債務残高のGDP比国際比較 日本の財政破綻の嘘
もう一つ、ここで財政が関係してきます。
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これは有名な財務省ホームページにも出てましたけど、GDP比の債務残高の国際比較で、
例によって日本は先進国で断トツに高い、ついに230%になってしまいました、とかなんか言ってるわけですね。
だから危機的だというんですけど、ギリシャとかイタリアとかもっと危機的なところよりも、さらに債務残高、GDPの債務残高がでかいので。
これを見て、ギリシャやイタリアよりも大変だと思うのではなくて、なんでギリシャ、イタリアは日本よりもはるかに債務残高、GDPの債務残高が低いのに、ギリシャやイタリアのほうが先に慌てているのか、っていうことを考えなきゃいけない。
要するに債務残高、GDPの債務残高って、財政危機は関係ないっていうことなんですけれども。
でもまあこの数字を見て皆慌てるわけですね。
じゃあ財政再建というのがなぜ必要というふうに言われているのか。
財務省の財政制度等審議会は、財政健全化に向けた基本的考え方っていうのを出していろいろ書いているんですけれども。
さっきの図表にあるように、諸外国と比較してもわが国の債務は他に類を見ない数字まで累増しているが、ここの赤字に書いてあるように、じゃあなんで今までは大丈夫なんですかというと、今までは家計とかが金融資産を潤沢に持っていて企業が資金余剰を持っていて、国内の資金環境が、国内が資金余剰なので大丈夫だったと。
だけどこのような好ましい国内の資金環境っていうのが将来にわたってずっと確実に維持されるわけではないと。
したがって、いつかはやばくなるので財政再建が必要だと、こういうふうに言っています。
これはよく言われる話で、なぜ日本がGDP比の債務残高が高いのに財政危機だとか言って慌てなきゃいけない状況に、今の瞬間はないわけですね。
その理由は、民間の金融資産がたっぷりあるからだと、余っているからだとずっと言われてきた。
内政健全化の間違った考え方 国の借金で民間が潤う
財政制度審議会はそれが将来なくなったらどうするんだよというふうに警鐘を鳴らしているんですけど、ところがこの財政健全化に向けた基本的考え方というのは基本的に間違っておりまして、何が間違ってるかというと、さっき申し上げたように信用貨幣論によると、銀行の預金というのは銀行の貸し出しの制約になってない。
つまり、民間の金融資産がいくらあるかどうかっていうのは、政府がいくら借りられるかと関係がないないんですね。
というのは、銀行が国債を購入すると政府の預金が増えて、その国債増発によって増えた資金を政府が支出して民間に流すと民間の金融資産はそのぶん、増えるんですね。
つまり国が借金、政府が国債発行して借金をすると民間の金融資産が減るんじゃなくて、増えるんですよ。
民間に潤沢な資産があって、国債で国が借金したら、お金が吸い上げられるのではなくて、政府が借金をすると民間の金融資産が増えるんですね。
国の借金で民間が潤う仕組み
したがって、先ほどの現代貨幣理論のレイ先生はこう言っていて、政府の赤字がそれと同額の民間部門の貯蓄を創造するのだから、政府が貯蓄の供給不足に直面することなどありえないと、彼もそう言っているわけです。
もう少し詳しく説明しますと、さっき申し上げたように、銀行はその企業がお金を借りたいと言ったら、わかりましたと言って企業の口座に記帳をすれば、1000万と記帳すればいきなりお金が出るんですけど、政府の場合は、政府は民間銀行に口座は持っていないです。
どこに持ってるか、日銀に口座を持っているのでちょっと仕組みが違うんですが、基本的に同じです。
ちょっと違うんですけどどういう仕組みかというと、こういうふうになっています。
まず①からいきますと、銀行が国債を買うとすると、銀行保有の日銀当座預金っていうのが、政府保有の日銀当座預金勘定に振り返られると。
これで銀行が国債を入手して、購入代金が政府の日銀当座預金勘定に入るということになります。
そうすると②で、政府は例えば公共事業を発注するので建設会社とかに政府小切手で支払いを、例えば1億円とかでします。
そうすると次に企業は、政府から受け取った政府小切手を取引銀行に持ち込んで代金の取り立てを依頼します。
④、小切手を持ち込まれた銀行は、その小切手相当額を銀行の口座に記帳します。
ここでお金がボンと、例えば1億円って書くと1億円ボンと出る、あるいは10億円と書くと10億円ボンと出ると。
ここで貨幣が供給されるんですよね。
新たなマネーがここで創造されて、貨幣の供給量が増えたんです、ここで増えた。
同時にこの銀行は、日銀に代金の取り立てを依頼します。
そうすると⑤ですけど、代金の取り立てを銀行から依頼された日銀はどうするかというと、政府保有の日銀当座預金が、銀行の日銀当座預金に振り替えられるということになります。
そうするとここで日銀当座預金って、銀行の日銀当座預金って戻るんですね。
戻って来るので、ここで戻ってきた日銀当座預金でまた国債を購入できるので、①にいけると。
したがって、ここであるように、国が借金をしたら民間の金融資産が減ってないで、むしろ増えてるんですね、しかもこれいつまでをグルグルグルグル回れるので、政府がお金を、借金をしすぎてお金がなくなっちゃったなんてことはありえなくて、グルグル回る。
しかもグルグル回るたびに④のところで、銀行が企業の口座に記帳するたびに貨幣が増えていく、貨幣が供給される。
これはいくつかインプリケーションあって、まず、国債発行に資金的な制約はありません、ということです。
これは銀行が企業に貸す時に銀行の資金的な元手の制約はないと申し上げまして、それと同じです、国債発行には資金的な制約はありません。