金の為なら嘘も平気になった学者の質の低下
私でもですね、私の分野の学者、もうこれも全然ダメになりました。
1990年代のはじめにですね、役に立つ研究というのが出て来まして、役に立つ研究かどうかを審査して、役に立つ研究なら金が出るというのになりました。
その結果、役に立つ研究というのは、誰から見て役に立つかという事ですからね。
学者がやる研究なんていうものは、役に立つかどうか分からないんですよ。
分からないから学問なんで。
役に立つ研究というのは、国の意志に沿ったものとか、そういうやつなんですね。
特に私なんかは、環境問題と研究というのはそれほどやっていたわけではないのですが、それでも、環境問題でもリサイクルを推進するとか、温暖化を防止するとか、国の施策に沿った研究を私がやればですね、すぐ1億、2億はお金を研究者は取れるんです。
だけど私は、政府とは考え方が違うので、そういう研究をやらないわけですね。
ある時に私に、言ってくれた人がいるんですよ。
私を支持してくれた人なんですけどね、偉い人が、「武田先生、温暖化防止研究って名前で申請したら、私が金を付けます」と言ってくれた人すらいるんですよ。
だけど私は、一回そういう嘘をつくと、もう学者はいくらでも嘘をつけますからね。
だから、やんわりお断りをしました。
そのかわり、大変な苦労をしてお金を集めましたけれども。
だから、学者も今はもうダメなんですよ。
本当は政府が統計を取るのでは無くて、学者とか、それから新聞記者が統計を取ればいいんですけど、今は学者も新聞記者も、政府の言う通りにやらないとダメなんですね。
記者クラブがあり。
記者クラブというのは、政府みたいなものですからね。
学者も役立つことを言わなければならない。
記者も学者も総崩れでやりたい放題の日本政府
だから、こういう社会システムをひっくり返すためにはどうしたらいいかというと、本当は報道がなければいけない。
でも、報道自身がダメなんで。
学者もダメなんで。
私は一回、超有名私立大学の博士論文、ドクター論文ですね。
それの審査を依頼されました。
論文を送ってきて私が見たら、その論文のデータの出所が、殆ど官報なんですよ。
政府統計なんです。
だから、私はですね、やんわりとその先生に、ちょっと申し訳ないけれども、この論文は政府統計を元に色々と計算をしたりしているから、私はちょっとこの論文は審査できません。
なぜならば、政府統計が正しいかどうかという事を、私が全部調べる事は出来ないから。
間違った論文、もしからしたら間違った論文を世の中に出してしまうからと言いまして、断りましたね。
つまり今は、総崩れなんですよ。
なんで総崩れたかと言ったら、直接的には、先生とか記者がいけないんですけど、官僚が全部金を握っているというのがいけないんですね。
だけれども、なぜそうなったかは、やっぱり国民がそうさせたんでしょうね。
日本国民の厳しさというのが、権力に対する厳しさというのが無いと。
今度みたいに、政府統計のいい加減さが出てもですね、それは政府の中の人間が少ないんだなんて、統計に関する人間が少ないんだなんていう。
まぁ、焼け太り側に国民が立つという事が、問題だと思います。