貨幣とは何かを理解していない橘玲
例えばこれ、ネットで見てたら、これは橘玲さんという作家の方が書かれていたんですけれども、これは別にこの方を批判したいのではなくて、こういうご意見ってのはこれが一般的な意見ですよねということであげてるんですけど、
赤字で書いてありますように、金融緩和に効果がないなら政府債務をさらに拡大して無理やりインフレにしろというマッドサイエンティストのような主張をする学者も出てきましたって。
この主張する学者、私、心当たりがあるんですけど、藤井……じゃなくて、でもマッドサイエンティスト扱いされちゃってるわけですね。
私たちはいまだに、いつ日本国の財政が行き詰まり、国債が暴落するか分からない崖っぷちをおそるおそる歩いているのです、とこういうふうに言われていて、これ、みんなそう思われている。
そうじゃないというと、マッドサイエンティスト扱いと。
で、橘さんも、もう日本の財政赤字が構造的な問題で、普通に考えて、国家が無限に借金することができないんだからと、もしそれが可能ら錬金術になってしまいますでしょう、とこういうわけですね。
そうするとこれは直感に訴えるところがあるわけですね。
それは、錬金術が無理だから、無限には借金できないんだからいつかは、っていう感じになるわけですけど。
このポイントは錬金術って言ってる時点で、この橘さんの貨幣論も多分、商品貨幣論なんでしょうね。
だからやっぱり貨幣は何かっていうのをしっかり押さえておかないと。
無限の借金が出来る条件
無限に借金することはできないっていうんですけど、あの物価の上昇率のことを無視すれば、あるいはデフレである限り、無限に借金ができるんですよ。
できるのをできないと思っているというのは、ここの錬金術発言にあるように、おそらくこの方は、貨幣とは何かを多分理解されていない。
おそらく商品貨幣論を念頭に置いているんだろうなと。
さっきの仮想通貨に期待していた人たちと同じです。
だから商品貨幣論というのはこれや結構やばいんですね。
これは別によくあるご意見なんで、この人が悪いとかそういうふうに批判するつもりはなくて、これが世間の常識ですよねってことなんですけど、このよくあるご意見のせいでみんな不幸になってるっていうのが問題で。
間違った経済理論に苦しめられる日本国民
これは島倉原さんという、こちらの勉強会でも話された方に借りた資料なんですけど、ここにありますように1975年からずっと今日までとっていくと、GDP1990年代半ばバブル崩壊し、1995年あたりからずーっと横ばいになっちゃってますが、この横ばいのグラフと赤点の財政支出の点がもうほぼ一緒ですよね。
一方で緑の点、、マネタリーベースはがんがんがんがん増やしているんですけど、GDPはちっとも動かない、ということです。
一生懸命財政指数を抑制してきたせいで、財政支出を抑制するというのは貨幣の量を抑制するということですので、デフレから脱却できなくて、当然のことならGDPも横ばい。
マネタリーベースをいくら増やしたって、日銀当座預金いくら増やしたって、それ全然関係ないですよ、ということが、もう結果が出ちゃってるわけですね。
でもこれよく見ると、2005年のあたりでもその結果が出てるのに、それから10年続けるって、これどういうことなんですかね。
見てるとだんだん腹が立ってくるんですけども、この、よくあるご意見のせいでこのざまなんですね。
だから、いでよマッドサイエンティストって感じするんですけど。
日本がアメリカや中国に負け続ける理由
よくあるご意見のせいでこれですけども、もう一つ、1997年から2015年の、横軸が財政支出の伸び率、縦軸がGDP成長率ですが、日本は財政支出を伸ばさないようにしてきたのでGDPが伸びないと、でもアメリカも中国もどの国も、財政支出を伸びているところはGDPは伸びてるんですね。
だからまあ、このまま日本が負けてく理由というのはもう明らかで、財政支出を伸ばさないからで、アメリカや中国に負けてる理由をいろいろ探したってしょうがないということです。