教育無償化の嘘っぱち
だけどここでのポイントは、無償化という言葉を使うということですよ。
例えば今教育を受ける子供を持っている人が30万円だったら、子供を持っていない人が15万円で、それでいいんじゃないかと、
無償化というのはそれを全部押しなべて同じにするわけですから、子供がいる人も子供がいない人も22万5千円とか、15万円と30万を足して、45ですから22.5ですね、22.5万円払うというのを無償化と言っているわけですね。
つまり、子供を持っている人が30万円払っているのが22万5千円になり、子供を持っていない人が15万円払っているのが22万5千円になるということで、それを無償化という言葉を使うというのはいかにも安直じゃないかと思うんですね。
金持ちは悪い人なのか?
もう1つは、それを私がテレビで言ったら、そんなの教育なんて金持ちからとればいいとおっしゃったので、私がその人にすぐ、金持ちは悪い人なんですかと聞いたんですね。
つまり金持ちからとれというのはよくあるんですけど、もともと日本の法体系というのはどういうふうになっているかと言ったら、正常な働きをして給料をもらう、もしくは儲けるというのは正しいことだというふうにされているわけですね。
努力をしてやや高い収益を得ても、それはその人が努力したからいいということになっているんですね。
だけども社会的にある程度、平均的にそろえるという点では、結果的にお金を儲けた人は努力をしたかもしれないけど、平均化は少しする必要があるんだということで、累進課税というのが適用されているわけですね。
あんまり収入のない人は税金が0%もありますが、だいたい10%くらいとられる。
ところが収入の多い人は50%ですね。
ですから、累進課税というのは、お金持ちは収入の半分をとられる、普通の人は収入の10%、10分の1だけとられるということで、これが妥当だとされているんですね。
つまり社会正義から言えば、努力をしてお金持ちになった分は、そこの部分だけは正しいと、ただ社会的にある程度均さなきゃいけないので、累進課税を作りましょう、ただ累進課税は累進課税のところでひずみを直している。
ひずみというのかどうかはわかりませんけど、お金持ちが優遇されないようにしておいて、あとは例えば消費税なり、NHKの受信料なり、電車賃なり、そういうものは全員が平等で払おうじゃないかというのがこの社会の約束事なんですよ。
累進課税が妥当なのかが問題
そのうえでさらに金持ちが悪いんだから、金持ちからとればいいというのは金持ちが悪いということですから、もしも儲け過ぎだったら、私は実は、今現在の収入は金持ちが儲け過ぎだと言ってるんですけど、だけどそれは全然別の問題なんですよ。
金持ちが儲け過ぎてるから金持ちから金をとれ、教育費を出させろっていうんじゃなくて、累進課税が50%が適切かという議論とか、それから収入の制限をある程度しなきゃいけないんじゃないかっていうことは必要ですね。
例えば私がよく言うように、大会社の社長さんが年収10億を取って、そして日本人の平均の所得が400万というのはちょっと開きすぎてるんじゃないか。
やっぱり上限は1年間に1億とか2億とかいうくらいを上限にしておいたほうがいいんじゃないかという議論はある。
これは全然教育の無償化を議論して、金持ちからとればいいという議論とは違うと思いますね。
やっぱりこういうところは論理的にちゃんといかなきゃならない。
だけど今日の主眼は、無償化というのは実は30万円払っている親が22万5千円になることであり、15万円税金で払っている、子供のいない人とか卒業しちゃった人が22.5万円払うということであって、
これが社会的に正義であるかとか無償化と言っていいのかということは、かなり考えなきゃいけないんじゃないかと思います。