お金が人間をダメにする
それからもう1つの考え方は、お金は人間をダメにするんだっていう意識が非常に強いんです、日本人は。
確かに見てるとそうです。
お金持ちっていうのは、やっぱりまず傲慢になります。
それから怒りっぽいですね。
それから人を見下すようになるっていうような、いろんな症状が、病気の症状みたいにして現れますね。
俺はお金があるんだから、なんだお前ちょっとそれやれよ、っていうようなものですね。
非常に居心地が悪いグリーン車
私は時々グリーン車に乗るんですけど、グリーン車というのは居心地が悪いんですよ。
座席はいいんですけど、みんなが怒りっぽいんですよ。
時には隣に座ると文句を言うことがあるんですよ。
嫌な顔をするんですよ。
隣に座って嫌なら隣の席も買い占めろって言うんだけど、そんな感じなんですね。
武士にお金を貯めさせなかった理由
もちろんこの封建時代は、武士にはお金をあまり貯めさせなかった。
なぜかと言ったら、お金が武士の心をダメにするからですね。
現在でもそうですよ。
それから現在はそれに欧米的な考え方が入って、例えば私の関係する会社なんかでも、ちゃんと社是にはこの会社は社員のために、社会のために貢献するんだとこう書いてあるにもかかわらず、
銀行の人とかそういう人が来ると、株主にもっと還元しろと、金出してるんだから、とこういうわけですね。
ところが、日本の文化にはそういうのはないんですよ。
お金を出してくれた人には相応のお礼はするが、主にはやっぱり会社の従業員のために、社会のために会社をやり、それのあがりが少し多くなったら株にお金を出してくれた人、お金を貸してくれた人にお礼をするというのが日本の文化で、これはアメリカとかヨーロッパの文化と全く違うんですね。
日本人が嫌った金持ちが威張る社会
そうは言ったってアメリカだって、最近国際資本だとかユダヤ資本とか、銀行の横暴だとか言ってるじゃないですか。
だから、お金を持っている人が威張る社会というのはよくないんですよ。
私が大学で研究するときに、最初は国からお金をもらったら、国は全部の権限を要求しましたよ。
通産省が金出してるんだから、武田先生、成果は全部通産省のものですよと、こう言ったんですよ。
だから僕は反論したんですね。
そんなことを言うなら、別にお金を通産省に置いとけばいいじゃないですか、お金だけでは何も生みませんよ。
お金プラス私の頭脳、学校の施設、研究してくれた学生、全部集まってあなたのお金が生きるんですよと。
だから何であなたがお金だけ出したからと言って全部支配するんですかと、こう言ったことがあるんですね。
私が会社にいた時には、従業員の時間は会社のものだって言うんですよ、就業時間中は。
そんなことありませんよって僕は言ったんですね。
それは従業員の賃金を出して従業員に働いてもらっているっていうだけで、時間はあくまでも従業員のものですよって、こう言ったことがありますね。
こういった私の考えは、階級制がなかった日本というものの考え方でもあるんですね。
みんなで働きみんなで楽しみ、1人だけがお金持ちになってもこの世の中ろくなことはない。
そしてお金持ちが他の人をバカにしたりすると。
日本の商法を改正すべき理由
最近はもちろん、新幹線のグリーン車くらいはいいか、いろんな有名な人もいるし、身体の疲れている人もいるからいいかと思いますけども、最近飛行機に乗りますと、4等級に分かれてるんですよ。
1等乗客、2等乗客、3等乗客、4等乗客。
そう言うと刺激的だから、第1グループ、第2グループって券に印刷してありますけど、私なんか第4グループですから、4等乗客と書いてくれたほうがいいですよ。
だって新幹線で切符買う時は、グリーン車だろうが普通車だろうが買う順番は少なくとも一緒に買うんですが、航空会社はもっとひどいんですよ。
ヨーロッパ風の階級制度ですからね。
ステイタスっていうんですけど、ステイタスのある人は別窓口なんですよ。
早く買えるんですよ。
お前ら4等乗客は並べっていうわけで、私なんか30分も40分も待ってるんですね。
こういった日本のいい文化が廃れてくるのは残念ですが、航空会社から直してもらって、それから商法なんかも一部改正してもらって、やっぱりいい日本で生活したいと、私はそう願っております。