米国「2位じゃだめなんでしょうか?」
だから、3番目のオプションの、アメリカはナンバー2であることに甘んじるというシナリオね、これも嫌だと。
それと、もう一度繰り返しますと、中国と戦争したくないと、ダメージが大きすぎるし、リスクが大きすぎると。
2番目は、チャイナコンティメント、封じ込め政策だけど、これもできるかどうかまだわからないと。
どこまで本気かわからないですけど、封じ込め政策をやり続けるとしても、あと3、4年しないと結果は出ないですよ。
そんな簡単に中国が降りてくるわけないですから。
だから、封じ込め政策を、強硬な封じ込め政策を続けたとしても、その勝ち負けがはっきりするのは多分、2023年か2024年になってはじめてはっきりするわけで、これもマイク・モレルは無理だろうと。
3つ目のアメリカがナンバー2になるのもいやと。
米中覇権戦争の落としどころ
そうするとマイク・モレルが言うには、4番目の、取引のオプションっていうのがあると、英語でいうと、Let’s make a dealと。
ディールね、make a dealって要するに、オーケー取引しよう、と。
彼が考えているのは、今から5年後か10年後か15年後がわかんないけど、アメリカが、どこかで大政争に巻き込まれたり、もしくは国際金融危機に面したりして、米中の首脳がサミットね、米中で直接、今後の国際政治をどうするかということを、取り決めをしなきゃいけない事態が来るだろうと。
そうするとどうなるかというと第二のヤルタ会談になるわけ。
最初のヤルタ会談っていうのはご存じのように、スターリンとフランクリン・ルーズベルトが真正面から向き合って、それでチャーチルはフランクリン・ルーズベルトの横でチョロチョロチョロチョロして、発言権はほとんどなかったんですけれども、
それで、要するに、ソ連とアメリカが勢力圏を、筋を引いて、ここからこっちはお前にやるから、こっちは俺によこせと、世界地図を見て勢力圏に筋やって、これが俺の勢力圏でこっちはあんたの勢力圏と。
その時に、アメリカの大統領は、こっちは僕の勢力圏だけど、この勢力圏はあんたにあげてもいいと。
米国と中国で2分される世界
そうするとアメリカはどうするかというと、今アメリカは少なくと名目的には、ヨーロッパと中東と東アジアを支配してて、3つともアメリカの勢力圏っていうことになってますけど、今から5年、10年、15年経つとどうなるか分からないと。
しかも、もし最悪の場合、アメリカが中東かヨーロッパで大戦争に巻き込まれると。
その時に米中サミットをやろうという事態になったら、中国としては当然、東シナ海と南シナ海はシナ海っていうくらいだからチャイニーズシーであると。
でね、あんたたち出ていきなさいと。
あんたたち、出ていくと約束すれば私たちは中東には手を出しませんよと、アフリカにも手を出しませんと、中南米にも手を出しませんと、もちろんヨーロッパのことにも手を出しませんと。
だからもしあんたたちが南シナ海と東シナ海が中国の勢力圏だということを認めれば、中国はあなたたちの国債も買ってあげるし、財務省証券も、債権も買ってあげるし、それから、中東とかアフリカとかヨーロッパ、ロシア関係でアメリカにトラブルを起こすようなこともしませんと。
そうすると、今から5年後か10年後、アメリカの総体的な立場が、少なくとも経済規模でいえば、総体的に実質経済規模でいえば中国のほうが大きくなっていますから、その時に中国が、東シナ海と南シナ海は我々に寄越しなさいといった場合には、5年後か10年後のアメリカ大統領が誰かわからないけど、多分イエスというと思うんですね。
そういう取引の、だから4つ目が取引、Let’s make a dealのシナリオで、マイク・モレルは、この4つ目のシナリオが一番あり得ると。
僕もそう思うわけです。
米中が描く日本を完全に無力化するシナリオ
その4つ目のシナリオが現実になった場合、日本がアメリカから買わされているミサイル防衛システムとかイージス艦とか、それから、ものすごく高いF35とかいうのは、アメリカ政府が中国とそういう取引をしたと、東シナ海と東アジアは中国の勢力圏になってしまうと決められた場合、
日本の自衛隊がアメリカから買わされている武器っていうのは全部アメリカが機能させないと決めた途端に機能しなくなりますから、もしアメリカがそういう取引をやって、日本がそんなのは承服できないと、で、我々は自衛隊で自分の国を、独立を守るといった場合も、ホワイトハウスが、もうあんたたちの武器はもう機能しないように仕組まれてますよと。
F35も飛ばなくなるし、ものすごく高価なミサイルディフェンスシステムも機能しなくなると。
そうすると日本はどうなるかというと、アメリカと中国が何を決めても日本は泣き寝入りするしかないということになるわけですね。
そうすると僕と、僕もマイク・モレルに賛成して、4番目のLet’s make a dealと、取引のシナリオが一番ありうると思うんですけれども、その時に日本政府というのは完全に無力ですね。
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