素直すぎたり、真面目すぎたり、責任感が強すぎたり…
いい事のように思われがちですが、実は、損をしてしまう事も多いものです。
他人に利用される都合がよい人々
世の中に、素直さや真面目さ、責任感の強さを悪用する人間が存在しています。
例えば、会社員になると、会社に対する不満があったとしても、言ってはならないと思い込んでしまったり…
確かに会社の中の個人としては、あまり不満を口にするものではないのかもしれませんが、個人の生活の中に、会社員としての自分がいるという考え方も出来ます。
会社員としての自分も大事にしつつも、個人としての自分は、一体何がやりたかったのかを見失ってしまわない事が大切です。
人間に本来ある信じる快感
安易な手口の詐欺に、何度も何度も引っかかってしまう人がいますよね。
人間には本来、「信じる快感」というものを持っており、出来れば信じてあげたいと思ってしまう傾向にあります。
また、「自分の自由な意思を放棄する」といった快感も持っています。
つまり、多くの人は、他人から命令される方が、他人に命令するよりも、ラクに感じてしまうものです。
想像してみると、他人に対して「あれしろ、これしろ」と命令する事は、結構ストレスな事だと感じませんか?
「やって」と言われる方が人間にとっては実はラクな事で、更にそこに自分の存在意義を見出すことも出来るのです。
素直すぎる人、真面目すぎる人、責任感が強すぎる人は、その傾向が著しく強く、その心理を他人に悪用されてしまうのです。
運がいい人と運が悪い人の違い
世の中には、運がいい人と悪い人がいるように見えますよね。
コインには表と裏があります。
コインを投げて、表が出ても裏が出ても、それで運がいいか悪いかを、意味付けする事は出来ません。
ですが、そこに意味付けするのが人間なのです。
意味付けするのは人間なので、そこは「認知」の問題になります。
また、意味付けするのは脳なので、「脳科学」の問題となります。
雨が降ったら運は悪いのか?
世間一般では、「雨女」などと茶化され、雨が降る事は悪い事のように思われがちです。
ですが、雨が降る事が悪い事かどうかは、文脈によって異なります。
農家さんなどにとって、雨が降らない日照りの時期に雨が降らなければ、運が悪いと思うでしょう。
逆に、雨が降ってほしい時に雨が降れば、運が良いと思うでしょう。
つまり、雨が降る、降らないに意味は無いけれども、そこに意味付けしているのは、人間であるというわけです。
不運から抜け出す事は出来ないのか?
何をやってもうまくいかない…
不運続きから抜けられないと感じている方もおられるかもしれません。
不安を感じやすいのは日本人の特徴
日本人は外国人とは異なるある特徴を持っています。
日本人が持つセロトニントランスポーターの量が、外国人に比べると明らかに少ないのです。
脳の表面にセロトニントランスポーターというものが発現していて、放出されたセロトニンを、再利用するという働きをします。
セロトニンには、やる気を引き出す働きがあり、少ないと心配や不安な気持ちになりやすくなります。
日本人の7割の人はこのセロトニントランスポーターの量が少ないといわれており、不安を感じやすい心配性な民族であるといわれています。
一方で、米国人では、セロトニントランスポーターの量が少ない人は3割を切る程度の割合であり、不安を感じにくい民族であるといわれています。
この、セロトニントランスポーターの量が多いと、ハイリスク・ハイリターンを好む傾向が強くなり、ギャンブラー気質になりやすくなります。
民族による陽気さの違いは、こんな所にも隠されていたりするのです。
幸運な人間になる方法
せっかく生まれて来たからには、楽しい人生を送りたいですよね。
負け癖がついてしまって、何とか運を良くしたいな、という方におすすめの方法を紹介します。
ポーズの取り方を変えてみる
一つ目の方法として、形から入って自己イメージを変えるという方法あります。
