日本政府はバランスシートすら知らない?
さて、政府の単独の決算でも、持っている資産と借りているお金というのがほぼ均衡していて、無理やり計算すると30兆円くらい余っているような感じになるということを、前回示しました。
今回は連結決算ですね、もちろんこういうことをしっかりやっていただいている経済学者、もしくは経済評論家の方には敬意を表するわけですが、実は政府はバランスシートを知らなったとか、
僕の友達も武田先生、政府はバランスシートというのを知らなかったそうですよと、いやそんなことはないんですよ。
バランスシートとか複式簿記とか言う名前はちょっとややこしい名前ですが、ここに書いてあるのはそういう難しいことではなくて、誰でもわかることですね。
小学生でもわかるというか、持っているお金はいくら持っているの、とか、借りているお金はいくらなの、というだけのことですから、ですからそれが難しい表現になったり、特に政府になると難しいということがあるんですね。
日銀の役割
この前示した単一の政府の場合は、日銀が入っていないので、比較的簡単なんですけれども、日銀は政府の子会社ですね、子会社というか、日銀は政府が株式を50%以上持っている機関ですから、政府がこうしろと言ったら日銀はそうしないといけないわけですね
ただ、今まで金融の独立性ということで、日銀の決定に敬意を表していたと、そういうことはあるんですけれども、その敬意を表していたというのと、それから支配をするというのはちょっと違いますから、子会社の決定を尊重しているということだけですね。
それで、こういった日銀を入れますと、ものすごく変なことになってくるわけですね。
例えば資産、資産のうちの900兆円。
これは現実の国有地とか、それからそういったものの短期的な資産とか、そういったものですから、これはある程度はっきりしていますよね。
役人の最大の狙いは増税する事
だいたい、政府が今度の森友事件なんかにありますように、国有地というのを非常に重要視して、それを政府の経営に使おうなんていう気持ちは全くないんですね。
というのは、国有地をうまく使って、国有地で利益なんか出しますと、税金が取れなくなっちゃうので、それで政府の役人は税金を増やしたいのがとにかく最大ですから、国有地の活用をやらないで、資産も1000兆円というけれども、ハッキリしないところがあるんですね。
それから、資産側にある国債って何かと言うと、基本的にはこれ政府が買い上げちゃうんですね。
非常に特殊な徴税権
政府というのは、国債をみんなで国民に買ってもらうんです。
買ってもらった国債を日銀が買い取るんですよ。
国民に買い取ってもらった時は利子を払わなきゃいけないわけですね。
ところがそれを買い取っちゃうと、日銀が持っていると言ったって政府ですから、政府は日銀に利子を払ったってしょうがないので、それは資産の方になるわけですね。
それから、この集計では徴税権、750兆円、これにも根拠があるんですが、考えてみると国家というのはものすごく面白くて、国債はまだお金がいるから債権を出してあとで返しますよと言うから、まだ普通の商取引なんですが、徴税権というのは、これはもう特殊ですよね。
全然、政府でしかありえないわけですよ。
勝手にお前金出せ、と言ってもらった、というわけですからね、税金というのは。
だからこれは何兆円として数えるかというのは非常に難しいわけですが、ここでは一応750兆円ということで徴税権を設定しております。
いずれにしても資産であることは間違いないんです。
働かなくても毎年50兆円の収入がある日本政府
だって、50兆円毎年租税が上がるとしますと、政府というのは何にも働かなくても、こんなことを言うと政府に怒られちゃうんですが、働いてるんですが、何にも働かなくても50兆円の収入があるんですよ、毎年毎年。
だから、政府となると非常に奇妙な計算をしなきゃいけないということですね。
金本位制では無くなった日本経済
それから、借りているお金は、国債ははっきりしておりまして、これは1350兆円、これは発行しただけということですね。
その他、これは銀行券というのが、これは実は銀行券については経済学でも2つに分かれておりまして、金なんかに換えられる銀行券、こういったものは負債なんですよね。
つまり銀行券、お札が市内に出回っている、そのお札を金に換えてくれって言ったら換えなきゃいけない、金本位制。
その場合はお札の分だけは負債に、借りたお金みたいになっているので、国民が返してくださいと言ったら金でもって返さなきゃいかん、ということになるんですが、
現在は金本位制じゃないので、銀行券、これは銀行券という書き方がまず間違っておりまして、これはコンピュータのノートに記載された金額というだけで、銀行券は350兆円もないんですよ、もともとは。
今は紙に刷った千円札とか1万円札というのは、だいたい70兆円くらいしかないと言われているわけですね。
それから世の中に出回っているお金というのが、つまり貯金通帳とか、そういうのに書かれている金額の合計がだいたい800兆円くらいとも言われているので、こういう時にいつまでも銀行券銀行券って書くと、券みたいに思うので誤解を招くから、これもよく注意をしなきゃいけないわけですが、
実は明治の始めというか江戸の終わりというか、有名な話ですけれども、今の福井県か加賀だったかにいた、なかなかの財政通の人が、とにかくお札を出しちゃえばいいと言ったんですね。
それでお札を印刷しちゃうんですよ。
別に何も裏付け金とかはいらないんですね。
つまり、お札というのは何かと言うと、通常は、今日本で資産としてもしくは交換として使わなきゃいけないお金があるとすると、その分は、例えばそれが1000兆円あるとしますね、土地の値段やら物の値段、車を買うとか。
そうしますと、その1000兆円というのはその国に存在する物の価値、交換価値ですね、これ非常に難しいんですね。
絶対的金額と回転率なんかも聞いてくるわけですよ。
1年に1ぺんしかお金を使わないのと、1年に10ぺん使うということになると、同じ1億円でも1億円から10億円の開きがあるので、ややこしいんですけれども、いずれにしても日本が経済活動をするためのお札というかお金というのは、これは裏付けがなくても必要なんですよね。
それがなかったら経済活動できませんからね。
物々交換になっちゃいますから。