存のメディアの報道っていうのは一致してたように感じます。

しかし現実にトランプ大統領が何を、NATOなりロシアに対してどういう姿勢で臨んでいるかということを十分分析しないと、メディアの報道に引きずられてしまう、そういう危険があるわけですね。

そこで、トランプ大統領はまず、なぜNATOに不満なのかということを我々は少し深めて理解する必要があると私は思っております。

言うまでもなく東西冷戦の時はNATO、つまり西側のNATOですね、アメリカとヨーロッパ、西ヨーロッパ、それから東側のワルシャワ条約機構と言いましたが、ソ連と東欧諸国ですね、当時のソ連の衛星国と言われていたわけですが、東欧の共産主義国ですね、それからなっているワルシャワ条約機構とが正面から対峙してたわけですね。

それが東西冷戦の、軍事的な側面だったわけですが、ところがその東西冷戦が、というか終わるっていうか、ソ連邦が崩壊するのに伴って、ワルシャワ機構も解体されたわけですね。

そうすると、ソ連なりワルシャワ条約機構に対抗する存在だった、それが目的であったNATOというものの存在価値は、実はなくなったわけですね。

それでNATOはなくなるのかと思いましたらそうはならなかったんです。

むしろNATOは東方拡大と言っておりますけれども、旧ソ連の衛星国、東欧諸国をメンバーにし、ソ連の構成共和国のバルトの諸国の一部まで、NATOのメンバーにしてしまったんですね。

これをNATOの東方拡大と言いますが、実はこの東方拡大、NATOの政策自体が、当初のソ連、そのあとのロシアとのいわゆる約束って言いますか、了解違反であったわけなんですね。

私の承知するところでは、統一ドイツをNATOのメンバーとして認めるに当たって、当時はまだソ連でしたけれども、NATOは東方には拡大しないということが条件であったわけなんですね。

だから、そういうことで統一ドイツのNATO入りというものを当時のゴルバチョフは認めたわけなんですが、しかし実際には、統一ドイツがNATOのメンバーになってから、NATOはむしろ東方に拡大を続けたというのが、ことの背景にあるわけなんです。

画像出典:世界雑学ノート

そういうふうに説明しますと、それらに聞きますと、じゃあそれはアメリカに有利なことではないかと、だからなぜトランプがそういうアメリカに有利なNATOの現状に不満を持つのかということですね。

これは皆さんがお持ちになる当然の疑問だろうというふうに思います。

報道は、むしろそのトランプが、NATO諸国が本来やるべき軍事的な義務を果たしていないと、つまり軍事費を、GDPの2%と言われておりますけれども、それに増やすというのは NATO加盟国の義務であるのにそれをやってないということを批判している、というところに焦点が当たっておりました。

それはそれで間違いではないんですが、それがトランプのNATO不満の原因といいますかね、では実はないわけなんですね。

ところがメディアはそういうことは報じないわけです。

メディアが報じないトランプ大統領の真意

トランプがなぜNATOに不満って言いますか、疑問を持っているかと言うと、このNATOという集団、安全保障体制そのものにトランプは疑問を持ってるわけなんですね。

それはどういうことかと言いますと、集団安全保障というのはNATOの条約を読むとよくわかるんですが、NATO、今20何カ国ですか、メンバーの一国が攻撃されれば、それは全加盟国に対する攻撃と見なして、その全加盟国がその攻撃された国を守ると、こういうことになってるんですよね、簡単に言いますとね。

それのどこが問題なのかということを実はトランプは指摘しているわけなんですが、メディアはそれを正しくは伝えてないんですね。

メディアの報道では、モンテネグロという国をトランプ大統領は例にあげて、彼の抱いている危惧というものを表明したわけなんですが、その真意は残念ながら既存のメディアには伝わっていないということなんですね。

それはトランプの真意を既存のメディアがあえて理解しようとしなかったのか、あるいはもともと理解する気がなかったのか、その辺もよくわかりませんが。

NATOが持つ集団安全保障体制の危険性

モンテネグロっていう、これは小さな国ですね、アドリア海に面しているアルバニアっていう小さな国の北にある国ですが、そのモンテネグロもNATOのメンバーなんですね。

そうすると、もしモンテネグロがどこかに攻撃されたというと、まあ普通に考えればロシアじゃないかということが想定されるんですが、そういう、あるいはロシアと問題を起こしたら、その時には全加盟国がロシアに対する、対抗すると、こういうことになるわけですね。

それが実は危険だということを、トランプはモンテネグロそのものが危険だと言ってるんじゃなくて、モンテネグロという例を引いて、おそらくNATO中では一番小さな加盟国だと思いますが、その例を引いて、そういう集団安全保障体制が持つ危険というものに警鐘を鳴らしたというふうに理解すべきだと思うんですね。

どういうことかというと、つい2年半前にそのような危険があったわけなんです。

トルコ軍機によるロシア軍機撃墜事件の不可解さ

そういうことは今みんな忘れているわけですが、2015年ですね、15年の11月24日なんです、私はその日ははっきりと覚えているんですが、2015年の11月24日に何が起こったかと言いますと、トルコ軍機が、領空侵犯をしたとしてシリアで作戦を展開していたロシア軍機を撃墜したという事件がありました。

それが2015年の11月24日なんですね。

その時のトルコの表向きの理由というのは、ロシア軍機がトルコの領空を侵犯したということなんですが、よくよく調べてみますと、領空というのは確かに侵犯したといえば侵犯したと言えるんですが、

トルコからシリアに領土が食い込んでるわけですね、確か10キロかそれぐらいの幅しかないところですが、そこを、シリアで反IS軍事行動を展開中のロシア軍機が横切ったと、何度も横切ったというわけですね。

それはおそらく、シリアで展開してるうちにあっという間に、それこそ1秒もない、数秒の間にこう横切ってしまったということだったと思いますが、それをもって撃墜の理由にしているわけですね。

しかし通常考えれば、それだけの理由で撃墜までしなきゃならないかという事は、やはりちょっと疑問に思えたわけなんですね。

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