日本を20年間貧困させた日本の緊縮財政
それで、本来だったら日本政府っていうのは、今まで過去20年間日本を貧困化させた緊縮財政を改めて、それで財政拡大をきちっとやって経済を成長させるのをやらなくちゃならないんだけど、それができないんです、日本は緊縮財政は堅持しますと。
ということになっちゃうと、なんかやらなくちゃならないというときに絶対このふたつになっちゃうよと。
逆に、竹中平蔵さんたちグローバリストの方々が推進している、推進しているのはこれですよね、これはどうでもいいんですよ、これとこれはやりたい。
そのためには、緊縮財政が継続されなくちゃいけないということで、デフレ、たとえば農協改革だと、デフレですとよ。
それで、どっかなんか成長分野を、ってなると、彼らが、農業、って思うわけですね。
なんでかっていうと、我々って、国民ってご飯食べないといけないから、農業の需要ってゼロにならないんですよ。
そういう分野に対して入りたいということで、それで、種子法の場合もそうだったんだけど、種子を守るために予算を使うのをやめましょうと、緊縮財政ですと。
じゃあどうするんですかっていうと、規制緩和して民間の活力を導入して、かつ外資規制なしですよみたいな、こういう政策のパッケージに必ずなるんですよ。
IRカジノ法を進める安倍政権の狙い
IR法もそうなんですよ。
IR法、これは私が作った資料ではなくて政府が出しているものです。
IRとは何かということなんですが、カジノ施設と観光振興に寄与する諸施設が一体になっている施設なんだけど、このあと重要なこと書いていて、これ私が書いたわけじゃなくて政府が書いてるんですよ。
カジノの収益により、大規模な投資を伴う施設の採算性を担保と。
つまりカジノがないと他の部分が採算性が担保できないから、たぶん民間は投資しないと。
もちろん、民間事業の投資によりますよと、ということでございまして、だからIR法はカジノ法じゃないって言ってて、たしかにそうなんだけど、でもカジノの収益がないとIRが成り立たないっていう構造になっている。
これは政府が認めているんですよ。
で、経済効果云々でいいますと、ここの一番下のところに、これも政府の資料ね、巨大な民間投資の実現。
つまり、政府が投資する気はありませんと、民間さんやってくださいね、っていう例によって小さな政府方式の丸投げなんですよね。
その一環としてカジノが解禁される、カジノの解禁、もちろん規制の緩和ね。
税制として、政府は絶対金使いたくないという緊縮財政があって、かつ当然自由貿易だから、外国のカジノ産業が続々と入ってくる、入ろうとしているわけですね。
という話なので、私はIR法について、安倍政権が推進したのは当然だと思います。
なぜかっていうと、ほかの政策とみんな構造が同じだから。
それしかやらないんですよ、安倍政権、そこに大きな問題があると思う。
パチンコもIR法も両方辞めるべき理由
だから別にパチンコ撲滅したって全然かまわないんですよ、というか撲滅すべきだと私も思いますが、だからといってパチンコがあるんだから、IR法に反対するのはおかしいっていうレトリックはおかしいと思いますよ。
両方だめじゃないかと。
その問題ともうひとつIR独自の問題として、安倍政権はやるべくしてやっている。
これが安倍政権のスタイルだっていうこと。
これがある限り、政府は大きなプロジェクトで日本経済を羽ばたかせましょうなんてできないから、民間の投資を呼び込まなくちゃいけない、どうしよう、ああじゃあカジノ解禁だということになるわけです。
日本を滅ぼす財務省主導の緊縮財政論
その問題を経済討論の中でもやっているんだけど、この、財務省主導の緊縮論ですよね、これがある限り。
あと一番心配なのは、心配というか当たり前のことかもわからないけど、野党に、それを指摘する野党がひとつもないんだよね。
与党もじゃあ安倍政権以外でも、このことをガンガンいうやつは本当に。
このあいだ来た安藤裕さんとかね、あのグループくらいしか自民党の中でいないんですよね。
おそろしい、へんな言い方だけど、日本の状況があるということはご説明してもらったんですけど、そういうなかでカジノ、じゃなくてIR法はあるということですね。
日本のギャンブル依存者の実態
新しくカジノが認められるようになると、パチンコも、いま日本社会がどんな状況になっているかを見ると、世界にギャンブルマシンが767万台あるうち400万台が日本にあると、そういう数字になっているわけです。
カジノ合法化しますという話ですけど、もうすでに駅前に、あるいは幹線道路沿いに1万店舗ほどのカジノは日本国中に存在して、そこに新たな、ちょっとカテゴリーの違うニュータイプのカジノが入ってくるというだけの話であって。
今まで日本社会でギャンブル依存症がものすごい増えてきている中で、新たにそういう被害者を増やすカテゴリーが新設するということは、当然あってはならないですし、カジノについては認めるべきではない。
そしてパチンコも縮小して廃絶に導いていくべきだというのが私の基本的な考えです。
経済効果についてはいろんな話がありますけど、そもそも外国人を最初入れるって話になっていたのにいつのまにか日本人が主体になったんですね。
どういう人が来るにしてもその人たちが来て、そこでお金を失って、一定割合の人たちは不幸になる。
その不幸になっていくことを前提として、そのお金で地域振興だの観光振興をやるというのは、まず姿として、日本の目指すべき高徳国家という姿とまったく相容れない、さもしいゼニゲバの国のやることであって、美しくないなというのが基本的なところで。
なんでも経済効果があるからというんで進めようとする人がいるんですけど、日本は日本らしい振興のやりかたがあると思いますし、それとはかけ離れた姿だなあというふうには思っています。
さらに観光という話では、以前は観光客を外国から2000万人入れなきゃいけないからカジノが必要なんだと再三言っていたくせに、平成27年にほぼ2000万人の外国人がくるようになったら、その2000万人にするにはカジノを作らなきゃという話はまったくなくなって。
ただ日本人もどんどん入れるようになるところに変わってきたというのは本当にご都合主義だなあということですね。
パチンコをなくすためにカジノをやっているというふうに言う一部の人はいますけど、まったくそんな事実はなくて。
パチンコ業界がいろんな形で、台のメーカーもパチンコホールも、カジノのノウハウを世界中に行って学んだり、あるいは韓国の企業と連携して韓国でカジノの台をやったり、フィリピンでそういうのを来年から始める、そういうのを日本のパチンコの業界がやってですね。
カジノが新しく始まったらパチンコ業界の多角経営化の一貫としてカジノで収益をあげて、既存の青息吐息だったパチンコというものを新しい収益源のお金を生かしながら、延命をしていくことになるんです。
パチンコを撲滅するという観点からも、カジノというものは有害であるということが言えると思います。
皆さんの意見だいたいお聞きしましたけど、推進賛成の人はいないんですね、あんまり。
そういうキャスティングにはしてるんですけど、ただそっちの流れになっているわけだから、我々はそれは違うぞという意見を言うところが少ないんでね。