ツイッターが炎上する原因
で、ご紹介するのは炎上の現象というものです。
炎上っていうと通常はツイッターの現象炎上ですけれども、例えばピザを、ピザの生地を顔に貼り付け、ピザハット店員が写真アップするとそれが炎上しちゃったりとか、アイドル歌手が鉄道路線の中でピースで写真を撮るとそれが炎上しちゃったり、というようなところなんですけれども。
この炎上現象っていうのは、必ずしもネットの上だけで起こるのではなくて、この社会全体でマスメディアを中心にもう全くすぐに起こりうるものなんだと。
たまたまそれがSNSで加速しているかに見えるだけで、これも小泉、橋下、小池劇場とここに書いておりますこの3つの劇場というのはまさに炎上現象なんだと、まあそう申し上げています。
炎上っていうのは何かというと、炎上はもう読んで字のごとく燃料があって、燃料に火をつけると燃えるという構造で、これと全く同じことが世論の中でも起こっているというのが、この本で主張している内容です。
その燃料とは何かというと、さまざまな大衆の、あるいは庶民の、気分なり思いなり、ここは情念、感情ですね、それを情念複合体、情念コンプレックスと呼んだりとか、この本の中でもしてますけど。
例えばデフレで不満がある、あるいは関西だったら東京にずっと負けているというコンプレックスがあったり、官僚に対する、自分だけおいしい目しやがってというようなルサンチマンがあったり。
人々というのはさまざまな感情が心の中にありますけど、善意から悪意まで、品の良いものからそうでないものまで様々なものがありますけど、主として否定的な情念というものが、これがすぐ燃えやすいと、それですぐうわーっと、誰か批判しだすとそうだそうだそうだそうだそうだそうだとなって集団リンチの状況になっていると。
それが炎上という現象なんですが、ここで重要なのは、炎上の業界には、業界というか、典型的なセリフが2つありまして、ひとつはキターってやつがある。
これは要するに、待ってるってことなんですね。
炎上させる人の心理状況
待ってて、なんか退屈な人が、なんかおもしろいことキターっていうのがキターっていう言葉なんです。
ですから炎上で怒っている人達っていうのは実は本当に義憤に駆られてやむにやまれず怒り狂ってるのではなくて、なんか退屈だな、なんかおもろいことないかなという感情でいるということを意味しているのが、このキターという言葉で。
キター、よっしゃこれでもう俺は勧善懲悪の構造の中でこいつのことボロクソ言える、といってみんなでこうわーっとやりだすと。
その時に、他のおもしろいセリフで、このビッグウェーブを逃すな、なんていうセリフが2ちゃんに書かれたりとかしてるんですけど、要するに怒ってるんじゃなくて、みんなで盛り上がりたい、パリピってやつですねパーティーピーポーのようなかっこうで、ネットでパリピできる。
ですから、半ば炎上現象というのは、ふざけてるという重要な構造がある、それがひとつなんですね。
炎上を誘うネタの仕掛け方
これは炎上してる側のロジックなんですけど、実はもう一個重要な炎上のキーワードがありまして、釣り、という概念があって、こういうエネルギーを庶民の皆さんは持っていると。
この燃料を投下するとバッと燃えるなというふうに思って仕掛けるネタがあると。
これはインターネット社会では釣りと言いますけれども、こういう小泉、橋下、小池現象の中では、例えば豊洲とこう言ってみたりとかですね。
そうしたらワッと燃え上がったり、あるいは大阪都構想というものでボッと燃えだしたり、あるいは小泉劇場の前には郵政改革っていうとボッと燃えたり。
これは燃やすことそれ自身が問題で、改革を通してその国益を増進しようということを目指しているのとは違うという疑義が極めて濃厚なんですね。
それはもうあくまでも炎上、釣りなんだということなんですね。
このキターっという構造と釣りをするというこの為政者のこの両者の結託で生ずるのが現状の炎上なんだというところです。
その中で、炎上すると当然ながら炎上ネタというのは視聴率がテレビにおいては上がりますから、当然ながらどんどん薪をくべるようにその番組がやられるようになりますし、テレビのみならず新聞とかでも、あ、このネタをやると結構視聴率も取れるし結構購読数も増えるからというので、炎上の構造の中で商売をすると。
したがって、もともと社会学的には、釣りをする為政者と、それから炎上する人々との間で燃料がボーッと燃え上がっているところなんですけど、この炎を使ってビジネスを展開するという手口が、今メディア界で非常に当然使われていて。
当然そのメディアが流せば流すほどその火はもっと燃え上がりますから、炎上がさらに拡大していって大炎上になっていくと。
その中で政治というものは本来政策、国益、あるいは技術的帰結、こういったものに基づいて理性的判断しないといけないわけですけど、何が燃えやすいかというだけで政策が決められていますので、国益はとてつもなく毀損すると。