人間が万物の霊長である理由
人間は大脳が支配する動物で、だからこそ万物の霊長と呼ばれまして、他の動物を圧倒的に支配しているわけですね。
体の大きさを見ても、筋肉の大きさ、牙などは、他の動物よりも立派ではないというよりかは、非弱でありと言ってもよいわけです。
それにも関わらず、人間がライオンだとかヒョウだとかといった強い動物の上に立っているのは、ひとえに人間の大脳の力というわけなんですね。
しかし、大脳の力が強いという事は、良い事ばかりではなく、都合の悪い事もあるわけです。
それの教育上の一番の問題をここでお話したいわけですけれども。
子供を駄目にする叱り方
よくお母さんがですね、子供に向かって
「あなた、グズね」
と叱っている場面を目にするんですね。
それ以外にも、子供に対して
「これ、ダメじゃないの」
という方向で言うわけです。
お母さんは元々心配性なものですからね。
どっちかといいますと、注意をするという事が多いんですね。
子供の正しい叱り方
だけれども、これは本当は、「グズね」とう悪い方向を言うのではなくて、
「あなたもっと素早く出来るようにならなきゃダメよ」
「そんなにグズだとみんなに負けてしまうわよ」
というフルセンテンスを言った方がいいんですね。
このフルセンテンスのうち、終わりだけを言うのがお母さんの特徴で、「なんだったら最初の方を言ったらどうなの?」というわけです。
子供というのは、分かっていないから分からないわけであって、分かっているけどそういう行動をしないという事は、あんまりないわけですね。
ですから、お母さんがそういう風に言うと、そういう風にしようと思っちゃうんです。
「あなたグズね」
というと、
「グズになったらいいんだな」
なんて思ってしまうんですね。
そんな事は無いだろう思ってしまうかもしれませんが。
言葉の表面しか理解できない
よく人の会話とかでですね、語尾とか、その人が本当に言おうとしている事が分かるのではなくて、その人の言った事を表面的に取ってしまうという事が、我々大人同士でもあるわけですから。
まして子供がですね、しかも、怒られたという感じもありますから。
ちゃんとフルセンテンスを理解する。
つまり、
「あなたグズね」
と言われてですね、これは、
「グズというのがいけないのであって、素早くしなければいけない」
と思うような子供であれば、最初から素早くしていると思うんですね。
「グズじゃダメよ」
ぐらいだったらまだいいんですけど、
「あなたグズね」
なんて言う人がよくいるんですよ、お母さんを見ていますとね。
「グズはダメよ」だったらまだ「ダメ」が入っているからまだいいですけど、「グズね」だと、子供からしたら、なにか肯定しているようにも取れるわけですね。
これは簡単ですが、「あなたグズね」という代わりに、
「もっと素早くやりなさいね」
言った方がいいんですよ。
殆ど言葉は変わりませんからね。
子供は誰もが意欲満々
赤ちゃんは、誰もが常に意欲満々なんですよ。
あれもしたい、これもしたいといった感じなんですね。
もう一つ非常に重要なのが、自己達成意欲に満ち満ちているわけです。
例えば、「ハイハイが出来たら嬉しい」「言葉が喋れるようになったら嬉しい」「何か食べれるようになったら嬉しい」というように、自己達成欲があるんですね。
つまり、意欲満々であり、自己達成欲があるのが人間なんです。
ですから、もしそのまま育てられればですね、思春期になっても大学生になっても、意欲があって、自己達成欲がある、素晴らしい子供になるんですが。