そもそも規制って何なのか?
種子法の廃止は規制緩和だけど、規制っていうのはこういうことです。
その産業、例えば種の生産なら種の生産でいいんですが、政府による規制の壁っていうのがある、わかりやすくいうと、わかりにくくなるかな、参入障壁っていいます。
要は、新規参入組が入れないんです、入れないようにしているんです。
なぜかというと、民間企業が入ってきました、こういうのわかりやすいですね。
例えば日本中の農地が民間の株式会社の持ち物になりました、ローソンならローソンでいいですよ、ローソンファームって実際に新潟でやってますからね、実際に彼らは。
日本中の農地がローソンになっちゃったと。
とりあえず生産してみたんだけど全然割に合わねえと、儲からねえじゃないか、はいどうします?
撤退しちゃうんですよ、民間企業ってのは。
公共サービスで撤退は許されませんよ。
なぜなら絶対に人々が必要としているものなんだから。
とはいえ、グローバリズムの理論だと、いやいやいやと。
既得権益の壁に阻まれて生産性が低いじゃないかと、中の連中はと。
こんなものは潰してしまって、新規参入を増やして市場競争でやったほうがいいんだという理屈になっているんだけど、それは単にお前がここでビジネスしたいからだろと。
これにだまされないでください。
日本国民を騙し金儲けを企む売国奴の手口
だいたい、使い古されたレトリック、使い古されたりトリック、例えば、既得権益、あるいは、非効率な官、公営とかですね、そういうレトリックを使うのは、単に自分のビジネスを拡大したいだけですからね。
普通に、新規参入組が、農協を解体しようとして、俺のビジネス拡大のために農協を解体してくれよと皆さんに言ったら、絶対反発するよね、何言ってるんだお前はと。
だからそういうことは言わない。
農協は既得権益だから、あれを潰すことでみんなハッピーになるんだ、っていう言い方をしてくるわけです。
で、この壁を引き下げましょうというのが規制緩和なんだけど、壁が作られたのにはちゃんと理由があるわけですよ。
例えば安全保障、食料安全保障とかね、防災安全保障、防衛安全保障を維持するために政府が関与して守ってるんですよと。
あるいは環境維持あるいは商品の安全確保、農産物なんかそうですね。
自由に輸入とか流通させちゃったら、どんな農産物が売られるかわかんないから、だから政府が安全のために規制しているんですよ。
さらには業界の維持発展、品質の確保なんてのもありますけど、これを下げろ、壁を下げろ、壁を下げると、新規参入組が入ってきて、自分のビジネスになる。
で、利益拡大っていうのができるよということなんです。
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でもそういうことは言えないから、お題目としては、こう言われています。
規制緩和で参入障壁が下がって、新規参入が可能になると、競争激化により価格が下落する、これはするんじゃないですか。
確かに価格は下落すると思うよ。
TPPで、まあオーストラリアがいますけど、オーストラリア産の牛肉がガンガン日本に入ってきたら、牛肉の価格は下がると思いますよ。
下がると思うんだけど、日本の牛肉を生産するという意味の食料安全保障は、まず維持不可能になっちゃいます、勝てっこないから。
あるいは、弱い企業から淘汰され、業界の新陳代謝が進む、そういう意味では、今の話だとオーストラリアの強い畜産業が勝ち残って、日本の弱い畜産業は潰れていくでしょうね。
それでいいんですか。
ある日突然オーストラリアが、天候不順かなにかの理由で牛肉を輸出できなくなったら、もう我々は牛肉を食べられませんね。
だってば国内の畜産業は全部つぶれてるんでしょ、そのときは。
あるいは、最後ね、各社が生き残りをかけて努力し、品質向上が見込まれる。
見込まれません。
残念なことに日本語は非常に優れた言語でございまして、ことわざがあるんですよ、貧すれば鈍するって。
だから今のデフレ状況で、規制緩和です、競争激化です、価格の引き下げです、ってやっていたら、普通に品質も劣化するんですよ、そういうことですね。
これは、日本国民の経世済民のためですかといったら絶対そんなことないんだけど、でも新規参入組のビジネスになる、だから進められているだけなんです。
要は、ここの政治力とここの政治力がぶつかって、右側の人たちが強いっていうのが、これが今の日本の状況なんでございます。
日本の食糧安全を保障する方法
農業だけじゃないですよ。
さっき、GDPというのは生産の合計であって、需要の合計であって、所得の合計であるといいましたが、これは日本の農林水産業のGDPです。
青いのは農業ですね。
もてもと8兆円ぐらいあった日本の農業の需要、GDPは、あるいは所得でもいいんですよ。
輸入の拡大とか規制緩和とかやって、どんどんどんどん落ちてきまして今5兆円くらいをうろちょろしていますが、今何を言いたいかというと、日本の農業っていうのは非常に需要が拡大していない状況にあるわけですね。
所得も増えていない、要は苦しい状況にあるわけですよ。
だったら、本来、私は、日本政府が無理やり需要を拡大しても、日本の農家を救うべきだと思います。
例えば米の生産、米の価格が下がって、農家が食っていけない、上げて、それで政府が買い取る。
そんなこといったって日本人があまり米を食べなくなってるからじゃないですか。
だから、米を大量に政府が買い取ってどうするんかとよく聞かれるんだけど、ぶっちゃけて言いますけど、太平洋に捨てちゃえばいいんですよ、その米を。
というと農家から強い反発を受けるんだけども、そっちの方がましなの。
政府は何もしないで日本の米農家が潰れていくのよりは、米を政府が買い上げて太平洋に全部捨ててしまう。
日本人の倫理観からしたらこいつなに言ってるんだという視線は感じてますけど、そっちのほうがましなの、食料安全保障を考えたら。
でしょ? だって日本の米の生産能力は維持されるんだから。
それがイヤだったら、外国にあげちゃうとか、なんでもいいですけど。
それが本来の食料安全保障なんですよ。