戦争をしたがるのは軍需産業とメディアと大衆!軍隊が戦争を嫌う2つの理由!日本の軍部暴走という嘘!武田邦彦

軍隊と軍需産業は全然違う

このアメリカの戦争というのを見ていますと、よく言われますけれども、軍隊の方と軍需産業の方とあるわけですね。

よく軍産共同体とか何とかコンプレックスとかよく言われるものなんですが、軍隊と軍需産業というのは密接に近い関係にあるんですけれども、全然違うわけですね。

軍需産業が戦争をしたがる理由

軍需産業は例えば巡航ミサイルですと、巡航ミサイルをどんどん作って軍隊に送るわけですね。

軍隊はそれを訓練して、実践的に使うわけですね。

ある巡航ミサイルなら巡航ミサイルというのを、100発作るとしますね。

そうしますと、それが30年間戦争がないと、軍需産業は30年間何も作らないわけですね。

もちろん、巡航ミサイルを作るためには、巡航ミサイルの架台を作るいろんな装置、その中には非常に大型の射出兵器のようなものもあるし、それから焼鈍機、例えば熱処理した後それを冷ましてひずみを取るとか、いろんな装置が必要なわけですね。

膨大な装置をやって、100発作った。

それは戦争が近かったので、すぐ使う予定だった。

ところがけっこう政治的にうまく行って、巡航ミサイルを使わないで済んでしまった。

そうすると、軍隊は旧型の巡航ミサイルをずっと抱えたままになっちゃうわけですね。

この軍需産業の矛盾というのがありまして、やっぱり常に軍需産業というのは、戦争してほしいわけですよ。

例えば今から30年前に作った、命中率の悪い巡航ミサイルをどんどん軍隊に撃ってもらって、なくなってしまわないと困るわけですね。

トランプがシリアに巡航ミサイルを発射した狙い

ですから、この前シリアが化学兵器を使ったというので、トランプ大統領が、シリアに対して巡航ミサイルの攻撃を行いました。

59発の巡航ミサイルを撃って、26発くらいが命中したという報道を見て、僕はまず最初に、これはぼろい巡航ミサイルを使い捨てたかったんだな、と思ったわけですね。

爆弾によるデモンストレーション

それからつまらない話では、9トンのTNT火薬を積んだ人類史上最大の爆弾とか、それから、すべての爆弾の母とか変なタイトルがついてマスコミで大きく騒がれた爆弾、あれは過去に2回だけ使われているわけですよ。

1回はイラク戦争の前のデモンストレーション。

今度アフガニスタンで使われたやつも、多分デモンストレーションなんです。

どうしてデモンストレーションかというと、あの爆弾は役に立たないんですよ。

普通の爆弾は飛行機のお腹に抱えていて、お腹の蓋をパタッと開けたらそこからダダダダッと落ちてくるわけですね。

例えば、3トンのTNT火薬を積んでいる大型の爆弾が落ちていく。

普通は爆弾というのは500キロから1トンくらいなんですね。

1トンの爆弾といったら、大東亜戦争、昔の日本の戦争なんかじゃちょっと積めないというか、せいぜい500キロとか800キロとかじゃないと積めない。

ところが最近は大型爆撃機というのがありますから、何トンという爆弾を積めるわけですね。

そうしますと、3トンの爆弾を、大型爆撃機のお腹の中からダダダッと3つ出せばいいわけなんですよ。

ところが9トンの爆弾っていうのはあまりにも重たいので、飛行機のお尻を開けて、そこからパラシュートを出して降下させるという方法を取るわけですね。

ですから全然実践的じゃないんですが、あのニュースを私見た時、これはやっぱりあんな無駄なものを作って、研究費も回収しなきゃならないし、爆弾の製造費自身も回収しなきゃならないから、それでやったな、と思ったわけですね。

戦争をやりたがらない軍隊とやりたがる軍需産業

つまり、戦争を常に見る時には、軍隊はどっちかというと戦争をやりたくないんですよ。

軍隊がやりたくない理由は2つあるんですね。

1つは、自分が死ぬからなんですよ。

もう1つは、作戦通りいかなかった時に、責任を問われるというか、軍人というのはそれが許されないという感じがするんですよ。

許されないというか、自分の気持ちが許されない、つまり任務が果たせない。

だから、しかしそれには圧倒的な戦力があれば別ですけど、接戦の時もありますから、そうしますと軍隊の人っていうのは、訓練ばっかりしていて、一生戦争がないことを望んでいるんですよ、実は。

ところがそれだと、軍需産業の方が困っちゃうので、戦争しろ戦争しろと言われるんですよね。

お互いに親しい関係でもあり、政治家も同じということがあるんですね。

日本の軍部が暴走したという嘘

ところが日本の太平洋戦争、大東亜戦争の前の時も、軍事国家とか、そういう言い方をするんですね。

軍隊が暴走した。

軍隊は、日本軍隊でもやっぱり戦争したがらないんです。

あの当時戦争したら、必ず死ぬのは軍人ですからね。

ところがその後ろで糸を引いている軍需産業側は、どんどん戦争をやってもらいたいわけですよ。

その極端な例が現在のアメリカですね。

アラブの戦争は米国のマッチポンプ

ですから私はクリントン大統領、それからブッシュ、それからオバマ大統領とつながりましたけど、これはどうも怪しいんですよ。

アラブの戦争は、おそらくは非常に簡単に、また非常に角の立つ言い方をすれば、アラブの戦争というのは、アメリカがちょっかいを出して、紛争が起こるようにちょっかいを出して、例えばアラブの春というのはそうですね。

オバマ大統領と女性のクリントンの方がやった、私から見ると非常に悪辣な計画のように見えますが、アラブの春というめちゃくちゃなことをやって、アラブを大混乱に陥れて、各地で内紛を起こして、戦争になって武器を売ると、

こういうことを目指したんじゃないかなと思う節が、具体的なところにもいっぱいあるんですね。

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