ミネルバのフクロウは夕暮れに飛翔する
本来学者というのは、私も先生にきちっと教えられたんですが、解析の学、整理の学と言って、まず物事をじっくり整理して、それを横縦組み合わせたりいろいろ考えて、論理を組み立てると。
そこまでしかするなと、それ以上先に出るなと。
これはヘーゲルの言う、ミネルバのフクロウは夕暮れに飛翔するという、学問の鉄則の1つなんですね。
私はずいぶん今まで批判されても、そこの一線というのを守ってきたんですが、ちょっと新春でもあるし、1つちょっとだけ、近未来に対して踏み出してみようかというふうに思っております。
なので、もう1回私としては整理し反省し、もう1回スタートしてみようかというふうに思っております。
昨年の研究テーマと今年の研究テーマ
去年の私の研究のテーマは、宗教と科学というのが去年のテーマでした。
かなり踏み込んで宗教の中身というのを、科学的には少なくとも理解をしたと。
それで年末に、宗教と科学は矛盾しないというブログを出したわけですが、今年は一応今のところ、差別と科学ということで今年の1年をやってみたいと思っております。
明確になったアメリカと中国の対立
このシリーズはそれとは別に、行きたい社会への政策ということで、子供の命ということを最初にお話しをいたしますが、去年の10月の4日のアメリカのペンス副大統領の演説によって、アメリカと中国の対立というのが極めて明確になりました。
これは世界全体の動きとしては非常に納得のできるところで、1946年のチャーチルの鉄のカーテン演説、1983年のレーガン大統領の悪の帝国演説、それに今度のペンスの対中国演説というのが、時期としても世界情勢としても、きわめて科学的にも納得できる内容であります。
アメリカの中国に対する封じ込め政策
そこでこれからアメリカと中国が、アメリカが特に中国に対して、封じ込め政策に出ます。封じ込め政策と言うのは、あらゆる産業軍事、そういう面で政策の面でアメリカが同盟国を募って、中国を締め上げるということですね。
米露冷戦にアメリカが勝利出来た理由
これは対ソ連では成功いたしまして、レーガン大統領がソ連を悪の帝国と呼んで、封じ込め政策の本格的な封じ込め政策をやりました。
その8年後にソ連派は崩壊して、そして共産主義が終わったわけでありますが、これがなぜ勝ったかと言うと、アメリカのGDPがソ連のGDP、そのころのソ連のGDPってはっきりわかりませんが、だいたい15分の1くらい、アメリカの15分の1くらいだったと思うんですが、そういう圧倒的な差がありました。
したがって経済的にはアメリカの一人勝ちで、軍事はほぼ核兵器も入れれば、とか陸軍も入れれば等しい。
しかし経済は全く、アメリカが10倍以上強いということで、当然アメリカとの貿易がダメになると各国が困るのでアメリカ側についたと。
ソ連はどうにもならなくなりましたね。
1950年くらいは、まだ5か年計画がうまく動いていたんですが、スターリンの虐殺があり、色々な共産主義の制度上の問題が明らかになって弱っているところに、封じ込め政策をやられましたから、いっぺんにダメになった。
米中貿易戦争がアメリカの1人勝ちとは行かない現実
ところが今度は中国は、現在極端に言ったら、アメリカとGDPがとんとんと言ってもそれほど間違いではない。
というくらいの経済力になっております。
アメリカの力も、かつて第二次世界大戦が終わった時にはGDPの60%、世界のですね、をアメリカ1か国で握ってたわけですから、マーシャルプランのような大盤振る舞いというのもできたんですけど、
中国の経済力の現実
現在ではそれが15%になっておりまして、近い将来、アメリカのGDPが世界の15%、中国のGDPが世界の20%になるという予測もあります。
一方では、中国の経済が崩壊する、特に過剰な不動産投資、それから共産主義体制、とかいうもので、非常に不安定であるということも言われております。
したがって、ここは学者として言うことになるんですが、ミネルバのフクロウは朝は飛びませんからですね、アメリカが封じ込め政策に成功するか、中国がアメリカをやっつけるか反撃するかは今のところ分からない、と言ったほうがいいと思います。
学問的にはですね。
予測はあると。
貧富の差が拡大した米国の疲弊
中国がダメになるという予測、アメリカがそこまでは行けないだろう、もう疲弊しているよという予測はあります。
アメリカが疲弊しているという予測の主な点は、やっぱり貧富の差ですね。
アメリカの富の50%を上位1%が持っていて、アメリカ人のほとんど、90%が残りの50%を持つという異常な世界であるということと、アメリカの民主党を中心とした軍産共同体、闇の政府と言われるような勢力が、
米国の将来よりも自分たちの利益
やっぱりまだアメリカの将来よりか自分たちの利益ということを考えてやるということの中に、アメリカの方の弱さがあるんですね。
中国は経済が崩壊するといっても共産主義ですから、今までの資本主義社会における経済の崩壊と違う状態が生じる可能性もあるんですね。
したがって、必ずアメリカが勝つというような楽観的な状態はとれない。
アメリカと中国に2分される世界
そうしますと、アメリカと中国は引き分けるということになりますと、引き分けたあと、結局アメリカと中国で世界を二分します。
こういった例は、昔はポルトガルとスペイン、そういう例がいっぱいあるわけですが、そういったことを考えますと、線引きをするだろうと思うんですね。
その線引きをするときに、アメリカは日本を捨てると思いますね。
アメリカにとっては南北アメリカ、北アメリカと南アメリカは絶対にとらなきゃいけませんし、それからアフリカ中東、ヨーロッパは同盟国であります、アメリカは中東も欲しいでしょうね。
地理から言えば、インドから東は中国がいいよと。