面白い社会心理実験があり、肩をすくめたり、背中を丸めるなどの弱いポーズを取らせたグループと、胸を張ったり、背中を反らせるなど、強いポーズを取らせたグループを比べた結果…
弱いポーズを取らせたグループの方が、ストレスホルモンの値が上がり、男性ホルモンの量が減っている事が分かりました。
この結果で何が分かるのかというと…
ストレスホルモンであるコルチゾールの値が上がると、脳の海馬が委縮するといった人体的な悪影響を引き起こします。
記憶を司る海馬が委縮すると、記憶力は悪化します。
また、男性ホルモンの濃度は、勝負強さと関わっていると言われ、減ってしまうと、攻撃性や、やる気が下がってしまいます。
結果、勝てる所で勝ちを逃してしまうなど、前に進めないといった状況を引き起こしてしまいがちです。
努力逆転の残酷な法則
失敗してしまう可能性がある時に、
「自分は失敗するはずがない」
と無理に思い込もうとしてしまうと、逆に不安が大きくなって、失敗しやすいという法則があります。
「勝たなきゃ」という気持ちが強すぎると、逆に身体がすくんで、普段通りのパフォーマンを発揮できないといった事態を引き起こしてしまいがちです。
不安な気持ちを克服する方法
不安な気持ちを克服するには、不安な気持ちから目を反らすのではなく、直視する必要があります。
そして、どういった時に、失敗する可能性があるのか、冷静に分析するのです。
不安の要因が見えないから、「失敗したらどうしよう」といった不安な気持ちが沸いてきてしまいます。
「失敗したらどうしよう」ではなく「失敗しないためにこうしよう」に変える必要があります。
見えないからこその不安であるため、見えないものを出来るだけ見える化してやることが大切なのです。
あなたは幸運な人
自分が運がいいか運が悪いかなんて、誰も決める事が出来ない事です。
であるならば、自分で自分は運がよい人間であると決めてしまえばよいのです。
自分は運がよいと信じる事が出来れば、他人からいくら運が悪いと言われようが、その発言に引きずられる事が無くなります。
運の良し悪しを、他人が決めつけられる危険を避ける事が出来ます。
様々寄ってくる不安要因を、ありがたいフィードバックであると捉えられるようになれば、よいパフォーマンスを発揮できる人になれるはずです。
脳は変わる可能性を秘めている
日本人の特徴として、セロトニントランスポーターの量が少ない人が多い事は事実です。
ですが、人間の脳は、変わる可能性も秘めています。
能力があるにも関わらず、使わず眠っていたという事もあります。
陰気だと思われていた人が、実は陽気だったという事だってあり得るのです。
3日坊主が辞められない理由
いい事だと分かっていても、新しい事をやり続ける事は、なかなか難しい事ですよね。
脳に新たを回路を作るために必要な期間は約3週間、20日程度必要だといわれています。
新しい事を3日程度行うと、なんとなく気持ちが慣れてきて、新しさを感じられず、やる気は無くなってしまうのですが、脳の回路は出来上がっていない状態です。
3週間程度続ける事で、脳に新しく回路が出来上がり、その後はラクに行動する事が出来るようになります。
3日坊主も、6回、7回と繰り返していれば、やがて脳に新たな回路が出来、気が付けばラクに出来るようになっている事であしょう。
切実な不安を抱える人へのアドバイス
どう考えても自分は運が悪いなどと強い不安を感じている方の場合は、一度その運の悪さと向き合って考えてみる事が必要です。
見えないものを見える化するというプロセスですね。
正体が見えないからこそ不安になってしまうわけで、その正体を分析し、認知の歪みや、考え方の誤りを、少しずつ発見して行くのです。
不安な気持ちにさせる、その要因をあぶり出すことが大切なのです。
一方で、不安になりやすい方は、リスク評価の能力であったり、慎重に物事に対処できるなど、いいところもあります。
自分が持つ特徴を大切にし、武器にして頂きたいと思います。
そのような能力を生まれつき持っている事こそ、運が良いとも言えますからね。