日本がもう没落する運命しか無い理由!日本が進む移民国家への道!英国のEU離脱に隠された真実!中野剛志

米国トランプがTPP交渉から離脱出来た理由

なんで離脱できたかというと理由は簡単で、アメリカにとってTPP交渉から離脱する時のスイッチングコストというのは日本よりもはるかに低いんですね。

要するに日本は離脱をするとアメリカとかその他の国との関係が悪化するってことをえらく心配するんですけど、アメリカはそんなことを心配するわけがないということで、アメリカはスイッチングコストなんか気にしないで良い国だという事です。

アメリカが交渉から離脱できたんだから、日本だって交渉から離脱できないなんて嘘だ、なんて言ってる人たちは、スイッチングコストを計算する能力がないんでしょう、ということですね。

日本の絶滅と本格的な移民国家への道

このロックインの例というのは他にもありまして、例えば移民の受け入れなんていうのもそうですね。

すでに日本は本格的な移民国家への道へともうロックインされていると見ていいでしょう。

これももう取り返しはつかないですね、おそらく50年後もすれば、我々が今イメージしている日本のアイデンティティといわれるものはほぼ絶滅危惧種として保護を必要とするということになっていると思います。

これはもう賭けてもいいですよ。

すでにヨーロッパはそうなりつつありますので、まあそれを見てればわかるということです。

日本が米国に一切逆らえない理由

経済だけじゃなく、政治にもロックインというのがありまして、例えば日米同盟というのはこれはかなり強力なロックインだといえます。

日本が日米同盟によって安全保障されているというのは、これも間違いありません。

しかし同時に、それゆえに日本はアメリカに逆らうことができないで、通商交渉などで妥協を強いられるということになっていると。

もしそれが不愉快で、アメリカの要求を突っぱねて国益を守りたいんだったら、日米同盟への依存もやめなければなりません。

しかし、日米同盟なしで日本の安全保障は成り立たないという事実もまた、否定できないわけですね。

もし日本がこれまで何十年もかけて徐々に防衛力を強化していれば、今ほど日米同盟に依存しなくても安全保障できるようになっていたかもしれません。

少なくとも中国が軍事力を飛躍的に伸ばして、アメリカの方はイラク戦争の失敗などによって世界の警察官の地位が危うくなっていた2000年代、遅くとも2000年代に日本は今のような状況を見越して自主防衛できるように備えを強めておくべきだったと思いますが、日本はそれをやりませんでした。

むしろその逆に日米同盟を深化させてきた、要するに日米同盟へのロックインを強めてきたということですね。

その結果は、我々にはもう日米同盟以外の選択肢、例えば自主防衛という選択肢は事実上もうない、選ぶことができなくなりました。

日米同盟を歓迎していた中国のしたたかな戦略

ご参考までに、マイケル・マスタンドゥーノというアメリカの国際政治学者が指摘していましたが、2000年代の中国というのは実は日米同盟を歓迎しているふしがあったということです。

というのも、日米同盟にロックインされている限り、日本が軍事力を格段に強化するということはありえないと中国は分かっていたので、日米同盟というのは日本を封じ込める手段と中国は見てたということです

こうして日米同盟にロックインされてしまった日本は、もはや日米同盟以外の選択肢がないということになりました。

その結果、アメリカがいくら理不尽な要求を突き付けてきても、日本はそれを飲まざるを得ません。

それどころか近い将来、アメリカが東アジアの安全保障から手を引いたとしても、その可能性は決して低くはありませんけど、そのとき日本は自国を自力で守ることはできないというわけです。

日本はもう没落しかない理由

さて、ではどうしたらいいでしょうか、どうしようもありません。

日本はもう没落する以外にないということですね。

どうにかしたいんだったら、もっと早い段階から、ロックインが強くする前にロックを外しにかかるべきでした、遅くとも2000年代とかね。

でももう今となってはもはや取り返しがつきません、これキーワードですね、取り返しがつかないということです。

このロックインという理論が教えるのは、いったん没落のスパイラルにロックインをされてしまうと、もうもはや手の施しようがない、どうにもならないということです。

もちろん逆もありで、成長発展のスパイラルにうまくロックインされればどんどん成長すると、バカでも成長するということになるわけですね。

いずれにせよ、発展するにせよ没落するにせよ、いずれにしても世の中には、個人や社会の意思ではどうにもならないものがあるんです、それがロックインですね。

昔の人はそういう現象をやっぱり運命と呼んだわけですね。

現代人は運命など信じないかもしれませんが、今日ご説明したロックイン現象というのは、どうにも避けられない運命というものがあるということを示しているわけです。

昔の偉い人の言葉にもそういう国民の運命とか、あるいはロックイン、こういったものの存在を示すものがありますのでご紹介します。

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