インプットが脳に与える影響
この話は、もしかしたらショッキングな話かもしれませんけど、テレビ、ラジオ、映画、音楽、ネットなどを積極的にインプットしていくと、結果的にトランプさんのような方を、大統領に選ぶという社会が生まれます。
これはですね、テレビを中心としたメディアですね、これは処理流暢性(しょりりゅうちょうせい)を高めるメディアです。
処理流暢性というのは、要するに認知負荷を下げるという事なんですけれども。
ちょっと難しい単語かも分かりませんね。
物事を処理する事の処理、そして、言語を流暢に喋るの流暢ですね。
この処理流暢性というのは、何か物事を処理しようとするときに、出会ったことが無いような事だと、ちょっとぎこちなく処理しますよね。
例えば、ピアノを弾いたことが無い人がピアノを弾こうという時に、やっぱり指の動きはぎこちなくなりますね。
ですけど、慣れている人であれば、そこそこ流暢に弾ける。
簡単に騙される人間の特徴
これと同じような事が、認知でも起きるわけです。
例えば、出会った事が無い刺激というのは、刺激的に面白いかもしれないけれども、分かりにくいっていう物事がありますよね。
この分かりにくいという物事は、処理流暢性が低いという風に言います。
例えば、どんなに正しい事を言っていたとしても、これが回りくどく、私のように、何分もかけて喋るとなると、これは皆さん理解してくださいません。
どんなに正しくても支持しない。
だけれども、ちょっと間違っているかなというような事でも、短くパッと言われると、「あぁ、なるほど」と、一瞬思うんですよね。
この、「あぁ、なるほど」と思う感じ。
それを言っている人を好ましく思う感じ。
これは、処理流暢性が高いために、好感が生じているという現象になります。
トランプ大統領が誕生した理由
この処理流暢性は、「分かりやすモノが善である」とするのが、現在のメディアを通じたデータの特徴ですから、これを受け入れていると、どんどん処理流暢性が、高さを求める民衆が出来上がって行って、トランプ大統領が生まれるような素地が整っていくという事になります。
トランプさんは、「日本とアメリカは貿易摩擦が生じていて、アメリカは損をさせれている」といった事を正しい、正しくないに関わらず言ったりしますよね。
そうするとアメリカ国民は、「そうだそうだ」と思うんだけれども、よく調べてみると、結構日本の方が我慢していたりして。
日本が雇用を、アメリカでたくさん生んでいたりするんですね。
間違った情報でもズバッという、短いセンテンスで。
このスバっと短く言う事を、サウンドバイトという風に言われますけれども、音の最小単位で物事を言う人、この人が選ばれるという。
メディアでもそういう人が選ばれ、重宝されてしまうんですね。
分かりやすく物事を言うとか、みんなに刺さる言葉を使うとか言われますよね。
これが、政治の世界になると、「ポピュリズム」になるわけですね。
正しく情報をインプットする方法
トランプ大統領の特徴は、小学校5年生レベルの英語を使うと。
つまり、誰が聞いても非常に分かりやすい言葉をあえて使うんですね。
格調高さとは全く対極にあると、よく言われるんですね。
この格調高さと対極にある分かりやすさを、どんどん求めるような方向に行っているなぁ、という所があります。
分かりやすい話に安易に流されないためには?
たまには処理流暢性が低い、分かりにくい情報を処理してほしいという事で、読書ですとか、時間をかけた思索だったり、ちょっと忍耐力が必要なパズルをやってみるとか、体験とか。
山でね、猟師をしてみたり、川で魚釣りをしてみたりなどといった、少し自然と格闘するような忍耐力がいる時間というを過ごしてみるのが、一つの効果的な方法と言えますね。
長い時間をかけて、じっくり思索してみるという体験は、非常に重要だったりします。
早いインプットだけではダメ。
参加して、体験して、時間がかかるインプットが重要だというわけですね。